======== この物語はあくまでもフィクションです =========
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
午後3時。喫茶店アテロゴ。
雨は止みそうにない。
休日ならともかく、平日は、バタっと客足が遠のく。
ミラクル9が到着すると、既に貸切になっていた。
健太郎達が帰ろうとすると、聞き慣れた声がした。
徹の声だ。
「だから、授業は優先順位が低いんですか?それでも教師ですか?今の時間帯からならまだ話は分かる。でも、生徒の授業を放ってまでやることですか?今日は平日ですよ。土曜日曜祝日放課後、幾らでも時間は捻出出来るでしょう?」
「生徒のくせに、何を生意気なこと言っているの。時間のやりくりは私達の自由よ。」
ミラクル9は、貸切の札を無視して全員入って行った。
「何よ、貴方たち。出て行きなさい!!」
「ここは、私の家ですけど、お、ば、さ、ん。」千香乃らしくない口撃だ。
おさむと健太郎は、対決を尻目に辰巳から状況を聞き出した。
「な、何ですって?どんな教育を受けているの、親の顔が見たいわ。」
悦司と継男と良は、奥から栞が出てくるのを確認し、戦慄が走った。
栞は、ウォーターボトルを持って、集まっている3人の女性教師に頭から水をかけた。
「私がおんな親です。」
続いて、物部が、こう言った。
「私がおとこ親です。確認出来ましたか?」
「何するのよ、寄ってたかって。客商売なのに。」
「間違いなく徹が正論だね。教師は授業が本分。生徒もね。思想活動って『趣味』の部類だよね。趣味は、仕事以外の時間でいいんじゃない?」
未玖達の後ろから、藤堂が言った。
「筒井君が正しいわ。甲賀先生。それと、今のはカスタマー・ハラスメント、カスハラね。」
「訴えてやる!警察を呼ぶわよ。」
「警察なら、ここにいるけどね。」と、愛宕警部が言いながらは行って来た。
悦司の後ろから、みどりが連絡したのだ。
「じゃ、今のは・・・。」
「正当防衛ですね。警視正。」と、愛宕警部が、みどりが差し出したスマホに語りかけると、スマホの中の久保田警視正が言った。
「な、何を証拠に・・・。」
徹は、スマホを出した。録画中だ。
店には防犯カメラもある。
「お代は要らない・・・とは言わない。アンタが言うとおり、客商売だ。1600円になります。」
皆は、店の奥の方に移動した。
甲賀と呼ばれた教師が料金を投げつけるように置いて、女性教師達が立ち去ろうとすると、藤堂は黙って甲賀の足を踏んだ。
30分後。愛宕警部から電話があった。
「藤堂先生にお話がある、って言っておられますが・・・。」
マスターはスマホのスピーカーをオンにした。
「お帰りになりましたけどねえ。」と、物部は惚けて言った。
『貸切』の主は、ミラクル9になった。
賑やかになった。
―完―
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。婚約した継男には、厳しい。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。良のカノジョになった。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。みどりのカレシになった。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。母親が病院の事務員をしている。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
物部栞・・・喫茶店アテロゴのマダム。満百合の母。
辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
辰巳泰子・・・アテロゴのウェイトレス。
原田美和子・・・原田正三の娘。
藤堂所縁・・・小学校教師。ミラクル9顧問?
筒井徹・・・筒井隆昭と新里あやめの息子。小学6年生。
愛宕寛治・・・丸髷署警部。悦司の父。
井関敬吾・・・井関五郎とあかりの息子。
※元ネタは、現在進行形の国会ですが、未来でもあり得ることなので、筒井君に代弁して貰いました。