とりあえず術式で何とかしようとする宿儺モドキ 作:This メェン!
ダンダダン1話を見てからジャンプ+で目を皿にして見ること数時間。ハーメルンでも読みたかったので調べたが、まさかの本筋ダンダダン0件。
みんな書こう。
「……何だ、お前。呪霊ではないのか」
月光。
薄暗い闇に満ちた廃屋の通路にて、その男は不機嫌そうに呟いた。窓から差し込む光が異様な光度に光り輝き、そして暗転。
「私たちは地球の外からやってきたセルポ星人。私たちは人類と友好的な関係を築いています」
全体的に四角い、不気味な男が3人。同時に、一言一句、全くの変わりなく発言する。
「私たちの種族は雄しか居ません。クローン技術により個体は増えていますが、これでは生物学的多様性がなく進化が行き詰まってしまいます」
この不気味な宇宙人の話を聞いて、その男は仏頂面を歪めた。
「そう怯える必要はありません。私たちの要求はひとつだけ」
左腕を縦に。右腕を横に。
「あなたの"
「く、くく。どうやら死にたいらしいな。俺の力がどれほどのものか、お前で確かめてやろう」
ピンクの短い髪が光に照らされ、柔らかく光る。男は姿勢を下げ、走り出す体勢を取ると__
消失。
疾風が通路を駆け抜けたとセルポ星人は錯覚した。
「! あの地球人は一体どこへ__ッゴガ」
「鈍い」
溢れる呪力の操作。己の魂より氾濫する莫大な呪力による身体強化は、セルポ星人の知覚範囲を瞬く間に引きちぎった。
3体のうちの1体、打撃により身体の大部分を消し飛ばされ、死亡。拳の衝撃は廃屋を壁ごと吹き飛ばした。
「そして脆いな」
「「セルポ式測量法! あなたは少し危険すぎます」」
セルポ星人から放たれた不可視の衝撃。空間の再解釈による指向性を持った運動エネルギーが、男を吹き飛ばす。
「撤退しなくては。あの地球人の速度。未知のエネルギーを感じます。アレを捕獲するには仲間が必要で__」
「解」
音も振動も何もなく。
暗闇から呟かれたその一言にて、此度の闘いの結末は呆気なく定まった。
「な に ?」
セルポ星人2体、飛来した超速の斬撃にて切断。三枚に下ろされ敗北が確定した。ポケットに手を入れ、つまらなそうに男は吹き飛ばされた方向から歩いてくる。
「つまらんな。俺の今の力は本数にして4本程度か」
男の名前は両面宿儺。ただし中身は若干別物である。
凡人程度の精神では、その転生特典を御するには些か弱すぎた。一応なりとも上位世界の魂が故に、多少は元の自我の残滓が残っているが、凡人の魂は転生特典:両面宿儺に食い潰されてしまったのだ。
この場に居るのは善人寄りのライトオタクの精神が混じった両面宿儺モドキ。しかも虎杖ボディである。
宿儺モドキが立ち去った後。セルポ星人たちの壊れた残骸が異音を放ち、そして一瞬光り輝いたあと沈黙した。
▽
「おい、お前! 今肩ぁぶつけてきたよなぁ?」
「……」
「っ聞いてんのか! あぁ!?」
道行く人々の合間に、1つの騒乱が起ころうとしていた。肩を掴まれ、ようやく宿儺はその煩わしい存在に気が付いた。
「何だ。お前のような塵芥に掛ける時間はない。去ね」
「はぁ? あーあ、てめぇ立場わかってねぇみてぇだけどよぉ」
「……頭が高いな。頭を垂れろ」
「は__げふぇッ!?」
大柄な男は気付けば地面に頭をめり込んでいた状況を理解できなかった。何だ? 何が起こった? いくら考えても自分より弱そうなものを攻撃することでしか自己を保てない凡人にはわからなかった。
宿儺モドキは血が出ておらず、全く手を下さずにそれを為せたことに満足感を覚えた。
宿儺モドキは現代社会を生きるために、少しは妥協してやろうと考えていた。手を出しているところを見られればアウト。四肢の欠損や身体の一部を切り落とすこともアウト。
ならば見られず、そして血も出ない方法で不快なやつを踏み潰せばいい。
五条悟の無下限の壁を破るために魔虚羅を利用してようやく編み出した至難の神業。世界斬とは比べ物にならないほど簡単なものだ。
術式そのものの威力の縮小。切れ過ぎる斬撃を、何者も切れない錆びた打撃へ。
術式縮小、と言ったところか。
「あ、あぁ? 何しやがった!」
「少し弱めすぎたか」
不可視の打撃。線の打撃は大気をたわませ、顔を上げたチンピラを再び地面に叩きつけた。
白目を向いて倒れたのを確認し、ついでに財布の中身を奪ってまた悠々と歩き始める宿儺モドキ。何だかんだ、社会に馴染んでいるのかいないのか。
転生して数時間。
まだ夜は明けない。
怪異関係全部泣いた。あとシュメールのおばちゃんのシーンなんてずっと号泣してました。
続きません。