コハルちゃんに沢山オトモダチがいるお話   作:コハルママの人

22 / 32
7.【シラスアズサ】奪

Iさんという方がいます

Gさん呼び方が可哀そうでHさんだと下江さんがダメ!っていうのでIさんです

彼女はオカルトの類が大好きです

だから日々、そういうのと遭遇する機会を探っています

まぁ、遭遇できるのは変質者がほとんどなのですが

さて、話は変わりますがこの学校には不思議なルールがあります

ハロウィンの夜には学校には行ってはいけないというものです

なんでも、ハロウィンの夜、やんちゃした学生が学校に侵入して大暴れしたのが原因だとか

しかし本当は別の理由があると聞きます

なんでも、ハロウィンの夜は本物のオバケがでるのだとか

それが本当ならばIさんとしては是が非でもいかないといけません

なのでIさんはハロウィンの夜に学校に忍び込むことにしました

 

作戦決行の日

学生寮でのハロウィンパーティーを抜け出してIさんは校舎へきました

夜の学校はどことなくひんやりしており、不気味な空気が流れてるようです

思わずゴクリ、と喉がなりました

Iさんは意を決して校舎の中に入ります

玄関の扉は幸いにして鍵はかかっていませんでした

Iさんはゆっくりと中に入って、噂のある場所へ向かいました

校舎の中に入った後、ガチャリと音をたてて校舎の鍵がかかったのをIさんは緊張のあまり聞き逃していました

さて、向かうのは3階のトイレ

性悪で有名なAさんがトイレに叫んでいたのは記憶にまだ残っています

おそらくトイレにいるという【ハナコさん】にやられたのでしょう

Iさんは一度いってみましたが誰もいませんでした

でも今日の夜はハロウィン、きっといるでしょう

…ところで先ほどからどこからか視線を感じるのは気のせいでしょうか

後ろを見ますが誰もいません

やはりきのせいでだったようです

でもまだ視線は感じます

Iさんは逃げるようにトイレに向かいました

途中、【存在しない委員会】が見つかればいいな、と思ってましたが残念ながら見つかりませんでした

そういえばふくよかなCさんが最近やせてるそうですが、噂ではその委員会がかかわってるとか

なんの委員会何でしょうか?体重撲滅委員会?とか

まさかね?

そんなことを考えていると3階のトイレにつきました

深呼吸して、意を決して三回ノックします

 

「あそびましょう」

 

・・・返事がありません

どうやら誰もいないようです

残念なのかほっとしたのか

Iさんは少し悲し気にトイレから離れました

これも緊張してたIさんはきづいてないのですが

トイレの個室の扉は普通、全部空いている状態です

それが今は全部しまっています

 

【うふふ、惜しかったですね♪】

 

Iさんがノックした隣のトイレの個室からピンク髪の水着の女性がでてきて、くすくす笑いながらトイレからでていきました

 

各教室をのぞきながらIさんは考えます

そういえばこの学校、変質者に関するうわさが多いなと

噂話をきいてる最中、Dさんという方から紙袋を被っている変質者の話を聞きました

お節介焼きだからあっても特に教員に言わずにどこかにいけばいいとか

あと、急に背中にわっぴーと刺繍されたBさん

明らかに彼女の趣味ではないのできっと変質者にされたのでしょう

あと、風紀委員にも変質者というか、同性に手を出す二年生がいるとEさんが言っていました

…どこからか【誤解っすよー】って聞こえたような気がするがたぶん風の音でしょう

あとえぐい角度のハイレグをきた人もみかけるとかなんとか

この学校、実はやばいのでは?

 

「それにしても何もないわねぇ」

 

せっかくパーティーをぶっちしてまで来たのだから、何かいてほしい

そう思いながら歩いていると後ろからひたひたと足音が聞こえました

やば、見回り!?

最悪忘れ物をしたといえばにげれるだろう、そう思いながら後ろを振り返ります

そこには、マスクをつけた学生が歩いていました

自分よりも年上だろうか、ゆらりゆらりと歩いていています

Iさんと同じでハロウィンの幽霊を探しにきたのでしょうか、それとも忘れ物でしょうか

Iさんは声をかけようとして

 

【なぁ】

 

女性に声をかけられました

 

【私ってかわいいか?】

 

そしてなんかかわいらしいことを聞かれました

 

「どちらかというと綺麗系かと…」

 

【そうか…】

 

女性がなぜかしょんぼりとしてきた道をもどっていきました

なんだったのでしょうかあれは?

 

「…なんだかやる気なくしちゃった、もう帰ろうかな」

 

今ならまだパーティーに参加できるかもしれません

名残惜しげに玄関までいって、外にでようとして

 

「あれ…」

 

鍵がかかっています

ガチャガチャと音を立てますがまったく開く様子がありません

内鍵を回してもなぜか開きません

 

「やだ、なにこれ…」

 

まさか、閉じ込められた?

 

「どうしよう…」

 

窓ならあくでしょうか、そう思い扉から離れようとして

 

【トリックオアトリート】

 

声をかけられました

誰かいる…?でもこの場には誰も

 

【ばぁ】

 

「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

扉のスキマから女生徒が生えてきて、思わずIさんは叫びながらその場から走って去りました

後ろから【悪戯成功】という女生徒の言葉はIさんには届きませんでした

 

 

走って、走って、気が付くと二階の廊下の端まできてました

 

「な、なんなのよあれは…!!」

 

隙間からでてくる女生徒とかIさんは聞いたことありません

 

「と、とにかくオカルト現象には無事に遭遇できたし、目的は達せたのだからさっさと帰りましょう!…どうやって?」

 

玄関はあきませんでした、1階には先ほどの女生徒がいます

 

「2階なら飛び降りれるかしら…」

 

窓は問題なく開きましたので、飛び降りようと思えば降りれるでしょう

Iさんは少し考え、飛び降りようとして

 

【危ないですよ】

 

「ぴゃぁ!」

 

またしても変な声がでました、今日はよく後ろから声をかけられる日です

後ろを振り向くと背の高い女性がいました

 

【あぁ、すみません、なにやら飛び降りようとしてたように見えて…今の生徒では流石に危ないので止めようかと】

 

「あ、ごめんなさい…じゃなくて!」

 

どうやら普通の生徒のようです

あわてて女性に近寄ります

 

「なぜか1階から出れないんですけど!何か知りませんか!?」

 

【出れない…?あぁ、ハロウィンだからですね】

 

「え…?」

 

【トリックオアトリートって聞かれませんでしたか?】

 

そういえば、はじめに言われたような気がしなくもありません

 

【おそらくマシロですね。悪戯されたのでしょう】

 

「で、でも人が扉のスキマからでてきて!!」

 

【それも込みの悪戯です。今日はハロウィンだからはしゃいでいるのでしょう】

 

…聞く前に悪戯されるのはルール違反では?とは思わなくもありませんがそういうものなのでしょうか

 

【さて、ところで貴女はお菓子をもっていますか?】

 

「あ、はい」

 

【それはよかった、ダイエットを続けててお腹が空いてたんです】

 

え…?と女性を見上げます

女性の元々高かった背が伸びいていきます

 

【ぽぽっぽ ぽぽ ぽぽーぽ】

 

見上げるほどたかくなった女性はIさんを恐ろしい声で問いかけます

 

「ぴゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

Iさんは寮を出るときにロールケーキ恐怖症を発症したFさんからもらったかぼちゃのロールケーキを女性になげつけてその場から走って逃げます

後ろから【ぽぽー!】という歓喜の声はきこえませんでした

 

「逃げ場を失った…!!」

 

Iさんが気が付けば3階にいました

2階には先ほどの生徒、1階には隙間からでてきた生徒

流石に三階から飛び降りる勇気はなく、さてどうしようかと頭を悩ませます

 

「…あれ?」

 

どこからか声が聞こえてきます

どうやらトイレ近くの教室から聞こえてくるようです

まさかまた何かいるんじゃあ…そう思いつつ好奇心に勝てず覗き込みます

そこには

 

「もう、なんでみんな変な恰好なのよ!」頭に羽をつけた生徒と

 

【あはは…今日はハロウィンですから】紙袋をかぶった生徒と

 

【つまりどんな格好をしても許される日ですね♡】水着姿の女性と

 

【あまり薄着だと風邪をひくぞ、ハナコ】ガスマスクをつけた生徒が机を並べて椅子に座っています

 

机の上にはお菓子と飲み物、どうやらハロウィンパーティーをしているようです

ガスマスクや紙袋、羽をわかるとして水着は果たしてハロウィンのコスプレになるでしょうか?

 

【しかし、久しぶりに集まれましたね】

 

【コハルちゃんやヒフミちゃんはともかく私は基本離れられませんしアズサちゃんはなかなかでてこれませんもんね】

 

【あぁ、だから今日という日を楽しみにしてた】

 

「もっと集まれたらいいのに…」

 

ぶーたれる羽をつけた生徒を水着の女性が頭を撫でます

 

【私ももっとコハルちゃんと一緒にいたいんですけどね】

 

【そうですね…、私ももっと人前に出やすいのなら一緒にいられるんですけどね】

 

【私は噂が立たないとまず出てくることもできないからな、なかなか難しい】

 

…なんだかしんみりしているようです

Iさんは正直、ここからの脱出方法を聞きたいのですが割って入れるような状況ではありません

 

【でも、こうなった後悔はないんだ】

 

【そうですね、私もコハルちゃんと再び会えたのだから後悔はありません】

 

【アズサちゃん、ハナコちゃん…、そうですね、私も後悔はありません!さ、暗い空気はここまでにして、せめて今日は楽しくいきましょう!】

 

【そうだな】

 

【ふふ、そうですね。それはハナコ脱ぎます♡】

 

「エッチなのは駄目!」

 

そのまま4人はワイワイとはしゃぎだしました

Iさんはそれをみてポツンと一人座っています

…なんで私はここにいるのだろうか

パーティーに参加していれば楽しい時間をすごせたのに

自分が望んだとはいえ、一人学校でおびえています

 

「あーあ…」

 

いっそ、あの中に混ぜてもらおうかな

そんな風に思っていると

 

【トリックオアトリート】

 

声をかけられました

気が付くと、ガスマスクをつけた生徒がIさんのそばに立ってました

 

「お菓子はないわよ、さっきあげたから」

 

隙間からでてきたり巨大化したりしたのをみたのもあって、ガスマスクごときではもう驚きません

むしろ今はもうなぞの虚無感でいっぱいです

 

【そうか、なら悪戯させてもらう】

 

「そ、なにするの?」

 

【そうだな、では私らしく、奪うとしよう】

 

少女がガスマスクを外し、顔が露出されて

それをみたIさんは意識が飛んでしまいました

 

 

「あれ…?」

 

気が付くと、Iさんはパーティー会場に立ってました

今までなにをしてたのでしょうか、なぜここにいるのでしょうか

記憶がありません

 

「あれ?Iさん、学校にいくっていってませんでしたの?」

 

近くにいたFさんから声をかけられます

 

「そうだっけ?」

 

「そうですわ、非常食にロールケーキを渡しましたわよね?…学校から帰って来たんですの?」

 

「…いや、学校には行ってないと思うけど…」

 

Iさんは学校になんか行く気はありません

それどころかパーティーを楽しみたいという気持ちでいっぱいです

 

「ま、夜の校舎は危ないですし、その方がいいと思いますわ…さ、Iさんもおかし食べましょう?」

 

Fさんに促されて、お菓子を取りにいこうとしてふと、いたずら心がわきました

IさんはFさんに近づき、耳元でささやきます

 

「トリックオアトリート」

 

「ひゃいん!」

 

Fさんの変な声にIさんは思わず笑います

Fさんは怒ったように顔をしますが、それさえも楽しいのです

きっとこれが青春というのでしょう

 

「さ、おかしちょーだい♪」

 

「もうあげましたわー!」

 

Fさんの言葉に、再び大きく笑うIさんでした

 

・・・

・・

 

【あれ?私たちの出番は?】

 

【今回は補習授業部の皆さんに譲りましょう】

 

【そんな!コハルちゃんとのハロウィンパーティーは!?】

 

【私だってヒフミさんとハロウィンパーティーしたかったですよ!】

 

【はぁ、次の機会をまつんだな、二人とも】

 

【【うわーん!】】

 

 




7.【シラスアズサ】 ハロウィンの夜に校舎に忍び込んだら記憶を【奪】われた話
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。