我等!無敵ノ大和帝国学園ナリ!   作:三俣

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次のステップへ!

 なんとか目当ての物をゲットしたのは良いものの、チヒロ・ナオは()()()()について悩んでいた。

 それはこの件を学園に報告すべきか否かであった。便宜上、チヒロ達は1ヶ月間の外部演習活動として学園に報告している。学園の規定上、外部演習を行う際は何処でどんな活動を行ったのか、活動報告書を毎日送らなければならない。

 しかし、今回のG.Bible……アリスのことを報告すれば学園にいるマッドサイエンティスト共が黙ってるわけがない、しかも、大和帝国学園の科学者は元ミレニアム出身が多い、確実に面倒な事が起きる。では隠せば良いのではないか……? 

 

 それができれば苦労はしない、それはなぜか? 答えは簡単、ゲーム開発部の目標であるミレニアムプライス、こいつが原因だ。今回のミレニアムプライス、特別ゲストとして兵器開発部の有坂アキラの名が記されていたのだ。

 つまり、仮に隠してたとしても100%バレる、バレたら虚偽報告として今後一切の単独外部演習禁止・反省文500枚の刑、それだけはどうしても避けたい。隠しても死、隠さなくても死、一見詰みに見えるが、1つだけこの状況を回避できる方法がある。

 

 それは、皇ミコト閣下にだけアリスの事を報告すること……これしかない。皇閣下にさえ話をつけていれば、仮に隠したことがばれても学園のTOPが知っていれば何とかなる。

 そう思ったチヒロ・ナオはただでさえ狭いゲーム開発部部室に電報用通信機器を設置していた。

 

『帰ってきた早々で本当無理言ってごめん』

 

「全然問題ないよ!」

 

「こっちが巻き込んでるので、謝ること無いですよ」

 

「……にしては今時こんな機械使って電話するんだね」

 

「普通の携帯電話だと傍受させる可能性があるからにゃ」

 

『それに閣下との通話は特殊通信機器で行うのがルールだから』

 

 大和帝国学園は軍事学園、そもそもが機密情報の権化のような学校だ、気軽に携帯電話を使ってしまうと機密情報が漏れる可能性がある。特に学園のTOPである皇ミコトとの通信なんて機密情報の塊、通信傍受がされない大和特性特殊通信機器以外での連絡は緊急時以外禁止されている。

 

『ミドリ・モモイ・アリス、それに先生、すまない。少々部室から出て貰うと助かる』

 

「やっぱり聴かしてはくれないんですね」

 

『規則なんで……どれだけ信頼している人でもダメなモノはダメ』

 

 ”わかった、終わったらまた呼んで”

 

『ナオは扉前の警備お願い』

 

「わかったにゃ!」

 

 モモイ達が部室から退出したことを確認したチヒロは、ヘッドフォンをつけ通信を始めるためのダイアルをセットし始めた。

 

 発信者 [ヒト・キュウ・フタ・マル] 船阪チヒロ

 

 通信番号 [ヒト・キュウ・ヨン・ゴー] 皇ミコト

 

 個人認証コードを入力してください

 [フタ・マル・マル・ロク]……コードを確認、承認

 

 生体認証を行います。

 

 マイクに向かって声を出してください

 音声……承認完了

 

 指紋認証装置に右人差し指を出してください

 指紋……承認完了

 

 カメラに向かって右眼を向けてください

 虹彩……承認完了

 

 台に毛髪をセットしてください

 DNA……承認完了

 

 オールクリア、発信者本人であることを確認、皇ミコトとの通信を許可します。

 

ピーヒョロロロロ~ピ────ゴ────ザザザ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 接続完了 通話を開始します

 

『あ~もしもし、もしもし、こちら皇スバルだ。応答せよ』

 

『皇閣下、こちら船阪。問題なく聴こえております』

 

『こっちも問題ないよ。で、何用かな?』

 

『はい、外部演習先のミレニアムにて奇妙な存在を発見したため連絡いたしました』

 

『これで連絡してきたってことは報告書にも書けない代物か、一体どんなものだ?』

 

『古代人が作った人型ロボットG.Bible、通称アリスです』

 

『人型ロボット? そんな珍しい物じゃないと思うが……』

 

『ただの人型ロボットではありません。人のように髪があり、眼球があり、肌がある、完全人型ロボットです』

 

『なるほど。して……何のためのロボットなんだ?』

 

『話によると最高のゲームを作れる秘密が書き残された物だとか……』

 

『ゲームを作るための物ねぇ……ありえんな』

 

『皇閣下もそう思いますか』

 

『ああ、流石にそれだけのために人間を完全に模した機械を作るとは考えにくい……もっと別の何か……』

『……ともかく要件については把握した。報告書にそのアリスのことは書かなくて良いよ』

 

『ご配慮感謝致します』

 

『ところで一ついいかな?』

『なんでG.Bibleから通称がアリスになるんだ?』

 

『発見した台座にてAL-1Sと書き記されていた為、ゲーム開発部部員がそれを文字ってアリスと……』

 

『……なるほど、なかなかセンスがいいな』

 


 

『────終わった、待たせた』

 

 "結構時間かかったね"

 

『あの機械、接続するのに時間かかるからね。酷い時は1時間かからないことだってあるから、今回は早い方だよ』

 

「チヒロの報告も終わったし、次のステップにいこう!」

 

「次のステップにゃ?」

 

「そう! アリスをゲーム開発部の仲間にする!」

 

「ま、まさか……アリスをミレニアムの生徒って偽装する気?」

 

「え、そうだけど」

 

「そうだけど、じゃないよ!? どうやってそんな……」

 

「……知り合いに偽装のプロがいるからそいつに頼もうかにゃ?」

 

「本当に? お言葉に甘えてお願いしようかな!」

 

「お願いしちゃダメだって、バレたら……」

 

「でも、アリスの力を借りないとこの部活潰れちゃうよ」

 

「それは……そうだけど」

 

「それに部活が潰れちゃったらユズの居場所が……」

 

 ユズ、ゲーム開発部3人目の部員であり、部長。チヒロ達は今だに出会った事がないが、何やら事情があるらしい。

 

『ミドリ、確かに今私達がやろうとしてることは良くないこと』

『でもそれしか方法がないならやるしかない。今の私達に良いとか悪いとか選択する余裕なんてない、道は一つしかない」

『それに、大切な物を守ることは綺麗事だけで出来る事じゃない』

 

 特に今のゲーム開発部は崖っぷち、だからこそモモイはこの危ない橋を渡る決断をした。助かる道がそれしかないから、人間いくら危険な橋でも助かる選択肢が橋を渡るしかなければ否応無しに選択する生物だ。

 ミドリは薄々悟っていた、この道しかないと。

 

「……」

「わかった。私も覚悟を決めたよ」

 

『それでいい────-』ニヤリ

 

「よし、アリスの生徒偽装については任せるにゃ」

「モモイ、学生証の発行だけお願いできるかにゃ?」

 

「もちろん!!」

 

『その前にいい?』

 

「なんだねチヒロ君!」

 

『あの子、なんかソフト食べてるけど』

 

「……」

 

「あー! それ貴重なやつだから食べちゃダメ!!!」

 

「……こんな調子で本当に大丈夫なのかな」

 

「まずは人間的言動と行動を覚えさせるところから始めなきゃにゃ……」

 

 

 

 

 

 

 

 


 

「G.Bible……AL-1S……か」

 

「こりゃあ一波乱起きるな……」

 

「ただでさえ()()()()が控えてるのに」

 

「……まあ良い、儀式の進行が早まるならこちらとしては大歓迎」

 

「それに君の周りはよくトラブルが起きる……実に好都合だ」

 

「しっかりと働いてくれたまえよ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────先生

 

顕現まであとX日




次回 アリスの勉強会
良ければコメントお待ちしてます

セリフの前に名前をつけるべきか

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