ルシウス視点です。
ルシウス・マルフォイは近頃、自邸の庭を眺めるたびに、自分の人生がどこで道を誤ったのか考えることがある。
たとえば今もそうだった。
夏の午後、テラスには白い卓布が掛けられ、ナルシッサが選んだ薄手のティーカップから、ダージリンの香りが静かに立ち上っている。よく手入れされた庭では孔雀が芝生の上を歩き、噴水から落ちる水だけが涼しげな音を立てていた。
そこまでは、いつものマルフォイ邸である。
「魂を切り離すところまではできると思うの。でも、そのあと新しい肉体に定着させる方法が分からなくて」
「肉体を器として作るだけでは足りないだろうね。魂には、そこが自分の居場所だと思わせる必要がある」
「やっぱりそうだよね!」
ローゼマインは身を乗り出した。
その向かいで、ゲラート・グリンデルバルドが穏やかに紅茶を飲んでいる。
ルシウスは窓の内側から二人を眺めていた。
何度見てもおかしい。
ローゼマイン。
そんな普通に話していい相手ではない。
向かいにいるのは近所の老紳士でも、引退した魔法史の教授でもない。
ゲラート・グリンデルバルドである。
ヨーロッパを戦火へ巻き込み、アルバス・ダンブルドアと歴史に残る決闘を行い、自ら築いたヌルメンガードへ半世紀近く収監されていた男だ。
しかも脱獄犯である。
普通なら、家に招き入れない。同じテーブルについた時点で警戒する。
ローゼマインは笑っていた。
「じゃあ賢者の石を使えばいけるかな?」
「試してみる価値はある」
人体を作ろうとしている会話とは思えないほど和やかだった。
ルシウスはこめかみを押さえた。
もっとも、娘の交友関係については、ずいぶん前に常識を基準に考えることを諦めている。
何しろ恐らく最初の友人が、闇の帝王の魂を封じた日記だった。
ペットを飼ったかと思えばバジリスクやアズカバンの脱獄囚が化けた黒犬を飼う。
その実績を思えば、グリンデルバルドと午後の茶を飲む程度は、本人にとっては健全な交流なのかもしれない。
そう思うことにした。
その日の夕方、ローゼマインが書斎を訪ねてきた。
「お父さま、お願いがあるんだけど」
書類へ走らせていた羽ペンが止まる。
ルシウスは、娘がこの言葉を口にしたときには、すぐ返事をしてはいけないという教訓を得ていた。
「内容を聞こう」
「庭で大鍋を使ってもいい?」
予想していたより穏当だった。
庭なら広い。芝を傷めないよう注意させればいい。
「構わん」
「ありがとう!」
「何を煮るつもりだ」
「人間」
ルシウスはゆっくりと顔を上げた。
ローゼマインは、ごく普通の質問に答えたような顔をしている。
「……何を?」
「だから、人間。トムを人間にするの」
窓の外から、孔雀の鳴き声が聞こえた。
「グリンデルバルドさんが方法を一緒に考えてくれたんだよ。賢者の石もあるし、たぶんできると思う」
やはりあの男は追い出すべきではないか。
ルシウスが口を開くより早く、ローゼマインは「じゃあ準備してくるね」と踵を返した。
「待て、ローゼマイン。私は人体を作ることまで許可したわけでは──」
扉は閉じた。
書斎に一人残され、ルシウスはしばらく扉を見つめた。
ローゼマインは闇の魔術へ傾倒しすぎていないか。
誰に似たのか……ああ、考えるまでもないか。
ルシウスは学生時代に闇の魔術の本を読み漁ったことを思い出した。今思えばよくナルシッサは結婚してくれたものだ。
人体錬成は、腹立たしいほど簡単に成功した。
ルシウスは屋敷のテラスから、十分な距離を取って眺めていた。
庭の中央には大鍋が置かれ、その周囲をローゼマインとグリンデルバルドが取り囲んでいる。
賢者の石が使われた。
いくつもの薬品が鍋へ落とされ、最後にローゼマインが呪文を唱える。
一瞬、鍋の表面を白い光が走った。
ルシウスは身構えた。
爆発くらいはすると思ったのだ。
ところが、何も起こらなかった。
いや、正確には起こっていた。
白い湯気が風に押されて流れていく。
その向こうに、人影が立っていた。
濡れた黒髪が額へ張りついている。
まだ少年の細さを残しながらも、その顔立ちは妙に完成されていた。
見た目は以前のものとあまり変わらない。しかし、明らかに実体を伴っていた。
「トム!」
ローゼマインが駆け出した。
ルシウスはもう、驚くことを放棄した。
紙の中にいた魂が肉体を得た。
賢者の石まで作った娘なのだから、そういうこともあるのだろう。
深く考えると頭が痛くなる。
ローゼマインは勢いのままトムへ抱きついた。
そこだけは深く考えざるを得なかった。
少年の身体がわずかに強張る。
トムは困ったように両手を宙へ浮かせていたが、やがて片方の手を、次いでもう片方を、ローゼマインの背へ回した。
ルシウスは目を細めた。
父親の庭で、父親の許可を得て作った身体で何をしている。
やはり、恋なのか? 恋をしているのか貴様は。
「さて」
ルシウスは、庭の端まで聞こえるようにわざとらしく大きな声で言った。
二人が離れた。
トムがわずかに眉を寄せたが、知ったことではない。
ルシウスはゆっくりと庭へ降りた。
「それで、この少年を今後どうするつもりだ」
「どうするって?」
ローゼマインが首を傾げる。
「生活の話をしているのではない。身元だ。住所だ。戸籍に相当する記録も必要になる。魔法省へ何と説明するつもりだ。『日記帳から十六歳のトム・リドルが生まれました』とでも届けるのか?」
「あ」
娘の顔に浮かんだ表情を見て、ルシウスは確信した。
何も考えていなかったに違いない。
人体の生成には成功したのに、その後の行政手続きは完全に抜け落ちている。
横でグリンデルバルドが顎に指を添えた。
「君の養子にしてはどうかね?」
「なぜ私が!」
思わず声が出た。
「家も、身元も、保護者も一度に手に入る」
「合理的なら何をしてもいいと思うな!」
「断る」
さらに強い声が重なった。
トムだった。
彼は顔をしかめ、まるで到底受け入れられない提案をされたかのように言った。
「マルフォイ家の養子になるつもりはない」
ルシウスは自分で拒否したはずなのに少し傷ついた。
そこまで嫌がる必要はないのではないか。
隣でナルシッサが口元を手で覆った。
「あなた、本当に後悔しない?」
「何の話だ」
「トムを養子にしなかったことよ」
ルシウスは上着を脱ぐ手を止めた。
「後悔する要素がどこにある」
「それならいいけど……」
ナルシッサは少しがっかりした顔だった。
「私としては、無念という気持ちもあるのよ。でも、この気持ちは小説にすることにしたわ」
「待て。何の気持ちだ? 何の話をしている?」
「物語の中くらい、思い通りになってもいいでしょう?」
次の日から、ナルシッサは新しい恋愛小説の執筆へ没頭した。
朝食の席でも考え込み、午後の茶でも突然羽ペンを取り、夜中に何かを思いつけば寝台を抜け出して書斎へ向かう。
ナルシッサが何に失望しているのか、ルシウスは聞くのを諦めた。
その後しばらくして、今度はローゼマインが玄関から駆け込んできた。
「お父さま!」
足音だけで嫌な予感がした。
「ハーマイオニーがいなくなった!」
ルシウスは広げていた新聞から顔を上げた。
「何?」
「魔法省へ行ったまま帰ってきてないの。スクリムジョールに連れ去られたかもしれない」
「スクリムジョール?」
その名を聞いた瞬間、記憶の片隅に残っていた光景が浮かんだ。
ダンブルドアの葬儀の際、大勢の参列者の向こうで、ハーマイオニー・グレンジャーとスクリムジョールが話していた。
「そういえば、葬儀の日にも二人で話していたな」
ローゼマインがぴたりと止まった。
「……いつ?」
「だから、ダンブルドアの葬儀だ」
「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」
「なぜ私が怒られる!」
ルシウスは本気で理解できなかった。
スクリムジョールとホグワーツの女子生徒が会話している。
その程度の光景を見たからといって、後日誘拐事件へ発展するなど予測できるはずがない。
しかし結果として、その証言は役に立った。
調べていくうちに、似たような例がいくつも見つかったのだという。
魔法省へ呼び出された。
面談へ向かった。
事情を聞かれると言って家を出た。
そして帰ってこない。
一つなら偶然で済む。
二つなら疑う。
数が増えれば、そこには意図がある。
ローゼマインたちはブラック家を拠点に動き始め、やがて魔法省の地下から大勢のマグル生まれを救出した。
保護された者たちは、ひとまずブラック家へ身を寄せることになったらしい。
当然、ローゼマインもそこへ頻繁に出入りするようになった。
「最近、ずいぶんブラック家へ行くな」
ある日の朝食で尋ねると、ローゼマインはパンへジャムを塗りながら答えた。
「新しい魔法道具を作ってるから」
ルシウスは一度だけ目を閉じた。
「今度は人間ではないだろうな」
「違うよ」
少し安心した。
「ウィーズリーの双子と作ってる」
安心が半分消えた。
「お父さまも出資した方がいいよ」
「なぜウィーズリー家の利益になることへ金を出さなければならん」
「絶対売れるから」
言い切った。
「娘の言うことは聞いておいたほうがよいぞ」
グリンデルバルドまで言った。
ローゼマインには、金儲けそのものへの執着は薄い。しかし、マルフォイ家で育てた良い先見の目を持っている。羽ペン通信の成功も、彼女がいなければ成り立たなかった。
おかげでマルフォイ家は今まで以上に潤っている。
だからこそ、彼女が「売れる」と断言するときは妙な説得力があった。
結局、ルシウスは契約書へ目を通すことになった。
どうやらブラック家は十五パーセント出すようだ。マルフォイ家は十パーセントほどで良いだろう。
契約の席にはアーサー・ウィーズリーもいた。
長机を挟んで顔を合わせる。
「ルシウス・マルフォイ」
「アーサー・ウィーズリー」
昔なら、それだけで険悪になった。
今回もなりかけた。
しかし双方の視界の端には子どもたちがいる。
フレッドとジョージ。
ローゼマイン。
彼らがこちらを見ていることに気づき、アーサーが先に視線を逸らした。
「……まあ、今は共同事業の話だからね」
「そうだな」
ルシウスも頷いた。
和解したわけではない。
ただ、子どもの前では和解したことにした。
契約書を読み進めていくうちに、ルシウスは販売対象の項目で手を止めた。
「マグル生まれの親にも使わせるのか」
「そのつもりだ」
アーサーが答える。
ルシウスは羊皮紙の端を指先で叩いた。
「ならば先に法を整えておけ。魔法族のために作った道具を、魔力を持たない者が継続的に使用するとなれば、必ずどこかで揉める」
「言われなくても分かっている」
「なら早く動け」
「君から法律を守れと言われる日が来るとは思わなかったよ」
「私は商品を売った後に差し止められるのが嫌なだけだ」
「相変わらずだな」
「貴様もな」
「お父さま」
「父さん」
二方向から声が飛んできた。
二人とも口を閉じた。
その後、アーサーは本当に動いた。
魔法製品であっても、魔力を持たない者が安全に使用でき、秘密保持上の問題が生じない範囲であれば、利用を認められる。
既存法の隙間を埋めるような、小さな規定だった。
ルシウスにとっては、ただ事業上の面倒を避けるための手続きにすぎなかった。
グリンデルバルドは、その話を聞くと静かに笑った。
「それはいい」
その声音が、妙に耳へ残った。
ポケット・グリモアが発売されると、ルシウスも一台買った。
出資者なのだから、製品を知らないわけにはいかない。
ナルシッサも買った。
グリンデルバルドまで一台持ち始めた。
最初、ルシウスは若者向けの玩具だと思っていた。
だが、数日使ったところで認識を改めた。
フクロウを飛ばす必要がない。
朝刊を待たずに情報が入る。
複数の人間が同じ文章を読み、同じ場所へ書き込み、その場で修正できる。
人間が情報へ触れるまでの時間そのものが縮んでいる。
これは、単なる便利な魔法道具ではない。
情報の流れ方を変える革命的な製品だった。
「……これを、マグルの道具を参考に作ったのか」
ルシウスは手の中のポケグリを眺めた。
ローゼマインから聞いた話では、マグル社会にはすでに、遠くの相手と瞬時に話す道具も、写真を撮る機械も、膨大な情報を扱う仕組みも存在するという。
魔法族は長いあいだ、自分たちの方が進んでいると思ってきた。
どうやら、そう単純な話ではないらしい。
ローゼマインが出資を勧めた理由も分かった。
癪ではあるが、ウィーズリー家へ金を出したことを後悔するほどではなかった。
むしろ問題は別にあった。
ある午後、ルシウスが応接間へ入ると、ナルシッサが長椅子へ座って原稿を広げていた。
向かいにはグリンデルバルドがいる。
「若い子には手紙では少し古いかしら」
ナルシッサが原稿を見ながら言った。
「なら、ポケット・グリモアを使わせてみてはどうかな」
グリンデルバルドが何でもないことのように答えた。
ナルシッサが顔を上げる。
「小説に?」
「せっかく新しい道具が生まれたんだ。今の魔法界を書くなら、出てきても不思議ではない」
「そうね」
ナルシッサは原稿へ視線を戻した。
「離れた場所にいる二人が、夜にページを送り合うのも悪くないわ」
「いい場面になりそうだ」
「でも、返事が来なかったら?」
「それも恋愛だろう」
ナルシッサが笑った。
グリンデルバルドも笑った。
ルシウスは、その場で足を止めた。
それだけの会話なら、何もおかしくない。
新しい道具を新しい小説へ登場させる。
自然なことだ。
だが、ナルシッサの小説は、魔法族だけを相手に書かれているものではない。
以前、ローゼマインが提案した。
マグルにも本を売ればいい。
魔法界の物語を、向こうの世界でも読んでもらえばいい。
グリンデルバルドは、あの話に妙に乗り気だった。
そして今、わざわざナルシッサの小説へポケグリを入れようとしている。
魔力を持たない者でも魔法製品を使えるよう、法まで整った。
偶然と片づけることはできる。
だが、偶然という言葉は、グリンデルバルドの周囲では慎重に使うべきだった。
「グリンデルバルド」
ルシウスが呼ぶ。
「何かな」
老人は顔を上げた。
「貴様、何を企んでいる」
ナルシッサが羽ペンを止めた。
「あなた」
「シシー、少し黙っていてくれ」
グリンデルバルドは気を悪くした様子もなく、背もたれへ身体を預けた。
「なぜ私が何かを企んでいると思う?」
「貴様だからだ」
「なるほど」
妙に納得された。
それも腹立たしい。
ルシウスはナルシッサの原稿を見た。
「マグルに向けて売る小説に、魔法界で実際に使われている道具を登場させる」
「そうなるね」
「しかも、それはマグルの技術を参考にして作られた」
「興味深い話だ」
「それだけか?」
グリンデルバルドは答えなかった。
窓の外では夏の陽が傾き始めていた。
室内へ伸びた光が、テーブルの上に置かれたポケグリの金具へ反射している。
グリンデルバルドはそれを手に取り、表紙を一度撫でた。
「マグルというのは、実に面白い」
唐突に言った。
「私が数十年閉じ込められた間に、彼らは想像よりはるかに前へ進んでいる」
「何が言いたい」
「十年後には、今とはまるで違う世界になっているかもしれない」
ルシウスは眉を寄せた。
「通信はもっと速くなるだろう。本も新聞も、今よりずっと簡単に手に入る。遠くの景色をその場で見ることも、珍しくなくなるかもしれない」
グリンデルバルドの指が、ポケグリの表紙を軽く叩いた。
「なら、少し早く見せてやっても構わないだろう」
ルシウスはその横顔を見つめた。
慈善家のような言い方だった。
それを口にしている人物が違えば、ルシウスもそう受け取ったかもしれない。
「善意ではないよな?」
グリンデルバルドが低く笑った。
「なあに、マグルの進化を十年早めるだけのことだよ」
「それで? 何を考えているんだ?」
ルシウスは促した。
その先があるに違いない。
この男は、誰かのためだけに世界を動かそうとはしない。
グリンデルバルドは窓の外へ目を向けた。
よく整えられたマルフォイ邸の庭。
その向こうには、魔法族の知らない世界が広がっている。
「十年先の景色を最初に見せた者を、人は忘れない」
その言葉で、ルシウスの胸に残っていた小さな違和感が、一つにつながった。
マグルに魔法を明かす。
そんな単純な話ではない。
この男が考えているのは、もっと回りくどく、もっと性質が悪い。
何が魔法で、何が技術か。
その境目を、向こうが意識するより先に曖昧にしてしまう。
ナルシッサの小説の中では、ポケグリはただの魔法道具だ。
マグルにとっては空想の産物に見えるだろう。
だが、空想は一度知れば、名前を持つ。
形を持つ。
欲しいと思う者も出てくる。
「……まだ諦めていなかったのか」
ルシウスが言った。
「何を?」
「マグルの上に立つことをだ」
ナルシッサが二人を見比べた。
グリンデルバルドは否定しなかった。
ただ、かつてヨーロッパを相手に演説していた男とは思えないほど穏やかな顔で笑った。
「上とか下とか、そういう問題ではないのだよ」
「では何と言う」
「協調だ」
ルシウスは鼻で笑った。
「響きを良くしたところで誤魔化されると思うな」
「そうかな」
グリンデルバルドはポケグリをテーブルへ戻した。
「彼らはいずれ追いつく。私はただ、少し早めるだけだ」
「早めてどうするというのだ」
問いかけると、グリンデルバルドの目だけが笑った。
「その功績は、我々のものになる」
それ以上は何も言わなかった。
ナルシッサはまだ完全には話を理解していないようで、二人の間を見比べたあと、やがて原稿へ目を戻した。
「……ポケグリを出す話は、続けてもいいのよね?」
ルシウスは妻を見た。
グリンデルバルドも見た。
「もちろん」
老人は、実に感じよく答えた。
ナルシッサは満足そうに羽ペンを取った。
紙の上に、新しい一文が増えていく。
恋をする魔女が、夜の寝室でポケット・グリモアを開く。
それだけの場面だった。
ルシウスには、なぜかその一文がひどく不穏なものに見えた。
ここしばらく、グリンデルバルドはローゼマインと本を語り、ナルシッサの原稿を読み、食事の席ではドラコの将来にまで口を出している。
長い牢獄生活で、少しは丸くなったのかもしれない。
そんなことを考えた自分がいた。
どうやら見当違いだったらしい。
闇の魔法使いは、年を取ったからといって野心を捨てるわけではない。
ただ、若い頃よりも狡猾で、静かな声で話すようになっただけだった。