下江さんは意外と言っては失礼だが風紀委員会に所属している
あまり外で活動しているのを見たことが、たまに見回りのようなことをしているのを見かける
普段は内向的な下江さんも委員会中は強気になるのか先輩相手だろうとちゃんと怒ったりする
精力的に活動してるのは良いことだ
帰宅部の私は、そんなことを思いながら図書館へ本を借りるために歩いていると目の前を下江さんが通り過ぎた
なにやら急いでいるようで、小走りでどこかへ向かっている
最近、やたらときになるんだよなぁって思いながら私は好奇心を抑えきれず、そのあとを追った
「校則違反駄目!体罰!」
「いただだだだだだだ!」
追いかけた先に見かけたのは学校の裏山で生徒が下江さんに関節技で押さえられてる姿だった
その近くでは枯れ葉が集まっており、もくもくと煙がでている
…どうやら焚火をしてたようだ
どこからか通報があったのを下江さんが聞きつけて止めに来たのだろう
「反省した?」
生徒の反応に下江さんが力を弱める
その一瞬のすきをついて、その生徒は下江さんから抜け出した
「誰が反省するかばーか!」
中指をその生徒は走って去っていく
下江さんはそれを追いかけようとしたが、火を消すのが先だと思ったのかその場にとどまった
小型の消火スプレーを手に持って消そうとするが、中身がなかったのかすぐに消火剤はでなくなる
それをみて、慌てて下江さんが枯れ葉を蹴って消そうとして
【コハル、危ないですよ】
奥の方から、風紀委員の服を着た生徒が現れた
いやデッカ、身長も大きいけどそれ以外もデッカ!?
何を食べたらそんなスタイルになるの!?教えて!!
「ハスミ先輩!」
下江さんが大きな風紀委員の人に声をかける
風紀委員の人、ハスミ先輩は手に水バケツを持っていて、それを焚火をかぶせた
当然のように、火は消えて、煙は出なくなる
「すみません、ハスミ先輩…お手数をおかけして」
【こういうのはチームプレーですよコハル、もっと他人を頼ってください】
「はい…」
ハスミ先輩に言われて、少ししょんぼりする下江さん
それをみてハスミ先輩は少し慌てると下江さんの頭を撫でる
【コハルがまっすぐに来たのは間違いではありません、むしろ大火事になる前によく止めてくれました】
「えへへへ…」
下江さんはハスミ先輩に頭をなでられて先ほどのしょんぼり顔から打って変わって嬉しそうにほほを緩ませる
【しかしあの生徒はなぜ焚火を…おや?】
ハスミ先輩が木の棒で焚火後の枯れ葉の山を探ると、枯れ葉の山からゴロンとアルミホイルに包まれた塊が出てくる
…どうやらあの生徒は焼き芋をしてたようだ
【・・・】
「ハスミ先輩…?」
【コハル、これは重要な証拠品ですね】
「えっと、そうです、焼き芋をしたっていう証拠品になります」
【では持ち帰らないといけませんね、ただナマモノですからずっと保管はできません】
「それは…まぁ」
【そして食べ物を粗末にするのはよくないことです】
食べる気だ!この人あの焼き芋を食べる気だ!
下江さんはハスミ先輩の反応に困惑してたようだが、ハスミ先輩は焼き芋の入ったアルミホイルをタオルで包むと、下江さんの手を引いて校舎へ向かった
…焼き芋食べたら、私もあんなスタイルになるかなぁ…?