シエルせんせー!呪霊ってどう祓えばいいですか!?   作:悲しみのガチャ爆死

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月をみてる中で

「起きてください。…はい、あなたの妻です」

 

あなたは揺さぶられて目を覚ます。紫色の髪の毛が視界にかすかに映り、そして心配そうにこちらを見つめる美しい瞳と顔。安心する声を聞きながら、あなたはおはようと返す。

 

「ええ。おはようございます。とは言っても、もう夜ですけど」

 

はて、とあなたはふすまを開けて外を見る。美しい夜空と星、そして名月が涼しい空気と共にあなたの感覚に訴えかけてくる。

 

「…なんですか、私をじろじろ見て。そんなに見ても夕ご飯しかありませんよ」

 

すっと音が立てられた方向に首を動かすと、湯気を立てる秋刀魚の塩焼きに、かぼちゃの煮ものに白いご飯。秋らしく作られた定食にあなたはごくんと喉を鳴らす。

 

「…これはあなたが育てた食材ですよ。私に断りもいれなかったのはちょっぴり悲しかったですけど」

 

少し伏し目がちの呆れている少女に、あなたはぽんぽんと頭を撫でる。フードの奥からくすぐったい声が漏れたのは聞き間違えではないだろう。

 

「ともかく、冷めてしまうので食べましょう。私の分も取ってきますね」

 

ぱたぱたぱたと音を立ててあなたの前から去っていくメドゥーサ。それを見送った後、あなたは一つ伸びをして着替えることにした。

 

 

 

 

「あら、すぐに着替えたんですね。…ああいや、別に着の身着のままで食べないようにするのは立派ですからいいんですけど」

 

あなたは袴に着替えた。メドゥーサはあなたを見て少し動揺したように見えた。が、気にする様子もなく対面の席に座るとそのまま手を合わせた。

 

「「いただきます」」

 

あなたとメドゥーサは揃って手を合わせ、同時に食べ始める。美味しいことをあなたは彼女に伝えると、そっと頬を染める。

 

「…別に、私は普通に料理しただけですから。ただ、ありがとうごさいます…それと、さんまの内臓だけは残しておいてくださいね」

 

恥じらった少女に更に追い打ちをかけようと、あなたはメドゥーサにあーんをする。

 

「えっえっ、…じゃあ、いただきます…」

 

案の定彼女は動揺したが、しっかりと食べる。少し恥じらってしまったからか、普通に食べるよりも少し官能的になってしまった。箸に少し透明な糸が伸び、それが少女が上向きにしたことで少し長い時間続いた。

 

「あの、その…お返し、しますね…」

 

パニックになったのか、彼女はあなたにお返しをする。そっと手を出されながら持ってきた食べ物をあなたはすぐ食べる。

 

「…次からはこんなことはやめてくださいね。恥ずかしくて、顔から火が出そうです」

 

そう言いながらこちらのことをちらりと見てくる彼女に、あなたは微笑みながら了承した。

最も、このことも何回もやられていたことなのだが。

 

 

 

 

 

ごちそうさまでした。

あなたはさんまの内臓だけを残し、そう手を合わせた。

 

「はい、お粗末さまでした。では月見酒をしましょう…」

 

あなたが驚いた顔をすると、くすりと彼女の笑い声が聞こえる。

 

「どうしましたか?そんな、変に驚かないでくださいよ…そもそも今日はそうしようって決めてましたよね?」

 

記憶にないが、彼女が言うのならそうだろう。彼女にお酒を注いでもらい、軒下に二人で腰掛ける。

 

「田舎はこういう時によく見えていいですよね…ちょうど今日は涼しいですし、月見日和です」

 

カンと小気味よい音を立て、あなたと彼女は盃から飲み干す。芳醇でえもいわれぬような匂いとキリッとした飲み心地に、あなたは空を見上げてため息をつく。

 

「この冷酒にさんまの内臓が合うんですよ。やっぱり苦味との相性もあるんですけど、これなら充分美味しいですよ」

 

彼女の話も聞きながら呑む、呑む、呑む。

 

「ふふっ、そんなに飲むと酔っちゃいますよ…私はウワバミですから酔いませんけど」

 

そんな冗談を交わしつつも、あなたと彼女は一つの徳利から注いで飲み干す。

 

「こうやってふたりっきりで空を見上げることはありませんからね…夜ですから、ことさら美しいですからね」

 

田舎の空は彼女が言うように美しく、そして隣りにいる月もまた太陽を惹きつけるように輝いていた。

 

「…なんですか、こっちばっかり見て。言いたいことがあるんですか?」

 

…今宵は月が綺麗ですね。

 

酒の酔った勢いであなたはそう呟く。

 

「…そう、ですか。あの、聞きたいことがあるんですが」

 

沈黙したままであなたは続きを促す。

 

「どうして、私を選んだんですか。その、私は本当に人間が嫌いで…あなたに対しても強く当たりましたし、最低なことも、上姉様に紹介したりもしました。その上で、私だけを選んでくれたのはなんでなんですか?」

 

あなたは何も言わずに彼女を抱きしめる。

 

「え、その…」

 

「…もう、あなたはだから私を選んでくれたんですね。一目惚れなんか、姉様達に奪われていたのだと思っていたのに」

 

「なら、私からも言わせてもらっていいですか?」

 

 

 

 

 

「…今宵は、月が綺麗ですね」

小説パートって?

  • いらん、掲示板で充分
  • 嫌いにならないからやって
  • シエル…ヤンデレ…うっ、頭が…
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