「原子……爆弾……?」
原子爆弾、そんな兵器なんて見たことも、まして聞いたこともなかった。目の間のずんぐりむっくりした鉄の塊がどれほど恐ろしいものかなんて想像できる方が難しかった。
疑問点はまだある。仮に最強という意味はわかるが、最悪というのはどうゆうことだ? 兵器なんてものは大抵最悪であろう? そもそも兵器に最悪も最高もない、等しく最悪だ。仮に最高な兵器があったとして、それは兵器と言えるのか? 小鳥遊ホシノの頭の中はハテナの大量が起きていた。
「ふむ……その様子だと、この兵器の意味がわかっていなさそうだな」
「そもそも、そんな兵器聞いたことないからね」
「だろうな……では小鳥遊ホシノ、一つ質問をしよう」
「?」
「君はこの世界に私達を殺すことができる兵器が存在すると思うかい?」
「……存在するわけないでしょ、そんな物。仮に存在するとしたらキヴォトスは大混乱だ……よ」
「……!?!? まさか……!?」
質問の意図をわかった。いや、わかってしまった。まさか、そんな……まやかしのような物……あり得ない、あり得てはいけない。信じられない。
「気付いたようだね。そう、これはキヴォトスの人も殺してしまうような威力がある爆弾だ」
前提として私達の体はとんでもなく頑丈だ。銃弾で頭を撃たれても、手榴弾の爆発に巻き込まれても、戦車の砲弾を喰らっても、傷つくことはあっても死ぬことなんでない。そんな私達ですら死に至らしめる可能性がある爆弾、一体どれほどの威力があるか……想像出来ない。
「……どれほどの威力があるの?」
「……仮にゲヘナ学園にこいつを落とすとしよう。爆発した瞬間、ゲヘナ学園は地図から消滅するだろうな」
「なん……だって?」
非現実、あまりのも非現実的な回答であった。頭の中をある程度整理出来た時、怒りも沸いてきた。なぜそんな危険兵器を作ったのか?
「どうゆうつもり? ……こんな兵器作っちゃってさ。言っておくけど人殺しに手を貸すつもりはないよ?」
「小鳥遊ホシノ、こいつは対人に作ったわけではない」
「じゃあ、何の為に作ったの?」
「……そうだな。あまり詳細な事は言えないが、後に来るキヴォトス最大の危機に対抗するために作った物だ」
「キヴォトス……最大の危機?」
「すまないが、これについては言えない。だが、これだけは誓う。この兵器はいつか来る有事までに使用しない、使用させない。絶対に」
ここに来て始めて皇の顔を見た。その顔は……
在りし日の自分自身を見ているような顔であった
どこか悲しげで、全ての責任を背負っているような……そんな顔であった。
「ここで見たこと、聞いたことは他の生徒には言わないでくれ、この件は、君と私の盟約なのだから」
「わかってる。こんなの可愛い後輩達にも知ってほしくないからね」
今この場にて、皇ミコトと小鳥遊ホシノの盟約は相成った。
翌朝、対策委員会が大和帝国学園を立ち去る日。1名を除き、皆満足そうで日頃の疲れも取れたように見える。まぁ、その1名も後輩達の楽しそうな顔を見て満足そうであったが……。皇ミコトは学園代表で見送ることになった。
”本当にありがとう。とても楽しかった”
「いえいえ……皆さんが楽しいと思えたなら、こちらとしても招いたかいがあります」
「ん、楽しかった。また来たい」
「久しぶりに親友に会えて楽しかったです~☆」
まぁ、ただ見送るために来たわけじゃない。先生に
「先生、記念としてこちらを受け取ってほしいのです」
”……これは? ”
渡したのは加工された白い石であった。
「我が学園で採取できる翡翠を加工して作った勾玉でございます。まぁ、1種の安全祈願のお守りみたいな物です」
”こんなきれいな物もらって良いの? ”
「えぇ! 勿論ですとも!」
”何から何まで、ありがとうね”
「えぇ……それでは気をつけてお帰りください」
皇はお辞儀をして見送った。彼らを送迎する車の音が聞こえなくなるまで、最後まで彼女たちの顔は笑顔で宝石のようなものであった。
恐らく、同盟の件は学園に戻ってから話すのだろう。こちらとしてもそれは好都合である。そして彼女たちは必ず同盟を結ぶであろう、結ぶに違いない
さて、こちらも戦争の準備をしなくてはな。
皇ミコトは大和帝国学園の絶対的な実力者で、絶対的な統率者だ。しかし、これには些か疑問がある。なぜぽっとでの彼女が各学園のはぐれ者を統率することができたのか? なぜ彼女はあれほどまでに強いのか?
彼女の人生については一切不明だ。なんなら本人すらその事を知らない。さらに、彼女の能力についてもあまり詳細が分からない、強いて言うならば天災地変、ありとあらゆる自然災害を操ることができる能力ということだ。
ただ待ってほしい、強いだけであれ程統率力のある生徒を育てることはできるか? 各学園でも飛び抜けた実力者を引き抜くことが出来るか?
はっきり言おう、不可能だ。あんな一癖も二癖もある生徒を強さだけでまとめることができるのならば、ゲヘナ学園はとうの昔に平和になっている。
彼女には何かあるに違いない、これからも調査していこうと思う。
<消息を絶った〇〇学園新聞部生徒のメモに書かれていた内容>
次回、対策委員会編 最終章 アビドス防衛戦
セリフの前に名前をつけるべきか
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つけてほしい!!
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邪魔だからいらない