我等!無敵ノ大和帝国学園ナリ!   作:三俣

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アビドス防衛戦 後編

「オラオラオラァ!!! もっと俺らを楽しませてみろやぁ!!!」

 

「ちぇ、傭兵ってこの程度なんか……ちょっと残念~」

 

「バ……バケモノ共が……!」

 

「銃剣突撃じゃ! 行けぇぇぇぇ!!!」

 

 アビドス市街地、戦闘は対策委員会側が圧倒的に有利、どころか勝負は既に決定づけられているようなものであった。勿論、傭兵共も対策委員会メンバーを攻撃しようとはしている。

 

 しかし、対策委員会を守っているのは鉄壁 栗木ミチだ。攻撃など通るはずもない、なんなら無傷である。しかも攻撃に集中すると対策委員会からのカウンター、大和帝国学園一般兵からの攻撃が飛んでくる。傭兵共からするとただの地獄である。

 

 では、栗木はどうやって攻撃を凌いでいるのか、それは彼女の武器が鍵である。

 

「くそ……せめて一撃でも……!!!」

 

「させると思ってるの? ……防げ! 鉄扇!!!! 

 

「な……!?」

 

「シロコさん! 今よ!!」

 

「ん、ナイスアシスト」

 

がっしゃーん!! 

 

「ぐはぁ!!??」

 

 栗木ミチの使用武器は鉄扇、三〇無双の奴である。そう、栗木は鉄扇で敵の弾丸を的確に弾いていた。栗木はこれを武器とは思っておらずとして使っているのだ。盾は盾でも彼女が使うと、イージスの盾であるがな。

 

「あ、あの鉄扇さえなんとかすれば……!」

 

ドカン!!! ボカーン!!! 

 

「ぐはぁ!? ば、爆発……!?」ドサッ

 

「あら、敵は大和帝国学園だけではないのをお忘れかしら?」

 

「ナイスアシストだわ! 便利屋ぁ!!!」

 

 便利屋・一般兵・対策委員会、ダメージを与えられないが自分達はダメージを受ける。そんな戦場に電報が轟いた。

 

「栗木隊長、小鳥遊ホシノの居場所、特定が完了しました」

 

「小鳥遊ホシノはここから北上〇〇kmの建物内にて拘束されている模様」

 

「ナイスタイミングよ、解析班」

 

 それを聞いた便利屋68 陸八魔アル、皇ミコトの本来の依頼を行うときが来た。

 

「ここは任せてちょうだい。早く大将、取り返しに行きなさい」

 

 皇ミコトの本来の依頼はカイザーPMC兵士を足止めする事、今が丁度その状況である。ちなみに、最初の襲撃については便利屋68が独断でしたことである。

 

「今それ頼もうと思っていた所だわ」

 

『ここはアルさん達に任せて、先に行きましょう!』

 

 ”無事でいてね”

 

「……! えぇ、勿論よ」

 

「このまま小鳥遊ホシノの所まで北上するわよ!!!!!!!」

 

「「おー!!!!!!」」

 

『カイザーPMC 司令室』

 

「ぐ、ぐぐぐぐ……!!!!」

 

 苦虫を嚙み潰したような顔をしているのはカイザーPMCの理事、もはや勝負にすらなっていない現状を見て居るのだから当然であろう。

 

「ククク……ずいぶん手こずっているようですね?」

 

 そんな彼をあざ笑うかのように、黒服が現れた。

 

「き、貴様!!! 聞いていないぞ! 対策委員会共が大和帝国学園とつながっているなど!!!」

 

「……」

 

 沈黙の時間が流れる。今のカイザーPMC理事には解答を待つ余裕など消え去っていた。

 

「ええい!! もう良い!! 貴様など頼らんわ!!!」

 

 そう言い、カイザーPMC理事は自ら決着をつけに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

(大和帝国学園、本当に恐ろしい存在ですね……)

 

黒服のいつもの冷静な心持ちは消え去っていた

 


 

 対策委員会・大和帝国学園は順調に北上し、小鳥遊ホシノが居る場所まであと少しであった。

 

「あと少しで到着するwドカーン!!!!! なに!?」

 

 このまま何事も無く終わるはずなかった。今の奴らは必死そのもの、どんな手も使ってくる。その予感は見事に的中、目の前に現れたのは……

 

『わははは! 貴様らの快進撃はここで終了だ……!!! この最新式戦闘ロボットでひねり潰してくれよう!!!』

 

カイザーPMC理事が操る巨大戦闘特化ロボットであった。流石の栗木ミチも想定外、まぁ一番驚いたのはこんなものを用意できる技術力があったことにだが。

 

「ちぃ! あと少しって時に!」

 

(この状況……余裕そうに見えて結構やばいわね)

 

(攻撃は全て私が弾いた。だが、移動と攻撃の疲労は確実に溜まっている)

 

(このままコイツとの戦闘が長引けば……)

 

(ここでの最適解……これしか無いわね)

 

 栗木ミチ、ここで彼女はとんでもない事を言い出した。

 

「対策委員会、先進みなさい。ここは私1人で十分よ」

 

「「!?」」

 

『ほ、本気で言ってるんですか!?』

 

「流石にあれを1人でなんて……」

 

「つべこべ言わず行きなさい! それとも、私の実力が信じられないとでもいうのかしら?」

 

 ”! ”

 

 先生は彼女の目を見た。本気だ。あのデカ物相手に負ける自信など一切感じていない。むしろ、絶対に勝てるという自信を感じる。ここで彼女を信じない事は彼女を裏切ると同義、そう思えるほどだ。

 

 ”みんな、行こう”

 

「ここは信じるべき」

 

「ちょ、ちょっと!? 先生にシロコ先輩まで……!」

 

ジー

 

「わかったわよ! 信じれば良いんでしょ!!! その代わり……

 

 

無事で居なきゃ承知しないわよ!!!」

 

「当たり前でしょ……!」

 

 対策委員会が先に行こうとした。当然、戦闘ロボットが前に立ちはだかったが……

 

『逃がs「てめぇの相手は私だって言ってんでしょ!!」……ちぃ!』

 

「行けぇ! 対策委員会! 己の使命を果たせ! 必ずよ!」

 

 対策委員会は後ろを振り向かなかった。栗木ミチなら大丈夫、ここで振り返ることは無粋である。

 

「さて……来なよ、弱虫理事さん。3分で決着つけてあげるわ」

 

『く……! 貴様ぁ……!!! 生意気な口の聞き方を!!!!』ブォン! 

 

(完全に頭に血が登ってる……いつもの余裕こける態度でもないようね)

 

(武器はミサイルと機関銃で格闘も可能、別に攻撃受けながらでも勝てるけど……折角ならノーダメージでぶっ倒して吠え面拝みたいわね)

 

 栗木ミチの分析通り、カイザー理事は全く冷静ではなかった。完全に余裕がなくなった大人、見苦しいと言わざるを得ない。

 

 対して栗木、逆に彼女はとんでもなく冷静である。戦場での勝敗は指揮官が感情的ならない事が最重要だ。それにしても彼女の落ち着き具合は異常、とても学生とは思えなかった。

 

『さっきの余裕はどうした……! 防御ばかりしても私は倒せないぞォ!!』

 

 理事はこう思っていた、(コイツはきっと余裕がない、受け身ばかりで攻めあぐねているのが何よりの証拠だ)、と。

 

 だが、理事は気づかなかった。既に栗木ミチの術中に嵌っていること、既に自分が敗北していることに。

 

(そろそろ……か)

 

 次のカイザー理事の攻撃、それが終わりの合図。栗木は防御を解いた。

 

『どうした、降参か? あれだけ啖呵切った割に大したこないではないか』

 

「降参……? あなた脳味噌腐ってんじゃない? 良い脳外科知ってるけど、そこ受診したら?」

 

『……ぬかせ! 次の攻撃で貴様はお終いだ!!』

 

(来るか)

 

『ミサイルと機関銃の多重攻撃だ! 耐えられるなら耐えてみろ!!』

 

(やった……やってくれた。嵌ってくれた)

 

 戦闘ロボットが構えた、この状態こそが栗木が望んでいたシチュエーション。

 

 カイザー理事が栗木を視界にとらえた……はずだった

 

『な……! 消え……一体どこに!?』

 

「花のように舞い落ちて」

 

 ドサ! 

 

『ひ、右腕が切り落とされ……!?』

 

「蝶のように舞い上がり」

 

『左腕まで……!? 一体何処だ! 何処にいるのだ!?』

 

「風のように切り裂いて」

 

『両足が細切れに……! なんだ!? 私は今何をされているのだ!?』

 

 意味がわからなかった。確実に攻撃は受けているはずなのだ。だが、栗木の姿が何処にもないのだ。声は聞こえる、近くには居るはずだ。わからない、わからない、わからない、理解できない! 何処に!? 

 

「月のように輝き照らす」

 

 カイザー理事は意識がなくなる前に見た。まるで演舞が如く可憐で、しかし可憐というには暴風な攻撃をする栗木の姿を。

 

やられたのに何故か幸せで、夢見心地のような気分であった。

 

扇技『花鳥風月』

 

 戦闘ロボットは爆散、小鳥遊ホシノを奪還し、これにて戦いは終結した。

 

「栗木ミチより本部・師団兵へ連絡、小鳥遊ホシノの奪還に成功。アビドス攻防戦は我々の大勝利である」

 

「カイザー理事の身柄を拘束し、直ちに帰還する」

 

 

 

 




次回 エピローグ

セリフの前に名前をつけるべきか

  • つけてほしい!!
  • 邪魔だからいらない
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