・この作品は『バカとテストと召喚獣』と『東方Project』のクロスオーバー作品です。
ただし、他の主要な作品とは違い、吉井明久がチートでもありませんし、基本的には原作
忠実の設定をしています。なので、これが気に入らない人にはあまりお勧めできません。
ですが、同時にただのクロスオーバー作品ではなく、しっかり自分で一つのストーリーを
作って書いています。なので、『バカとテストと召喚獣』と『東方Project』どちらも知ら
ない人でも、片方を知っている人でも、両方知っている人でも、一度は読んでみてくださ
い。
・ついでに全部見ていただいて、よければコメントください。できればアドバイスや、原作
知識であれば嬉しいです。というか正直なんでもいいです。
バカテスト国語
[第二問]
問 以下の意味を持つ諺を答えよ。
『(1)得意なことでも失敗してしまうこと。』
『(2)悪いことがあったときさらに不運が重なること。』
木下優子の答え
『(1)河童の川流れ』
『(2)踏んだり蹴ったり』
教師のコメント
正解です。他にも同じ意味を持つ例えば『弘法も筆の誤り』などがありますので覚えておきましょう。
土屋康太の答え
『(1)弘法の川流れ』
教師のコメント
なんともシュールな光景ですね。
吉井明久の答え
『(2)MP切れのところでメタルスライム』
教師のコメント
いい加減ゲームから離れましょう。
坂本雄二の答え
『(1)母のまともな料理』
教師のコメント
あなたの母親の料理がまともなのはそんなに珍事になりうることなのですか。
藤原妹紅の答え
『(1)上白沢慧音も歴史の読み違い。』
教師のコメント
教師をバカにするのはやめましょう。ところでなぜまだ発表されていない新任教師の名前を知っているのですか?
「なんだこの馬鹿でかい教室は….」
僕は3階に踏み入れて最初に見た教室に思わずこう言ってしまった。
すごいな、まるでどこかの国の豪邸みたいだ。これが噂のAクラスなのか?
「皆さん進級おめでとうございます。私はこの2年A組の担任、高橋洋子です。どうぞよろしくお願いします。」
足を止めて大きめの窓から中をのぞいていると、髪を後ろでお団子状にまとめ、メガネをかけてスーツをきっちり着こなした知的女性の代表のような女性がいた。
彼女が言った矢先、大型のディスプレイに自己紹介の事項が映し出された。なんて贅沢な。いくらするんだ、あれ。
「まずは設備の確認をします。ノートパソコン、個人のエアコン、冷蔵庫、リクライニングシートその他設備に不満のある人がいますか?」
いやいるわけないでしょ。ここ、なんなら僕の家より全然環境がいいよ。冷蔵庫にはお菓子などの食料がこれでもかというほど敷き詰められてるし、ガラスは全てスイッチ製、壁には絵画や観葉植物などが飾られている。どこの高級ホテルだよほんと。
「他にも必要なものがあれば言ってください。」
どこからともなく紅茶の香りが漂ってくる。早速設備を使って紅茶を作り始めた生徒がいるのだろう。
「では始めにクラス代表の紹介をします。霧島翔子さん、お願いします。」
「はい……」
呼ばれて席を立ったのは黒髪ロングの日本人形のような少女、霧島翔子さん。
その姿は神々しく、他を寄せ付けない圧倒的な存在感があった。
クラス全員の視線が集まる。それは当然だ。何せクラス代表といえば、それはこの2年製の中で最も良い成績をとったもののみに与えられる称号なのだから。
「霧島翔子です…..よろしくお願いします。」
そんな視線の中、顔色ひとつ変えずに挨拶する霧島さん。
ってやべ、僕もいい加減自分の教室に行かないと。
「…」
*
2年F組と書かれたプレートのある教室の前で僕は少しだけ躊躇していた。遅刻なんてしてきてみんなに悪い印象を持たれたりしないだろうか。嫌な奴や怖いやつや痛い奴はいないだろうか。
今後一年間を過ごす仲間がどう言った人たちなのか不安でたまらない。
「ま、なんて考えすぎだよね!じゃあ、」
どうせネガティブになってもしょうがないよね、ってことで
「すっいまっせーーん!ちょっとおくれちゃいましたっ♪「早く座れこの蛆虫野郎」って全部台無しだよ!」
いきなりなんだ!
「聞こえないのか?あぁ?」
僕は睨みつけるように教壇に立つ男を見た。その背は意外と高く180cmくらい。やや細身ではあるものの、華奢ではなく、バランスの良い筋肉をしているのがわかる。ギザギザの髪に、野生たっぷりの顔をした男、
「雄二、何やってんの?」
彼は僕の宿敵、おっと。彼は悪友の坂本雄二。まさかと思うけど彼がFクラスの先生ってことはないよね。
「先生が遅れているらしいから代わりに教壇に上がってみた。」
よかった。彼が教師だったらこれからの僕の学園生活、地獄になる気しかしないよ。
「でもなんで雄二が先生の代わりを?」
「一応このクラスの最高得点者だからな。」
「え?つまり雄二がこのクラスの代表だってこと?」
「ああ、そういうこった。」
ニヤリと口の端を上げる雄二。その理由に僕も思わずほくそ笑む。こいつさえ手駒にすればこのクラスは僕の思うがままにできるってことだ。
「このクラス全員が俺の兵隊だな。」ふんぞり帰って床に座るクラスメイト等を見下ろしている雄二。
─そう、クラスメイトは皆床に座っている。
理由は簡単。席なんてものがないからだ。
うん、何この設備。
「まぁ、さすがはFクラスってところかな?」
空きスペースでも探さないと。
「えーと、ちょっと通してもらえますかね?」
不意に後ろから覇気のない声が聞こえてきた。
そこから寝癖のついた髪にヨレヨレのシャツを貧相な体に着た、いかにも冴えない風体のおじさんがいた。
「それと席についてもらえませんか?ホームルームを始めますので。」
学生服も着てないし、どう見ても10代には見えない。どうやらこのクラスの担任のようだ。
「はい、わかりました。」
「うーっす」
僕と雄二はそれぞれ返事をしてそこら辺に座る。
先生は僕らが戻るのを待った後、壇上でゆっくり口を開く。
「えーおはようございます。2年F組臨時担任の福原慎です。」
福原先生は薄汚れた黒板に名前を書こうとしてやめた。うわ、チョークすら用意されてないや。
あれ?て言うかさっき『副』担任って言った?どう言うことだろう。
「皆さん全員に卓袱台と座布団は支給されていますか?不備があれば申し付けください。
五十人程度の生徒が所狭しと座っている教室には机がない。あるのは畳と卓袱台と座布団。なんて斬新な部屋なんだろう。一年生の時から噂には聞いていたけど実際に見ると言葉が出ない。
「せんせー、俺の座布団に綿がほとんど入ってないです。」
と、クラスメイトの誰かが先生に設備の不備を申し出る。
「あーはい、我慢してください。」
「先生、俺の卓袱台の脚が折れています。」
「木工ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください。」
「センセ、窓が割れていて風が寒いんですけど。」
「わかりました。ビニール袋とセロハンテープの支給を申請しておきましょう。」
教室の隅には蜘蛛の巣が我が物顔で形成しており、壁にはひび割れや、落書きのない場所を探す方が困難だった。ひどすぎる。教室っていうより廃屋ていう表現が似合う気がする。
「必要なものがあれば極力自分で調達するようにしてください。」
どこからか、というよりも教室全体的にカビ臭い独特の空気が漂う。きっと床に敷き詰められている古い畳のせいだろう。
「では自己紹介でもしましょうか。そうですね、通路側の人からお願いします。」
福原先生の使命を受け、車座りをしていた廊下側の生徒の一人が立ち上がり名前を告げる。
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。」
ん?誰かと思えば秀吉じゃないか。
独特な言葉使いに小柄な体、肩に少しかかる程度の髪をゆったりと縛ったいでたち、去年一年で見慣れた僕でも、女子と見間違えてしまいそうな可愛らしさ。間違いない。あいつは僕のクラスメート、木下秀吉だ。にしても相変わらずの可愛さだなあ。男ばかりのこの教室ではもはや荒野に咲く一輪の花だ。
「ーというわけじゃ。よろしく頼むぞい。」
軽い微笑みと共に挨拶を終わらせる秀吉。なんて可愛いんだ。って、まずい、騙されるな!吉井明久。あいつは男だ!ときめいてはいけない!
「……….土屋康太」
いつの間にか次の生徒が立ち上がって名前を告げていた。
どれどれ、ってこれまた知り合いだ。
相変わらず口数が少ないなぁ。小柄で、でも体が引き締まっていて、運動神経もいいのに、なんでこんなおとなしいんだろう。やっぱり目立つといけないのかな?その、イロイロと。
にしても見れば見るほど男ばっかだなぁ。女子は一人もいないんだろうか。
「ーです、海外育ちで、日本語の会話はできるけど読み書きは苦手です。」
おっと、また次のひと。
「あ、英語は苦手です。ドイツ育ちでしたので。趣味は…」
お、珍しく女子の声だ。よかった、流石に一人はいるんだな。
「趣味は吉井明久をボコすことです☆」
って違うっ!誰だ!そのあまりにもレアな趣味を持つ人は!ってそんなの一人だけか。
「き、君は!まさか!し、島田さん!」
「ハロハロ〜よろしくね、吉井。」
うーんまたまた知り合いだ。最初は普通の女の子だったのにある時から急に僕にとにかく突っかかるようになった女の子だ。
にしても知り合いばっかりだなぁ。…っておかしくない?類は友を呼ぶってか!?僕が彼らと同じレベルだとでも!?
「ーです。よろしく。」
僕の前の人の自己紹介が終わる。あ、じゃあ次は僕の番か。
僕はそうして意気揚々と自己紹介しようとした時、突然ドアがノックされた。
「おや、どうやらきたようですね。では入ってきてください。」
え?僕の自己紹介はスキップ?酷くない?
そんなことは次の瞬間にはどうでも良くなった。なぜなら、入ってきた人に僕らは全員目を奪われてしまったからだ。
*
私は今年から文月学園の新教師として務めることになった上白沢慧音だ。寺子屋で子供たちを教える経験があったとはいえ、実際に現代の『学校』というところに入るのは初めてだな。
そして私は今、その勤め先となる、文月学園2ーFクラスの扉のまえにいた。
「これはひどいな…」
そこは、教室というよりも廃墟に近い感じだった。これまで通ってきたクラスとは違い、まず扉や標識からしてもうボロい。
隣の女性も同じことを考えているからなのか、頷いていた。
全く、ここの学園の長は一体何を考えているんだ。これじゃ生徒たちも勉学に励むどころか腐って何もしなくなるだろうに。
何よりここには”彼”がいるんだ。心配どころか、正直今すぐ私の寺子屋に連れ戻したい。
しかしそれを彼が拒むこともよく知っている”彼女”は不安をできるだけ表に出さないようにしつつ、扉をノックした。
「おや、どうやらきたようですね。では入ってきてください。」
入る許しが出たため、扉をあけ、元気よく一歩を歩み出す。そして教室の皆を見た瞬間、いや刹那の如き早さで彼女は、目的の人物を見つける。
それはちょうど立って自己紹介しようとしていた吉井明久その本人だった。
「今日からFクラスの担任となる上白沢慧音さんと、転校生の藤原妹紅さんです。みなさん、仲良くしてあげてください。」
ようやっと登場。基本は水曜と日曜での更新を予定中。次は過去編かな〜。ていうか水曜中間考査なんだけど。だる。