異世界の英雄がダンジョンにいるのは間違っているだろうか   作:熱々ミカン

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処女神と恩恵

 

 

「じゃが丸くん二つ。どっちもソース味で」

 

「はーい……ってアルエラ君じゃないか!」

 

 アルエラはダンジョン帰りに小腹が空いたのでじゃが丸くんを買いに来ていた。

 

「さっきまで軽くダンジョンに行っててな、今戻って来た所なんだ」

 

「そっか、お疲れ様だね ! はい、じゃが丸くん」

 

「ありがとう。ヘスティアは後どれぐらいでバイト終わるんだ?」

 

 アルエラから呼ばれた店員。ヘスティア。

 

 彼女は竈の炎を司る炉の女神にしてオリュンポスの神だ。幼い容姿をしているが女神らしく端麗だ。チャームポイントは可愛らしいツインテールで自由に動かせる。

 ヘスティアは元々ヘファイストスと言う女神の所にいたがグータラの性格もあってかダラダラ生活していた。その事にヘファイストスが怒り、今では立派なバイト戦士になっていた。

 

「う~ん後30分くらいかなぁ…」

 

「じゃあ、この後一緒にスイーツ食べに行かないか?」

 

「いいのかい!?少しだけ待っていてくれ」

 

「あぁ。わかったよ」

 

 アルエラは屋台から少し離れた所で待っていた。ヘスティアを見ていると忙しなく動いた。

 アルエラはその様子に少し笑ってしまうが自分との食事を楽しみにしてくれてると思うと嬉しくなった。

 

 ヘスティアはエプロンを外し普段の服に戻って小走りでアルエラの方に走っていた。

 

「お待たせ!待ってくれてありがとうアルエラ君。じゃあどこに行こうか?」

 

「最近美味しい所を見つけたんだ。そこに行ってもいいか?」

 

「うん!そこでいいぜ!」

 

 ヘスティアはサムズアップをしながら笑顔で言った。

 

 二人は雑談しながら歩いていると目的の店に着いた。店は大通りから外れているが綺麗で良い印象を与えてくる。

 

「この店だ。結構気に入っているんだ」

 

「綺麗な店だね。楽しみにしてるよ」

 

「いらっしゃいませ。こちらの席へどうぞ」

 

 店に入るとリンリンと鈴の音が鳴る。店員はアルエラ達に気付くと席に案内する。

 雰囲気としては落ち着いた感じだ。

 

「お洒落なお店だね。こう言う所来た事ないから楽しみだよ」

 

「良かったよ。はい。これメニュー表。ヘスティアはどれ選ぶ?俺はミルフィーユと紅茶にするけど」

 

「そうだなぁ…………」

 

 メニュー表を見ながらヘスティアは内心、嵐のような心境だった。

 

「(うわぁー!何でこんなに高いんだい!そりゃあこんなにお洒落で良い店なら高いと思ったけど!今月結構ピンチだから高い物頼めないぞ)」

 

「今日は俺が連れて来たからこっちの奢りでいいぞ」

 

「悪いよ。前の時も奢って貰ったのに今回も何て……」

 

「金欠なんだろ?」

 

「何でそれを!?」

 

「メニュー見ている時のヘスティアの顔、凄い事になっていたぞ」

 

 ヘスティアはアルエラにカラカラ笑われながら言われると顔を真っ赤になってしまう。自分ではバレていないつもりだった。

 アルエラを見るとヘスティアを見て笑っている。

 

「もう!何ボクを見て笑っているんだい!」

 

「ははっ悪い悪い。つい可愛いかったからな」

 

「そんな事言ったって誤魔化されないぞ!」

 

「(くっ!アルエラ君め!照れちゃうじゃないか……)」

 

 ヘスティアはまだ怒っているように見せているが内心かなり喜んでいた。

 

「はいはい。でヘスティアはどれにするんだ?」

 

「じゃあ……いちごパフェとメロンソーダにしようかな」

 

「おっけ。店員呼ぶぞ」

 

 アルエラは店員を呼び注文した。ヘスティアを見るとアルエラが持って来ていた剣を見ていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「いや~、その剣クレイモアって言うんだっけ?綺麗だなぁって思ってね」

 

「いい剣だろ?こいつの銘はクンツァイトと言うんだぞ」

 

 アルエラは子供が宝物を自慢するような笑顔で話している。ヘスティアはアルエラが普段、他のヒトに見せないような無邪気な笑顔を見て少し優越感に浸りながら口角が上がった。

 

 その時、注文していた品が届いた。ヘスティアは話が中断されて残念に思いながら、いちごパフェを頬張った。

 濃厚な甘さと酸味を感じながらパクパクと口に運んでいく。

 

「このパフェ、凄く美味しいよ!」

 

「こっちのミルフィーユも旨いぞ。ヘスティア口を開けて、あーん」

 

 アルエラはミルフィーユをフォークを刺して差し出す。ヘスティアはそれをパクッと口の中に入れる。

 

「このミルフィーユも美味しいね!じゃあボクもお返しに。はい、あーん」

 

 ヘスティアは自分のパフェをアルエラの差し出す。

 

「これも旨いなぁ」

 

「それは良かったよ。所で、アルエラ君話を聞いてくれよ~」

 

「どうしたんだ?」

 

「ボクの眷属になってくれる子が見つからないんだ~」

 

 テーブルにだら~んと体を預けてヘスティアは話す。この様子からかなり、眷属探しが難航している事がわかる。

 

「やっぱり、誰もいない所だと来てくれないのかなぁ」

 

「何かメリットがないとやっぱキツいな」

 

「そうかぁ。そういえば、アルエラ君はどこのファミリアなんだい?」

 

「俺はどこにも所属してないぞ」

 

「えぇ!!でもダンジョンには潜っているんだろ!?」

 

 オラリオには世界三大秘境に数えられるダンジョンがある。

 ダンジョンにはモンスターが発生する場所であり、そこに行くには神から与えられた恩恵(ファルナ)がないとダンジョンには入れない。

 

「ヘスティアは知らないのか。俺、恩恵が無くても強いんだよ」

 

「そうなのかい?でもダンジョンってファミリアに所属してないと入れなかったよね?」

 

「力があるしね。ギルドにも貸しがあるからな。ちょっと前もギルドの以来でアンタレスって言うモンスターを討伐したしな」

 

「アルエラ君ってボクが思っていた以上に凄いんだね~」

 

 ヘスティアは感心したように頷きながらメロンソーダを飲み干す。

 

「あっ!アルエラ君はファミリアに入ってないんだよね!?」

 

「そうだな」

 

「じゃあ!ボクのファミリアに入ってくれないかい?アルエラ君がボクの最初の眷属になって欲しいんだ!」

 

 ヘスティアに熱弁されアルエラは悩む。もしファミリアに入ったら多少窮屈な立場になるかもしれない。ただ個人的にヘスティアの事は神の中でかなり気に入っている。

 

「………よし、ヘスティアのファミリアに入る事にする」

 

「本当に?……やったーー!」

 

「今度、俺以外にもう一人連れて来ていいか?」

 

「いいよ!いいよ!大歓迎だよ!さっそくボク達のホームで恩恵(ファルナ)を刻もう!」

 

 アルエラ達は会計を済ませるとホームに向かった。

 

 

 

 

 

 

「相変わらずだなぁ」

 

 アルエラはボロボロの廃教会を見て呟く。本拠点(ホーム)である教会至る所に罅が入っており、苔なども生い茂っている。正直ヒトが住むような建物には見えない。

 

「まぁ…ね。でもこんなだけど、今日からボク達のホームになるんだよ!さぁ入って」

 

 ヘスティアは笑顔で胸を張りながら話す。眷属ができた事がそれ程嬉しいようだ。

 ホームの中は外と違いかなり綺麗だ。日頃から掃除している事がわかる。

 

「早速だけどベッドの上で寝てくれ」

 

「ふふっなんだ?俺と寝たいのか?」

 

「違いやい!恩恵(ファルナ)を授けるためだよ!仲良くなってわかったけどアルエラ君って結構愉快な性格してるよね」

 

 アルエラは口角を上げてヘスティアの事をからかう。その姿はどこか色気があり、ヒトによってはホイホイ着いて行っても不思議ではない雰囲気だ。

 

「俺はヘスティアの事、好きだぞ?」

 

「そんな事言って!誰かれ構わず言ってるんだろう!もう。恩恵を刻むよ!」

 

 ヘスティアは表面上は怒っている。しかし神の(こども)の嘘がわかる能力でアルエラが本心から言ってるのがわかり、嬉しさと羞恥の感情が入れ混じる。

 

 そんな感情を隠しながらヘスティアは

 

「なんだこれぇえ!?」

 

アルエラ・レイア

 

LV.1

 

《基本アビリティ》

 力:0

耐久:0

器用:0

俊敏:0

魔力:0

 

《発展アビリティ》

 

《魔法》

 

《スキル》

 

【経験変換】

 

・今までの経験をステータスへ変換する

・使用可能回数は一回のみ

・使用後、このスキルは消滅する

 

 

 

「アルエラ君、これが君のステータスだ!」

 

「なるほどな、割りと普通だな。ただこのスキルは何だ?ヘスティアわかるか?」

 

「そうなんだよねー……このスキルが特別って事はわかるんだけど……」

 

 ヘスティアは頭を悩ませる。こんな事、友神達からも聞いた事がない。スキルの効果である経験を変換させると言うのは良い事か悪い事かもわからないから使っていいか、どうか…………

 

「使ってみるか」

 

「軽いね!?何が起こるかわかないだよ!?」

 

「まぁ、何かあったらその時に考える」

 

「………わかった。アルエラ君の気持ちを尊重する。でも何かあったらすぐに言うだよ」

 

 アルエラはスキルを使い、ヘスティアがステータスを更新した。ヘスティアはそれを見て声を上げて驚いた。

 アルエラもワクワクしながらステイタスを確認する。

 

 

アルエラ・レイア

 

LV.8

 

《基本アビリティ》

 力:C 648

耐久:I 53

器用:H 151

俊敏:F 312

魔力:D 590

 

《発展アビリティ》

 

《魔法》

【ギブ・アビリティ】

・付与魔法

・スキル保持者であるアビリティ、スキル、魔法を与える事ができる

・与えた力は戻る事はない

・詠唱式【我が身を渡せ】

 

【テレポート】

・速攻魔法

・半径5M(メドル)以内を自由に転移できる

 

 

《スキル》

【異界法則】

・異世界の魔法を使用できる

恩恵(ファルナ)の効果が消えた時、経験値が変換される

 

「かなり変わったな。魔法も、【アイス】………変わらず使えるな」

 

 アルエラは詠唱すると手の平に氷を生み出される。

 

「おぉ!それが君の元いた世界の魔法か、初めて見たよ!」

 

「凄いだろ?魔法覚えるの結構大変だったんだぞ」

 

 アルエラは自慢するように氷を見せつける。嬉しそうに微笑ましく思える。

 

「でも発動アビリティは無いのか。はぁ……」

 

「なんでだろう?発展アビリティはレベルアップの時じゃないと現れないからかな?」

 

「詳しい事はまた今度にするか」

 

「そうだね、もう眠たくなったしね」

 

 ヘスティアは欠伸をして眠そうにしている。時刻はまだ9時過ぎだがヘスティアは早寝なのだ。

 

「寝るかぁ……」

 

「そうだねぇ……」

 

 アルエラもヘスティアの眠気がうつり欠伸が連鎖する。

 二人はベッドに行くと隣合わせに体を横にし、掛け布団を被った。

 

「ヘスティアは抱き心地が良いな」

 

「ちょ、ちょっと恥ずかしいよ……ってどこ触ってるんだい!?」

 

 高い身長を活かしてアルエラはヘスティアの背中を抱き込んだ。いつもの手癖か、アルエラの腕が胸の下を添うような形なる。

 処女神であるヘスティアは経験が無い故か、かなり恥ずかしいがっている。

 

「仕方ないなぁアルエラ君は」

 

 ヘスティアは何だかんだ言いつつ受け入れた。ヘスティアも向きを変えアルエラと抱き合うような形になった。

 

「アルエラ君。おやすみ」

 

「おやすみ」

 

 二人はそのまま眠ってしまった。

 余談として、深い眠りに就いた結果ヘスティアは寝坊しバイトに遅刻した。 




ダンまちの映画見た事無いので多分それ関連は書かないかもと思います

自分、やる気がある間は投稿頻度高いんですけど、無くなったらめっちゃ遅くなると思います。元々書いていた作品を再開させる迷ってるですけど、どうしようかなぁ……

べルの性別をどっちにするか

  • べル・クラネル君(男)
  • べル・クラネルちゃん(女)
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