暴れん坊小町   作:クライングフリーマン

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1.見参!!暴れん坊小町

========== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

戸部(神代)チエ・・・京都府警警視。東山署勤務だが、祇園交番に出没する。

神代宗佑警視正・・・京都府警東山署署長。チエの父。

船越栄二・・・東山署副署長。チエを「お嬢」と呼んでいる。

小雪(嵐山小雪)・・・チエの小学校同級生。舞妓を経て、芸者をしている。

 

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午前9時。東山警察署。

普段着の小雪が、神代署長に頭を下げている。

「オジサン。許して下さい。チエちゃんは、私を助けてくれたんです。ストーカーから。」

「分かってるよ、小雪ちゃん、庇う『友情』はな。でも、行きすぎやろ?」

署長の言葉に、「ええよ、どうせ、ウチが悪いんヤシ。ウチは、橋の下で拾ウテ来たんやろ?いつでも、橋の下に返してくれてええで。」と、チエは向きになって言い返した。

「まあまあ。お嬢も反省しとることやし、今日はこのくらいにしといたったら、どうです?署長。」と、副署長は割って入った。

「そやけど、栄ちゃん、スズメバチに刺されたみたいなご面相やで。『ますごみ』みたいに、『加害者擁護』をしてる訳やない。『チカンアカン』や。いつも言うてるやろ?顔はアカン。ボデー、ボデー、って。」

チエは、3人を見渡して、「ハーイ、気イつけます。」と言った。

「それは、謝罪と受け取ってエエネンな、神代警部。そんなら、今回の取り調べはナシや。落すのはええが、お前が取り調べした後、いつも椅子が濡れてるんや。椅子もビニール敷くようにしたけどな。」と、署長は嫌味を込めて言った。

「単に、ビビリが多いだけや、ちゃん。」「ちゃん、言うのも止めや。わしら以外はNG!」とうとう、署長の雷が落ちた。

前日。午後7時。八坂神社。

チエは、置屋から『出勤前』の小雪と、お参りを済ませた。

参道を歩いていた2人組が、二人を襲おうと、後ろから羽交い締めをしようとした。

「何、すんねん、お前ら!!」チエは、芸者姿のまま凄んだ。

そして、自分の『担当』の男を払いのけ、小雪の『担当』の股間を蹴った。

更に、しゃがみ込んでいない方の男のズボンのベルトを素早く抜き、パンツごとズボンを下ろした。

「かぁあわいーーっぃい!!」と、チエは男の股間を指指し、大きな声を上げた。

続いて、小雪も、「かぁあわいーーっぃい!!」と、大きな声を上げた。

はっと気がつき、ベルトに手をやった男の顔にチエは容赦無くパンチを浴びせた。

ズボンをたくしあげた男の顔も、ボコボコと音が鳴る程、殴った。

小雪が110番し、二人は、知恩院方向に逃げた。

駆けつけた警察官は言った。「お嬢やな。やってくれるわ。」

翌日。午前10時。東山署警察署。ロビー。

自販機で缶コーヒーを買って、外に出ようとする小町を、副署長が呼び止めた。

「お嬢。缶コーヒー、ありがとう。ひったくり事件発生。ミニパトに急げ!」と、チエの缶コーヒーを取り上げた。

誰とも相棒を組めないし、所属もない。神代チエの上司は、事実上、副署長だ。

「了解しました。」そう言って、チエは飛び出した。

今のところ、彼女の無鉄砲を止める者はいない。検挙率完落ち率100%だからだ。

「小町」というあだ名は、京都の祭りに由来する。そう、葵祭だ。葵祭の“ヒロイン”斎王代は、平安朝の装束をまとった500人が連なる行列に十二単姿で輿に乗る未婚女性と設定されていて、その大役を見事に演じたチエは、いつしか『小町』とあだ名された。

しかし、そのあだ名は進化し、『暴れん坊小町』と呼ばれている。性格が、京都人なのに、『がらっぱち』、奔放だからだ。

陸上競技、柔道、剣道、馬術も出来ることからも、『暴れん坊』に相応しい。

今日も『犠牲者』を求めて、『暴れん坊小町』は行く。

―完―

 

 

 

 

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