保健室の噂
夜の保健室に行くと、盾を持った人物とナースらしき人物と包帯を巻かれてチェーンソーをもった人がたっているらしい
だいたいの人間は怪我がなければ追い出されるが、必要なものがあれば渡してくれるだろう
ただし彼女たちがいるときには注意が必要だ
1つ.怪我があれば治るまで出してもらえない、逃げるとまるでワープされたかのように先回りされる
2つ.包帯女の『救護』という言葉には『救護』と返さなければならない
3つ.もし悪いことをした人間が入ったならば『救護』されてしまうだろう
Kさんという不良生徒がいました
彼女はとっても悪い子で、舎弟のLさんMさんの三人で悪さをしてました
カツアゲしたり、クラスメイトをパシリにしたり、授業をサボったり
そんな悪いことばかり
そんなのだから周りから煙たがれていました
けれども三人は気にしてません、周りは周りで自分たちは自分たちなのですから
でも、それは免罪符にはなりません
悪いことをすれば、罰が当たるのは、当然のことなのです
当然、彼女たちにも罰が当たってしまいました
「だるー」
彼女たちはその日はいつものように授業をサボってました
こざかしいことにテストでは赤点ギリギリの点数をとり、出席も必要最低限しているので留年の問題はありません
なので気にせずサボっていました
本日のサボり場所は校舎裏のようです
レジャーシートの上でだらだらとしています
「なんかさー、たまにはこんなところじゃなくてもっと休めれるところいきたくね?」
Kさんが舎弟二人にいいました
「そりゃそうっスけど」
「そんなところないっすよ?」
二人が答えます
寝転がるだけならマットとかがある体育倉庫とかがよいですが
以前そこでサボってた時に鍵を閉められて夜中まで閉じ込められたことがあるので、あまりいきたくないのです
ではそれ以外というと…?
「寝転がるなら保健室とか?」
「保険医が常駐してるじゃないっスか」
「うちらだとぜってぇ使わせてもらえないじゃないっすか」
「だよなぁ」
そんな風にしゃべっていると、壁の向こうから声が聞こえてきました
思わず耳を寄せると、どうやら誰かがケガをしたそうです
保険医はそれに付き添いに行くとのことでした
「マジか」「マジっスね」「グッドタイミングっす」
三人でニヤリと笑います
今なら保険医がいない、つまり保健室でサボれるということです
早速三人は保健室に行くことにしました
保健室の場所は近くにあったため、すぐにたどり着くことができました
当然、扉はしまってましたが、手癖の悪いMさんがちょいちょいとやって鍵を開けてしまいました
明らかに犯罪ですが、三人は気にしてません
保健室の中は誰もいませんでした
休んでいる人もいなかったようです
「ラッキー!」
「ベッドでサボれるっスねぇ!」
「ついでに高そうな物も盗んじゃましょうっす!」
Kさんはベッドに飛び込みます
Lさんもベッドにもぐりこみます
Mさんはそこら辺を物色し、何かないか探します
「はぁぁぁ、べんきょーしてる連中をしり目にベッドで寝るのは最高ぉ!」
「そッスねー、あー、このままねちゃうッスかねー」
「そーしよそーしよ、保険医が戻ってきたら『体調不調でやすんでましたー』とかいえばいいんだし」
「いたっ!?」
KさんとLさんが話していると、急にMさんが声を出します
二人がそちらをみると、鋭利なもので手を切ったのか手の流しているMさんがいました
「なにやってんだ」
「大丈夫ッスかー?」
「あー、失敗したっす」
「てきとーにしょーどくしておめーもベッドにころがれー」
「そーするっす」
適当に手当てしてからMさんもベッドにもぐりこみました
鍵は念のため閉めたので保険医以外誰も入ってこないでしょう
内側から開けれるので閉じ込められる心配もありません
だから三人は安心して、ひと眠りすることにしました
「ぎゃぁ!」
「なんだ!?」
Lさんの悲鳴が聞こえて、Kさんは飛び起きます
部屋の中は灯りがついてて明るい状態でした
なのですぐに異変にきがつきます
自分の隣で寝ていたLさんの近くに、包帯で全身を巻いたチェーンソーをもった女性がたっていたのです
【救護といってください!】
包帯女は、たった今起きてであろうLさんに向かってそういいます
生徒のだれかが三人を驚かそうとしたのでしょう
包帯女以外にも大きな盾をもった女性と、ナースキャップを被った生徒がいます
Kさんはッハと、鼻で笑いました、こんな度胸ある生徒がまだいたとは
Mさんはプププと笑いました、驚いたLさんに対して笑っているのです
「何だよお前!今はハロウィンじゃねぇぞ!?」
変な声がでたことに羞恥心を覚えながらLさんはそう、包帯女にいってすごみました
そのまま胸倉をつかもうとしました、それは叶いませんでした
何故なら
【救護といいませんでしたね?】
そういって、包帯女はチェーンソーでLさんを切りつけました
その様子に思わず二人は絶句します
Lさんからは悲鳴はあがりませんでした
不思議なことにちもでません
ただし
「な、なんこれ!」
自分の身体に包帯が巻き付いてきたのです
その包帯はLさんを身体を拘束するものではありません、全身を包み込もうとします
それをみたKさんとMさんは慌てて近寄って包帯を取り除こうとします
が
「たすけ…たす…」
包帯が取れません、そのままLさんはミイラの用に巻き付かれてしまいました
その様子を、盾をもった女性とナースキャップを被った生徒は何も言わずに日常風景のように見ています
【救護と言ってください!】
ぐるりと、包帯女は今度はMさんの方を向いていいます
「あ、おい待てよ!」
MさんはLさんとKさんを置いて思わず逃げ出します
何かを言っては駄目だと、そう思ったのでしょう無言で走ります
包帯女はその場からうごきません
ほかの二人も動く様子はありません、なら保健室からでれば大丈夫
そう思って、扉の鍵をあけて、出ようとして
【貴女は怪我をされてますね】
「へ?」
目の前に、ナースキャップを被った生徒がいました
先ほどまで自分よりも背後にいたはずの生徒が、扉の外に立っていたのです
【怪我をしているのならば救護が必要ですね】
そのまま肩を掴まれ、すごい力で押され、部屋に戻されます
「は、はなせ!」
【安心してください、ちゃんと救護しますので】
そのままベッドに寝かされます
そして、手際よく怪我していた手を治療されます
なんだ、ただの治療か、それなら…
【治るまでここにいてくださいね】
「…は?」
【大丈夫、しっかり面倒見ますから】
Mさんはベッドから起き上がろうとします、しかし起き上がれません
すごい力で拘束されてるようです
【救護と言ってください!】
そうしている間にMさんを諦めたのか、包帯女がKさんの方を見ます
「…救護」
二人の様子をみて、Kさんは抵抗する気力はありません
おとなしく言う通りにしました
すると、包帯女は満足したのか、Mさんのそばにいきました
「…助かったのか?」
思わずそういいます
包帯女は救護といえば、大丈夫のようでした
ナースキャップを被った生徒は、怪我をしてなければ大丈夫なようでした
ならばKさんは大丈夫なはず
そう思って、安堵していると
【貴女は、なぜここにいたのですか?】
盾をもった女性が声をかけてきます
「はぁ?そんなものお前に何の関係が」
【ここを預かる身としては確認しなければいけません、救護が必要ですか?】
「アタシに救護なんてひつようねーよ!それより二人を今すぐに…!!」
【なるほど、では授業をサボってここにいたので】
女性はそういうと、盾を構えます
「何を言って…」
【どうやらあなたには救護が必要なようですね】
そのまま盾を振りかぶり、Kさんに向けて…
ドン
・・・
・・
・
「そういえば最近、あの三人をみないのよね」
【あの三人というと?】
「カツアゲとかしてた三人、風紀委員が取り締まる前ににげていくから捕まらなかったの」
【それは運のいい人間がいたんだな】
「ずるがしこいだけよ!どうにかしないといけないって常々思ってたんだから」
【そうか…そういえばコハルしってるか?】
「なに?」
【救護騎士団に新しいメンバーが増えたらしい】
「新しいメンバーって…あの包帯ぐるぐるの?」
【そう、包帯ぐるぐるの】
「あの恰好、どうにかならないのかしら…?」
【エッチなのは駄目、だろうか?】
「当り前よ!!特にハナエはあんなのエッチよ!駄目すぎるわ!」
【ふふ、そうだな】
8.【救護さん】救済
はみ出し者三人は居場所が見つかりました
仲間ができました、治療してもらいました、救護してもらいました
だからこれはきっと救済なのでしょう