・この作品は『バカとテストと召喚獣』と『東方Project』のクロスオーバー作品です。
ただし、他の主要な作品とは違い、吉井明久がチートでもありませんし、基本的には原作
忠実の設定をしています。なので、これが気に入らない人にはあまりお勧めできません。
ですが、同時にただのクロスオーバー作品ではなく、しっかり自分で一つのストーリーを
作って書いています。なので、『バカとテストと召喚獣』と『東方Project』どちらも知ら
ない人でも、片方を知っている人でも、両方知っている人でも、一度は読んでみてくださ
い。
・ついでに全部見ていただいて、よければコメントください。できればアドバイスや、原作
知識であれば嬉しいです。というか正直なんでもいいです。
冷たい風があたりを冷やす冬の空。その下に一人、弱々しく歩く子供がいた。シャツ一枚と灰色のズボン一枚だけの薄着の子供。手に何か持っているわけでもなく、正気も弱々しい。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ご───」
誰に向けているのかもわからない謝罪を誰かにし続けている。そんな少年に近寄るものも、気遣うものいなく、彼はただ一人で歩き続けた。
彼が道を曲がれば石に躓いて転び、家の近くを歩けば犬に追いかけられる。
彼は世界からも拒絶されていた。
「ねえねえ聞いた?あの学校に侵入した大量殺人鬼の話!」
「ああ、あれ?デマじゃねーの?」
「子供が殺したってあれ?絶対嘘だってwww」
「え〜でも友達の弟がそこに通ってたんだよ。」
「え?マジなの?」
「いや、ないない。子供が大人殺せるわけねえだろ。」
「殺せたとしたらそいつは
”バケモノ”
かもな。」
*
日が落ち、電灯が夜の道を照らすようになっても、少年は歩き続けていた。
彼に家なんてない。いや、無くなったと言った方が正しいかもしれない。
「──なんで…」
少年が乾いた唇を開いて掠れた声を出す。その声を聞く者も、それに答えてくれるものも、いない。
彼にはこの世界に居場所がなかった。
彼は言われ続けた。
同級生から
「バ、バケモノ!近づかないで!」
道端の人たちから
「ひっ、バケモノ!」
母親から
「あなたみたいなバケモノ、うちには入らないで!」
初恋の少女から
「バ、バケモノ…ち、近づかないでください!」
自分を最もかわがってくれた姉から。
「あなたはアキ君ではありません。私がその気になる前に消えなさい。このバケモノ。」
彼はこの世界からも、社会からも拒絶されてしまった。
いらないものになってしまった。
彼は歩き続けた。その時、彼の周りから急に人気が消えていった。
人気のない道を彼は歩いいく。
そして、彼は一つの公園にたどり着いた。
彼は止まった。たまたま。本当にただ何かに気になったとかでもなく、本当に偶然だった。そして、それが彼の未来を決めた。
「──あれ?」
彼は気づいた。周りの電灯が次々に消えていっている事に。
いや、電灯だけではなく空に浮かぶ星たちの輝きも消えていく。
闇が深まっていく。
普通の人間では恐怖でパニックになるようなこの状況で、彼は笑っていた。
「そっか─これでようやく…」
あたりを闇が覆っていく。そして、彼の体はその闇に包まれていった。
いらなくなったもの、つまりエラーである彼は世界から拒絶され、削除される。そんな存在が集まる世界。それこそが…
「『幻想郷』へようこそ。」
少年の意識は闇と一緒に葬られていった。そして彼の記憶はそこで途切れた。
*
「あ。」
「どうされました紫様。」
「迷いの森に落としちゃった。」
「?何をです?」
「生贄。」
「せめて神隠しをした人間と言ってください。どんな人間なんですか?」
「子供。」
「子供?なぜ子供が…」
「さあ?」
*
「───ん─あれ?ここは…」
少年は明るい光と共に目を覚ました。そこには緑一面の森が広がっていた。その森は美しく、そして同時に不思議な力を感じた。
「天国…」
少年はそこを天国だと思った。そして、涙を流した。
「許されたんだ…僕。」
彼は救われた。そう感じた。感じただけだった。
その時、近くから足音がした。
「ん?子供?」
それが彼女との最初の出会いだった。
*
その女性は天国にいるにしてはあまりにも物騒な姿をしていた。服に返り血がとび、その服自身も破れてボロボロになっている。
彼は嫌な想像をした。しかし、それを認めたくなかった。だから聞いた。
「お姉さんはなんで死んだの?」
「あ?何言ってるんだ?私だって死ねるなら死にたいっつーの。」
「そっか。やっぱりそうなんだ。」
彼の予想通りだった。彼は死んでなどいなかった。
「ははっ」
不思議と心が消えていく。目から水が出てくるものの、それを拭う気力も出てこない。
「なんでそんなこと聞いた?」
「……なんで?」
「は?」
「ねえお姉さん。僕はどうすればいいの?なんで生きてるの?なんで死ねないの?」
彼は喚いた。叫んだ。唾を無様に吐いて、ただ思うがままに叫んだ。
「・・・・・・死ねない?」
「なんだってした!高いところから落ちてみたし、悪いものをたくさん食べてみた!刃物を刺してみたりした!でも死ねない!生きてる!死にたいのに!」
彼の声にするのも難しいほどの強力な慟哭があたりを震わす。
「・・・・・・ああそうか。お前は『こっち側』、なんだな。」
そんな彼に彼女は自分と同じものを感じた。
「え?」
「なあお前、どうせ他に行くと来ないんだろ?私と一緒に来ないか?」
彼女の言っていることは正しい。しかし彼には正直に従うだけの素直な心もなかった。
「……僕は他の人と関わっちゃいけない。」
「なんでだ?」
「僕は、人殺しだって、お母さんが…」
それは正確には母ではなく姉に言われたこと。しかし、いずれにせよその言葉が彼の心に刺さったのは間違いない。
「そうか。なら私は極悪人だな。」
「──え?」
「私は幾人もの人間を殺した。恩人すら殺した。ただの自分の欲望のためにな。」
女性が吐き捨てるようにいう。それにはただの自分への怒りとして終わらせられないような複雑な感情が詰まっている、そんな気がした。
「そ、そんなの関係ないよ!」
「いや?私にはお前を救う義務がある。だから関係がないとは言わせない。」
女性の強い瞳に、言葉に、少年は迷った。
「私はお前のことを恐れないし、殺されもしない。安心しろ。」
少年の一番欲しかった言葉。少年の心の天秤が傾く。
「私の名前は藤原妹紅。付いてくつんならお前の名前を教えてくれ。」
差し出された手。彼にそれを断る理由は、もう無かった。
「──ひさ。」
「え?なに?」
「その犯人の子供ってさぁ、今どこにいるんだろうね!」
「外出られないだろ。」
「少年院じゃない?」
「いや、正当防衛だろ。」
「子供の名前って知ってる?」
「いや、そこまではわからなかったんだよね。」
「怖えーwww」
「は?何が?」
「だってもしかしたらその子供が近くにいるかもってことだろ?」
「いや、ないだろ。」
「明久。吉井明久。」
これが、僕の大切なセカイとの初めての出会い。
「よろしくな、明久!」
「……うん。」
そして大切な彼女らとの出会い。
吉井明久
:現実から突き放され、幻想郷に迷い込んだ小学5年生。『不死』に近い何かしらの呪いにかかっており、本人の力では何をしようとも死ぬことはできない。噂の大量殺人犯を撃退した小学生と何かしらの関係があるらしい。相変わらずのバカ。
能力『???程度の能力』
よし!書いたかいた。ていうか今中間考査の真っ最中なのに、いいんかね。ま、いっか。結構ストーリー考えるの大変。それにフラグ作りすぎたかね。まあとりあえず楽しんでくれたら結構です。次の過去編の時期は知りません。これぐらいで入れる!って時に入れます。