公安副会長は深夜にも関わらず山奥の別荘にいた。
その自室で部屋の荷物を乱雑にキャリーバッグへと詰め込んでいた。
その額には脂汗滲んでおり何処か焦ってる様にも見える。
「クソッ‼︎ 死穢八斎會のクソゴミが‼︎ 私に火のついたダイナマイト投げ渡したまま死にやがって‼︎ もう一度殺してやりたいわ‼︎ 」
バタンっとキャリーバックの鍵を閉め急いで何処か遠くへと行こうとしたが村紗水蜜の氷よりも冷たい声音響き渡る。
「Hello、副会長……今は午前3時だ……こんな夜遅くにどちらに?」
顔は笑っているが眼は一欠片も笑っていない村紗を見て副会長は後退りしながらしどろもどろな口を開いて弁明を行う。
「や……やぁ村紗、君と私の間で少し行き違いというか誤解が生まれている様だ……そんな与太話は飯でも食べてちょっと飲んで少し語らえばちゃんと……ぐっ⁉︎」
べらべらと良く回る口を顔面に向けて振り抜いたパンチ1発で黙らせると村紗は語る。
「やかましい、聞くことなど何もない、知りたい事は知っている、祈れ、生きている間にお前が出来るのはそれだけだ」
歴戦の殺し屋を殺してきた村紗水蜜に一般人と大差ない副会長が勝てる道理など有りはしない。
無数の水の刃で細切れにして殺すとC4爆弾で別荘が吹き飛ぶ様に調節して全てのセッティングを終えてから離れて……起爆させ全てを跡形も無く吹き飛ばす。
残骸が燃え盛る別荘だったモノを見ながら帰路に着く村紗であった。
翌日。
学校にて。
「眠そうだねぇ村紗ちゃん」
午前の授業が終わり、葉隠にそう話しかけられる村紗。
村紗の眼がトロンっとしておりぽやぽやした雰囲気を醸し出しているのは睡眠不足故に。
欠伸を噛み殺しつつ雑談に興じる。
「不得意な教科の勉強に熱が入ってしまってねぇ……キリがいい所で終わらせようと思ったんだがこれが上手くいかない、おかげで寝不足さ」
教科書をトントンっと指で叩きながら笑顔でそう語る村紗。
今日の午後はオールマイトが行う初の授業だったか。
そうこうしているうちに昼休みも終わり、午後の授業が開始される。
コスチュームへと着替え終わって集合する面々。
村紗水蜜のヒーローコスチュームは水兵が着込む方の意味を有するセーラー服である、白の布地に青緑色の縁取りがされており、青緑の生地には各所それぞれに3本の白いラインが引かれている、そしてセーラー服の上には真っ黒なコートを羽織っている、頭には帽子を被っており鍔付きの白一色の膨らんだキャップで、帽子の前面に黒色の錨マークがワンポイントにあしらわれている。
左右の腰には底の抜けた柄杓を1本ずつ装着しているが穴の空いた柄杓を何に使うのかはクラスメイト一同、意味がわからない様で首を傾げていた。
オールマイト先生より説明が告げられる。
曰く、賢しい敵ヴィランは闇に潜む。
故に基礎を知る為の実戦との事で2VS2の屋内戦を行う。
制限時間15分、
ヒーローチームは『
ヒーローチームと
5分間は
そうして訓練を順々で行なっていき残す所は……。
ヒーローチーム、轟焦凍&障子目蔵チーム。
訓練がスタートして直後……。
ビルごと氷漬けにしてきた轟。
脚がガチガチに凍らされて葉隠は身動き一つ取れない……村紗は白い息を吐きながら何処か冷めた眼で部屋に入ってくる轟を見ていた。
降伏勧告をしてくる轟に対して……村紗は溜息を吐き語る。
「降伏の勧告は圧倒的に優位なポジションで、完全に逆転の目を潰してから行うべきだと言っておこう、相手の個性も何も不明な状況では、完全に逆転される可能性を摘み取りきれない、そう、例えば今みたいに」
配管から垂れている水を操作して轟の首を絞めあげる村紗。
脚の氷も半身の動きを利用して砕き割ると障子の間合に入り込み格闘戦へと縺れ込ませる。
打撃音が響き渡るが対する障子もかなり、いや……誰かに教えを請うたのか武術を収めているのは感覚で理解できた、
……だが、圧倒的に実戦経験が足りない。
故にものの5秒で押し切られてヒーローチームが敗北し……
総評となるが……ヒーロー側も
ソレに対して不平や不満はない。
そうして……初の実戦訓練は終わりを告げたのだった。