人狼inキヴォトス   作:もりもりバナナ

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遅くなり申し訳ございません

また遅くなります

こっちはめちゃ亀投稿です



ガルパノグの兎編
all is better for King


 

「………」

 

シャァァァァァァ

 

流れるシャワーの音とともに、少しだけ思いにふける

 

(セリカに会いたいなぁ)

 

人狼が思いにふける時は大体セリカ(恋人)が主題になることが多い

 

(今度のデートはいつになるのか……次もデパート?それとも水族館?いや、もっと違う所に行くのもありだな……)

 

(でも仕事が片付かない限り無理なのでは?くっそ。さっさと自動化しろよあの膨大な量の書類仕事を……)

 

 

キュッ

 

人狼はシャワールームから出てタオルで体を拭き、流れるようにテレビのボタンをつけて服を着る

 

朝早くからランニングをした人狼のモーニングルーティーンだ

 

(……今日雨が降るのか…どうせ間抜けな先生のことだし傘持ってってやるか)

 

(待てよ、今日確かヴァルキューレに出張すんだったよな……先生に連絡しとくか。どうせ覚えてないだろうし)

 

過保護な性格の人狼の頭はすでに先生でいっぱいだ

 

(他にやるべき事は…無し。よし、飯はシャーレで食うか)

 

人狼の朝は早い

 

誰よりも先に出社して仕事に手をつけようとしているのだ

 

「………」

 

舌打ち一つ、愚痴一つも出したりはしない

 

なぜなら彼はこの人生に満足しているからだ

 

大好きなキャラに転生できて、そして大好きなキャラと遭遇できる

 

コレほどの幸福があるだろうか?

 

__まぁ、彼にだって嫌なことはある。書類仕事は面倒くさいし、逮捕だってされたくないから法律とかには精通しているつもりだ

 

痴漢の冤罪に巻き込まれたら真正面から対抗しようとする系の男だ

 

_ちなみに、日本の法律とキヴォトスの法律が結構違う事に驚いたらしい……ぶん殴ることが軽犯罪になっていたり

 

(…今日も代わり映えのない一日だなぁ)

 

だとしても、人には刺激が必要だ

 

人狼自身も毎日の変化のない日常に依存して、飽き飽きとしてきたらしい

 

 

ガチャッ

 

そんな人狼だが、玄関のドアを開きまた新しい一日を始めようとするのであった___

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……人狼だな?」

 

「………」

 

(誰だコイツ?)

 

扉を開けたその先にはヴァルキューレの服装をした生徒たちがいた

 

__勿論、人狼に心当たりなんかない

 

「貴様の噂はこっちにも届いてるよ。シャーレに魂を売った狼人狼だってね__私の二つ名の狂犬といい勝負じゃないか?____話はまだ終わってないぞ」

 

ヴァルキューレを無視して通勤しようと脚を進める人狼を彼女は手で静止させる

 

「…ここで話すのもなんだ。ちょっと来てくれないか?署まで

 

「………」

 

「安心しろ。令状はちゃーんとここにあるからな?」

 

彼女は懐から一枚の紙を取り出す

 

「貴様に何の罪があるのかはよく分からんが…上からの命令だ。大人しく付いてきてくれ」

 

「………」

 

 

 

 

午前5時20分

 

人狼容疑者、自宅の玄関前で逮捕

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャーレにて

 

「おっはよーん。今日はいい天気だしさっさと仕事おわらせよ………ってあれ?人狼来てないの?」

 

あまりの珍しさに若干の不安感を覚えながら、先生は首を傾げる

 

「………まっ!いつもお世話になってるし今回は私が先に仕事始めよっと__あれ?確か今日どっかに訪問するんだったよな……こんな時に人狼がいてくれたらすぐ分かったのに___」

 

「しょうがない。人狼が来たら聞こ」

 

あくまで自分では解決しようとしない。これが先生クオリティー

 

「ふんふふ〜〜〜ん♪」

 

先生は鼻歌混じりに自分の席に座り、早速業務を開始しようとする

 

もとに戻った体を嬉々として動かしながらキーボードを打ち、書類を纏める

 

ぶっちゃけ自動化出来るような物が多いが、彼は今日も愚痴をこぼさずに淡々とこなすのであった

 

 

 

「………あ、そういえば昼ご飯持って来るの忘れた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

やけに_やけにその日の会社は冷たかった

 

社員も、軍人も、同期も、部下も……そして上司(少佐)もだ

 

私は今一度上司に報告した

 

 

「…予想通り、彼は捕まったようです」

 

「………」

 

少佐殿はただ窓の外の湿った空を見つめている

 

__放心しているのように見えるし、思考を深めているようにも見える

 

「…この前のアプヴェーア(諜報機関)からの報告は正しかったようですね…ヴァルキューレがまさかシャーレの人間を捕まえるだなんて_考えも出来ませんでしたが」

 

「………」

 

その太ってたるんだ横顔には何の感情も映し出されていない

 

私は少しの不安感と共に少佐殿に警告混じりの報告をする

 

「少佐殿、ただのヴァルキューレがシャーレの…キヴォトスの要人を逮捕できるはずがありません。これは確実に何かの陰謀が___「分かっている」………へ?」

 

数年のキャリアを築いた私はいつ如何なる時でも言葉遣いは気をつけてるつもりだ

 

大学から出たときからずっとだ……それが今、打ちひしがれた

 

少佐殿のたった一言によって__

 

「………今…なんと?」

 

私は再び少佐殿に聞き出す_聞き間違いだという期待を寄せて

 

しかし、そんな淡い期待は簡単に崩壊した

 

「だから分かっていると言ってるだろう。あの人狼が逮捕?知ってるさ…ずっと前からね(・・・・・・・)

 

「………」

 

 

私にもう一度聞き返す勇気は無かった

 

無いと信じているが…少佐殿のリストに乗りたくはない

 

今までリストに乗った人間に明日は無かった

 

秀才の新入社員からプレジデントのお気に入りになり、一瞬にして上に這い上がった少佐殿には障壁が多いのだ

 

彼にとってそれらを全て無くすのは簡単だ。リストにその名を書くだけでいい

 

後は忠実な犬(我々)が行動に移す…それだけだ

 

 

「__報告はそれだけか?」

 

「い、いえ…この前ご要望されたミサイルサイロの整備が完了いたしました。後はミサイルを運ぶだけです」

 

少佐殿はニッコリと私の報告を楽しんでいる

 

「アビドス高校の連中は?」

 

「時々偵察には来ていますが……それだけです。やはり我々を警戒しているのでしょう」

 

「攻撃するなよ?あの暁の奴と戦うのは面倒だ」

 

「____暁の?」

 

「あぁ、気にしないでくれ」

 

少佐殿にはたまにこんな時がある

 

先見の明があるのだろうか?しかもよく当たる。この前のエデン条約の悲劇さえ予測した

 

まじでなんか仕組みあんだろ…とは思ってるが何かは分からない

 

「………」

 

「人狼については心配するんじゃぁない、明日面談に行くから」

 

「そういう問題じゃなくないですか?」

 

「心配するな。全て、予想通りだ」

 

「………」

 

 

 

なら、心配することは無い

 

私達はただの忠実な奴隷(イエスマン)で良いんだ

 

昔も今も_そしてこれからも

 

 

 

 

 

 

 

「さて、確か今日は会談があったよな?えっと……あぁ、思い出した」

 

「防衛室長様と…な」

 






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