コハルちゃんに沢山オトモダチがいるお話   作:コハルママの人

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4.【ファウストライダー】

すっかり下江さん観察が日課になりつつあるあの日の事

お昼休みのチャイムが鳴り、こっそりと下江さんを見る

今日はお弁当箱をもってどこかにいくようだ

友達に声をかけてから私はそのあとを追っていく

今日はどこにいくのかな

 

下江さんが体育館の方に向かって行く

正確にはその裏手の方に

体育館の裏は人気が一切ない

いるのは、下江さんと、もう一人

紙袋を被った生徒

思わず、変態だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!、と叫びたくなる

が、口を押えて我慢する

ハナコさんの水着姿は十分変態だったが、あの人はそれ以上である

服装が普通の制服という時点で既にアウトだ

というかよく見たらあの制服、うちの制服じゃないし

他校の生徒が入ってきたの?

困惑しながら二人の様子を観察する

 

「ヒフミ、あんたいつまで紙袋被ってるのよ」

 

【あはは…見られたら困るので】

 

「誰も気しないと思うんだけど…」

 

【どうでしょうかね…それよりもコハルちゃん、ハナコちゃんとアズサちゃんはお元気ですか?】

 

紙袋の人はどうやらヒフミというらしい

ハナコさんと知り合いで、アズサという人とも知り合いらしい

 

「ハナコは相変わらず馬鹿やってるわよ、この前もトイレに水着にいたもの!」

 

【変わりませんねぇ、ハナコちゃんも】

 

「あんなのただの変態よ!変態!」

 

【あの姿はある意味ハナコちゃんのアイデンティティみたいなところはありますので…】

 

「そんなアイデンティティ捨てたほうがいいわ!」

 

それはそう

 

「アズサの方は…最近会えてない」

 

【そうでしたか…忙しいでしょうか】

 

「ヒフミは二人とは会えないの?」

 

【私も中々…】

 

「どうせまたあのぬいぐるみ集めてるんでしょ」

 

【ぺロロ様は人生なので】

 

「あのぬいぐるみのどこがいいんだか…」

 

持ってきたあんぱんと牛乳を食しながら観察しているが、二人は穏やかに話している

紙袋でヒフミさんの顔は見ないが声で笑っているのがわかる

話を聞いてるだけだが、ヒフミさんが穏やかな性格なのが分かる

…ならなぜ紙袋をしているのだろうか

顔を隠すにしたってもっとやりようがあるだろうに…

 

「ご馳走様、そろそろいくわ」

 

【そうですか、お勉強頑張ってくださいね、コハルちゃん】

 

「なんで他人事なのよ…」

 

下江さんが立ち上がり、こちらを振り向こうとする

私はあわてて顔をひっこめ、身を隠す

下江さんが近くを通るが、こちらには気づかなかったようだ

下江さんの後姿を見送りながらそっとヒフミさんの方を覗き込む

…いない、ハナコさんもそうだったけど移動速度はやくない?

あわよくば顔がみれるかな、とか思ったけど無理だったようだ

少しため息をつきながらこの場を立ち去ろうとして

キュラキュラキュラキュラと何かが動く音が遠くから聞こえたような気がした

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