今日の下江さんは風紀委員の仕事の日らしい
授業が終わるなり小走りで風紀委員の部屋に向かって行った
流石に委員会活動までは追いかけれないので、今日は諦めるしかないようだ
図書館にいって本でも借りよう
そういえば図書館の本を乱雑に扱い、万が一破いたりすると大変なことが起きるという噂がある
具体的には、その本が図書館に返されると、次の日にはその本が治っているが、破いた人間はすごい力でつぶされるとかなんとか
本を返さなければよいと思うだろうが、一定期間本を返さなければ返さないで本を返すまでナニカに追いかけられるとか
怖い話だ…まぁ私には関係ない話なのだけども
そんなことを思いながら図書館へ歩いていると足跡が聞こえてきた
なんとなくそちらをみると、下江さんが本を持って何人かと歩いている
全員なにかしら持っているということは返却物なのかそれともゴミなのか
そさくさと身を隠し、いつものように下江さんを観察する
…それにしてもすごいな
一緒に歩いている目の細いひとはともかくとしてそれ以外の6人
全く同じ顔…といっても全員メカクレなのだけども
同じ服装、同じ身長、同じ体つき
もしや六つ子というやつだろうか
しかし六つ子がいるならいくら何でも有名なはずだ
メカクレだから同じに見えるだけで実は違う顔なのかもしれない
その6人は目の細い人と下江さんを取り囲むように歩いている
「イチカ先輩、別に私一人でも大丈夫だったのに」
【いやいや、コハルだけ行かせたら私がハスミ先輩やツルギ先輩に怒られるっすよ】
【そうだよコハルちゃん、量は多いけどみんなでやればすぐだよ】
「それはそうだけど…」
【ひとまず預かりものの本を図書館に返すっすよ】
「なんで風紀委員に図書館の本があるんですかね?」
【なんか価値のある古書だったらしくて、売ろうとしたらしいっすよ】
【それを私たちで発見して回収したんだよ】
【そのあとごたごたがあって返すの遅れたけど】
「そうなんだ…ひどい人もいたものね」
まさか本を売ろうとする生徒がいたとは
今回は防がれたようだが、この場合、図書館の幽霊はどう反応するんだろうか
やっぱり盗人をつぶしてるのだろうか
【いい加減返さないとシミコに怒られるんでこの機会に返すっすよ】
「そういえば図書館にはヒナタ先輩もいましたね」
【そっすね、もしかしたらソファで寝てるかもしれないっすけど起きてたらついでに挨拶もしておくっすよ】
ヒナタ…?誰だろうか
少なくとも私はその人を知らない…司書さんだろうか
【ん?】
あ、やば、イチカ先輩と目があいかけた
慌てて身を隠す
「どうかしましたか?」
【いやぁ、気のせい見たいっす】
イチカ先輩はきょろきょろと周りをみたあと、首をかしげて前を向いた
よかった、バレてないようだ
流石に下江さんをのぞき見してるのがばれたら怒られるよね
このままついていくとばれてしまいそうだ
私は今日の尾行を諦めることにして遠回りになるが別のルートで図書館へ向かった
離れる際に、下江さんの方を一度だけみる
下江さんとイチカ先輩はまっすぐ前を向いていたが6つ子の生徒全員と目があったような気がして私は寒気を感じながらその場を離れた
なお図書館でさりげなく探してみたがソファで寝ている人はいなかった