魔法使いの女子高生   作:ぬぬぬぬも

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私の名前、藤原 ユキ

 

 私は今、玄関の目の前にいる。そして、お母さんたちに早くケーキを渡したい気持ちがある。しかし、目の前で立ち止まってしまった。自分の癖が出てしまった。

 お母さんが喜んでいるところを想像してニヤついていた。自分のほほをもんだりつねったりして何とか顔を落ち着けようとする。

 

 「ただいまー」

 「おかえり、ユキ」

 

 私は結局ニヤついたまま、家の中に入った。

 玄関から上がって茶の間に入ると、弟がゲームをして台所にはお母さんが夕飯の支度をしていた。

 

 「今日は母の日だから、プレゼントのケーキ買ってきたからご飯の後でたべよ、」

 「ありがとーお母さんうれしい。でもどうしたの、いつもこんなことしないのに」

 「ほんとは昨日、新聞のチラシにおいしそうなチーズケーキがあったからそれを食べたかっただけ」

 「やっぱり。ユキはもう少し女らしくなったらどう、弟のレンをすこしみならったら」

 

 お母さんに褒められるよりも、すこし怒られたので、私のニヤニヤもなくなってしまった。やっぱりこういうのは定期的にやらないとだめなのかと思った。

 それに対して私の弟は毎年、お母さんの誕生日にプレゼントを渡している。私はいつも面倒くさいと思って何もしてない。特に何も言われてこなかったし、こっちは魔法が使えるんだぞ。

 

 私はそのあと、レンと一緒にゲームをして、お風呂に入って、歯磨きをして、スマホをいじりながら布団に入った。そしてふと思ったことがあった。

 それは最近、すごい魔法を使ってないことだ。小学生の頃は弟と一緒に魔法で遊んでいた。光る剣を作ってみたり、おもちゃの電車の中に入ってみたり。

 それと、お風呂の水を魔法で温めたり、使いまわしたり、皿洗いとか。魔法での手伝いとかもやってた。

 時々、お母さんから「魔法のおかげでおもちゃは貰い物だけですんだし、手伝いもしてくれてたすかってた」とよく言われる。ちょっと嫌味まじりで。

 

 今、お母さんは昔とは別の会社で働いている。帰る時間は遅くなっちゃったけど、給料が上がって、節約しなくても十分に生活できるようになってきた。今やお母さんは会社の課長だ。だから、中学生になってきたくらいから緊張感が抜けたのか、さぼり癖が出てきて高校生になったころには完全に弟にまかせっきりになった。

 しかも、お母さんから私と弟のゲームを買ってもらって、スマホも買ってもらうことができた。魔法なんかよりもゲームとかアニメ見ているほうが楽しい。魔王とか、世界を救うとか、安全なところから見ているから楽しいのだ。実際に体験なんかしたくない。

 そんなことを思いながら、少し夜更かしをした後、アニメを見ながら寝落ちした。

 

 朝、お母さんの声で目が覚めた。

 

 「もう8時だよ、おきなくていいの、また遅刻するよ」

 

 私は飛び起きて、寝坊だと気が付いた。

 

 「なんでおこしてくれなかったの?」

 「何回も声かけたよ、それにユキの部屋にあんまり行きたくないんだよ、物が散らかってるし、お菓子のごみとか、風船とかもあったんだからね」

 「わかった……。」

 

 ちょっと恥ずかしくなったけど、今はそれどころじゃない。いくら自分が悪い女だからって遅刻で先生に怒られるのは嫌なのだ。

 空飛ぶ魔法とか覚えたいな、と思いながら遅刻にならないために全速力で自転車をこいだ。

 




がんばります。
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