コハルちゃんに沢山オトモダチがいるお話   作:コハルママの人

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2.【マリーさん】刺

Bさんという生徒がいます

彼女はその日、部活動の練習に遅れそうになり、焦ってました

廊下を早歩きで歩きます

時間を確認するために何度も何度も携帯を見ます

だからでしょうか

曲がり角からやってくる下江コハルさんに気が付かなかったのでしょう

まるで少女漫画のように、二人はぶつかります

その勢いでお互いに尻もちをついて座り込みます

幸いにして、怪我はなく、痛みに耐えながら二人は立ち上がります

下江さんは「ごめんなさい」と謝りましたが、Bさんは「邪魔よ!」といって早足に立ち去っていきます

それを下江さんは困ったような顔で見送りました

 

無事、部活に間に合ったBさんはふと、自分の鞄になにかが引っかかっているのに気が付きます

シスター服を着た、猫の小さなぬいぐるみのキーホルダー

おそらく下江さんとぶつかったときに、引っかかってしまったのでしょう

Bさんはキーホルダーを手に取ると

「なにこれ」

といって、ゴミ箱に放り投げました

 

その日の夜、Bさんは部屋でくつろいでました

キーホルダーのことなんて、頭にありません

ベッドでゴロゴロと転がって、漫画を読んでいます

 

~~~♪

 

彼女の携帯が鳴りました

友人からの電話でしょうか?

画面を見ても名前の表示がありません

首をかしげながら、電話に出ます

 

【もしもし、私マリーさんと申します、今教室にいます】

 

同い年ぐらいの女性の声が携帯から聞こえました

なに?と聞き返そうとして、しかし女性はそれだけいうと電話を切ります

ただの悪戯電話か、そう思って携帯を横におき、再び漫画を読み始めました

 

~~~~♪

 

すこしして、また電話が鳴ります

画面を見ると、また電話番号がでていません

また悪戯電話か、そうおもって今度は無視しようとしましたが手が滑り、通話ボタンを押してしまいます

 

【もしもし、私マリーさんと申します、今玄関に向かって歩いています】

 

また、それだけいって電話は切れます

いったいなんなのか、困惑するばかりです

少し経つと、また電話がかかってきます

今度は携帯に触らず、鳴りやむのを待ちます

しかし

 

ガチャ

【もしもし、私マリーさんと申します、今玄関を出ました】

 

携帯に触ってないのにも関わらず、勝手に通話状態になります

もしや携帯が壊れたかと思ったBさんは、携帯の電源を切ることにしました

これでもうかかってくることはないでしょう

そのはずなのに

 

~~~~♪

 

電源は確かに切った、鳴らないはずの携帯がなります

思わず硬直するBさん

 

ガチャ

【もしもし、私マリーさんと申します、今寮につきました】

 

ナニカの声が携帯から聞こえます

とたん、悪寒が身体を走ります

Bさんは寮住まいです

ナニカのいう通りならば携帯から聞こえてくるナニカが同じ建物内にいるということです

間違い電話や悪戯電話ではなく、自分にかけてきてるのでは

ナニカが近づいてきてるのではないか

 

~~~~~♪

 

また、携帯が鳴りました

ガチャ

【もしもし、私マリーさんと申します、今2階につきました】

 

「ひぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

悲鳴がでます、隣人に聞こえそうな大きな声が

しかしなぜか隣人は文句をいってきません

それをBさんは気づきません、それどころではないのです

布団に包まり、頭を抱えます

自分が何をしたというのだ、どうしてこんな目に合わないといけないのか

答えを見つからない自問自答していると

 

~~~~♪

 

「ひぃ!」

 

携帯が鳴ります

Bさんは、携帯を手に取り

 

ガチャ

【もしもし、私マリーさんと申します、今】

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

窓から携帯を投げ捨てました

後で怒られるかもしれません、でもいまはそれでもいいのです

あの携帯から逃げられるのならば

Bさんは携帯がなくなり、荒い息をしながら、胸をなでおろします

これでもう、大丈夫、少なくとも携帯が鳴らないはず

もう、怖いものなんて

 

~~~~♪

 

ないはずの携帯がなりました

Bさんの息が止まります

 

【もしもし、私マリーさんと申します】

 

それは、その音と声は

 

【今あなたの】

 

Bさんの後ろから聞こえて

 

【後ろにいます】

 

反射的にBさんは振り返ります

そこには、見たことのないケモ耳をつけたシスター服の生徒がいました

しかしBさんがそれを認識する前に、背中に痛みが走るのを感じます

 

「え…」

 

視線を逸らすと、背中には大振りのナイフが刺さっていました

思わず倒れるBさんに、シスター服の少女が馬乗りになります

 

【私はマリーさん、あの子とともにいるお人形】

 

少女はナイフを抜き、Bさんの背中から血があふれ

 

【私はマリーさん、アナタに捨てられた人形】

 

Bさんにもう一度ナイフが刺されます

 

【私はマリーさん、マリーという少女の髪から作られたシスターフッドではないお人形】

 

何度も、何度も、何度も、何度も

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

 

【私はマリーさん、私はこの罰とともに貴女を許しましょう】

 

Bさんはもう何も言いません

 

【私はマリーさん、安心してください、今はまだ死にませんから】

 

・・・

・・

 

【サクラコさんが苦悶の表情を浮かべてる気がします】

 

「何の話よ」

 

【何もありませんよコハルちゃん♡ところでキーホルダーは見つかりましたか?】

 

「それが、朝起きたら自室の机の上に置いてあったのよ」

 

【そうですか、無くしてなくてよかったですね】

 

「あれだけ探したつもりだったのに…」

 

【うふふ、灯台下暗しといいますから】

 

「そういうものかしら…?」

 

【まぁ、マリーさんは自分でもどってきただけですが】

 

「何か言った?」

 

【今日も体が火照って脱ぎたいなぁって】

 

「エッチな恰好は駄目!」




2.【マリーさん】刺殺 完

Bさんは学校を抜け出してどこかへ消えたそうです
Bさんのお友達は悲しみ、いつか戻ってくると信じてBさんのベッドの上に置いてあった人形を持っているそうです
そういえな不思議なことにそのお人形はBさんそっくりですよ
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