文字数少なすぎて2作目と言っていいかわかりませんが一応2作目です。
4月○○日
待ちに待ったトレセン学園入学式!これから私の夢が、三冠娘になる夢が始まるんだ!地元でも、入学前の模擬レースでも負けなかった!これからも誰にも負けないウマ娘になってやる!
4月○○日
担当トレーナーが決まった!昔から自慢だった末脚を褒めてくれて嬉しかった!まずはメイクデビューで全員ぶち抜いてやる!そのままクラッシック路線に殴り込みだ!明日からは本格的にトレーニング開始!頑張るぞ!
6月○○日
模擬レースで思っているよりも力が発揮できない。今まで勝てていた相手にもじわじわと差を詰められている。トレーニングもしっかりこなしてるし、実力もついてきてる。なのに結果がついてきていない。トレーナーにはメンタル面の調子によってパフォーマンスが上がることも下がることもあると言われたけどそれだけじゃない気がする。来月にはメイクデビューだ。こんなところで躓いていられない。頑張らないと。
7月○○日
勝てなかった。3着。1着を取った先行の子に追いつけないどころか、後ろから来た追込の子に最後の最後で差された。もっと力をつけなきゃ。トレーナーに早速トレーニングメニューの負荷を増やしてもらえるようにお願いしよう。
9月○○日
あれから2度の未勝利戦を戦い、負けた。トレーニングは積んだ。コーナー技術も直線勝負の脚も磨いた。なのに着順は下がって、ついには掲示板にも乗れなかった。自慢だった末脚が伸びなくなっている。時間が経てば経つほど周りの子との差が広がっていく。トレーニング負荷を上げるようトレーナーにお願いしたらダメだと言われて少し当たってしまった。今思えば、無茶を言ったのは自分なんだと思える。明日は謝らなきゃ。
9月○○日
なんで?なんで?なんで?ダートって何?三冠が夢って言ったよね?一緒に獲ろうって約束したよね?何で次の未勝利戦がダートなの?嫌だよ。芝で、クラッシック路線で勝ち上がりたいのに。どうして私を信じてくれないの?トレーナーはウマ娘の味方になってくれるんじゃなかったの?もうわかんないよ
9月○○日
昨日はすこしパニックになってすぐ帰ってしまった。そのことを謝りつつ、気持ちの整理は未だについてないけど、もう一度トレーナーと話し合った。トレーナーが誰よりも私が勝てないことに思い悩んでるのは分かっていた。「自分の指導が悪かった。ごめん。」と何度も謝るその顔は数ヶ月前よりだいぶやつれてて、そんなトレーナーが私が勝てる方法を悩んだ末にダートという選択肢を出してきた。トレーナーにはとても支えてもらってるし、私1人じゃこんなに成長できてなかった。そんなトレーナーにここまで心労をかけているのが申し訳なくて、「次だけはダートに出てみます」と言ってしまった。私1人じゃ勝てない。私の夢ではあるけど、1人じゃできないことならこだわりを捨てることも必要なのかもしれない。レースは2週間後。明日からダートの調整をするらしい。あまり気乗りしないけど、頑張らなきゃ
10月○○日
勝った。勝ててしまった。芝ではあんなに甘くなっていた末脚がぐんぐん伸びて私の理想通りの展開で勝てた。トレーナーは「ようやく勝たせてあげられた。適性を見抜く目がないせいでこんなに時間がかかって申し訳なかった。」とまた謝っていたがあまり聞く余裕はなかった。私の夢のことを忘れたように目の前の勝ちに喜んでいるトレーナーに少し虚しい気持ちになった。それ以上に、ダートで勝てて喜んでしまっている自分にも気がついて嫌気がさした。芝で出来なかったことがダートでは出来た。ただ単に私には芝の適性がなかった。適性は天性のものでも、トレーニング次第では広げることはできる。でも、今まで芝前提のトレーニングをしてきて、それでも芝で勝てずダートではあっさりと勝ててしまった。それはつまり、私は生まれた瞬間から三冠ウマ娘になれないことが決まっていたんだ。夢の終わりは、あまりにも早い段階で訪れた。