とりあえず術式で何とかしようとする宿儺モドキ   作:This メェン!

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なんか生えてきちゃいました。タグに追加しとこうかな。

そのうち宇宙人を乗っ取ったSCPを更に呪った妖怪、なんて最低な三位一体が生まれるかもしれませんね。




呪いの王VS ??? 096≠メリーさん

 

 

 

「ちょ、宿儺!? そいつウチの知り合いだから! よくわかんないけど殺さないでね!?」

「わかっている」

 

 叩き伏せたターボババア。そのおどろおどろしい気配は脚売りババアに似通っており、陥没した床でゴキゴキと動き始めようとしている。

 

「とりあえず、アイツをオカルトくんの中から、吹っ飛ばす__って、あれ、? 力が、出ない!?」

 

 綾瀬桃がターボババアの呪いに近づき、両手を構えて引っ張るようにするが何も起こらない。

 

「大方貴様の中のセーフティでも働いたのだろう。もう一度危機に瀕すれば覚醒するか?」

「やめぇぇぇい! 宿儺の殴りとか死ぬわ! フツーに!」

「貴様のやりたいことはあの小僧から呪いを弾くことだな?」

「え? うん。だけど今のウチじゃ力が__」

「面白いものを見せた礼だ。助けてやる」

 

 __小僧にできて俺にできない道理はない。

 

 忌々しいことこの上ないが、あの攻撃はこれ以上なく受肉体の俺に最適な手段だった。知覚する魂の形。

 

 燃え盛る炎のように揺らめく魂。それを包み込むように存在する気色の悪い赤黒の魂。

 

 この世界の魂の形は変わっているな。だが関係ない。

 

 

 

 

 詠唱に伴い放たれる斬撃。それは物質を切り裂くことなく、オカルトくんとターボババアの魂の隙間を断つ。

 

 魂の境目に放つ解。虎杖悠仁にできて、宿儺にできないことはないのだ。

 

 

 解に魂を切り離され、オカルトくんの中から赤黒く醜悪な姿が現れた。赤黒く、重たい雰囲気を垂れ流すそいつ。

 

「……何もんだてめぇ」

 

 うごぁぁぁ!!!

 

 未だに呪いの紋様が浮かび、苦しんでいる小僧。喧しいな。

 

 

「なんで、呪いが解けてない!? ババアはオカルトくんの身体から弾かれたはずなのに!」

「この小僧に呪いを掛ける媒体を持っているのだろうな」

 

 釘崎野薔薇。忌々しい鄒霊呪法を思い出す。恐らくヤツの術式と手順はそう変わらない。

 

「っへ。当たりだぜ色男。こいつのイチモツはワシが持ってんだよ。返して欲しけりゃトンネルに来な。ここじゃワシには遠すぎる」

 

 にぃ……!

 

 巨大に歪んだ瞳をくねらせ、鷲鼻を広げるターボババア。徐々に身体が消えていき、

 

「ケバイババアは来るんじゃねぇぞ」

 

 そう言い残して完全に掻き消えた。

 

 

「誰がケバイババアだクソババア! こいつのアソコ返__っふぎゃ!」

 

 

 爆発する宇宙船内部。チカチカと点滅する光。感じられる浮遊感。UFOは度重なる衝撃、破損によって墜落し始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 子守りは終えた。

 

 面倒なことは早めに処理するに限るな。

 

 宿儺は墜落していくUFOをくり抜き、外へ脱出。そこから繁華街に繰り出し、今日は中国の料理を食べるつもりだったので餃子を食べることにした。

 

 後のことは力に目覚めた小娘が何とかするだろう。できなければ、死ぬが……それは小娘がその程度だったということ。

 

 帰りに覗いて、死の淵なら反転術式を施してやる。

 

 宿儺としてはこのくらいの心持ちで、異国の料理を楽しみにしていた。

 

 

「「「「「「私、メリーさん」」」」」」

 

 

 が、しかし。

 

 呪いの王というあまりに強すぎる因果はあらゆる運命を惹き寄せる。呪いとは全く異なるのに、何故か近しい負の力。

 

 呪力を求めて呪いが集う。

 

 

「「「「「「今、あなたの周りに居るの」」」」」」

 

 

 気付けば黒き夜の中。全てが色褪せ、白黒な空間に幼い少女の声が響き渡る。繁華街にある電光掲示板や映像媒体は幼い白いワンピースの少女を写し出し、宿儺を無数に取り囲むメリーさん。

 

 

「興が乗らんな」

 

 

 冷酷な表情で宿儺はそう呟いた。

 

 

 本来の工程全てを吹っ飛ばし、メリーさんはやってきた。だが1人だけ顔を隠し、異様に細長い手足を露わにしている。

 

 宿儺は取り囲むメリーさんをぐるりと一望し、

 

 

 そう一言呟いた。不可視超速、無数の斬撃。間が悪く宿儺に遊んでもらえることすらできず、無数のメリーさんはその腕を切り落とされ__特異なメリーさんは宿儺に顔を見られた。

 

 

「見られた」

「見られた」

「見ちゃった」

「見られちゃったね」

「ふふ」

「ふふふ」

「あは」

「抑え込んでたのに」

「呑み込んでたのに」

「あーあ」

「内気で陰気で、酷く恥ずかしがり屋(シャイ)な子」

「お顔見られて泣いてるみたい。私たちの代わりに、メリーの中から追い出して?」

 

 

 衝撃。

 

 宿儺は気付けば反射的に構えていた左腕を爆散させながら、正熊市の繁華街から神越市の上空にまで吹き飛ばされていた。

 

 

「ッ!」

 

 

 俺が認識できない速度での攻撃__白い影? 無下限呪術による蒼の瞬間移動と同等の速度か?

 

 

 上空に吹き飛ばされた宿儺に追撃を仕掛けようと数十kmの直線距離を即座に詰めるメリーさん__否。

 

 

 細長い白い手足。餓鬼のようにやせ細った胴体。伸び切った長い顎。

 

 月下の下、その姿が露わになる。

 

 SCP-096。オブジェクトクラス:Euclid。

 

 危険すぎる宿儺の存在は早期に宇宙人の間に共有された。危険で、物騒で、そして今まで観測したどの力にも当てはまらない未知のエネルギー。

 

 宿儺争奪戦に勝つべく、未知の力を手に入れようと次元に干渉した宇宙人は厄介なものを呼び寄せた。都市伝説に、妖怪に、悪魔に、精霊に。宇宙人の見地による誤った召喚術は、誤った対象を召喚した。

 

 

 呪力を求めて呪いが集う。

 

 しかし、それは何のためなのか。助けを求める切り裂かれた白いワンピース。死んでも死なない無数のメリー。

 

 顔を見られたものは消えず、白き暴虐は動き続ける。

 

 

 

 







指は現在4本分。そろそろ指を解放しないとやばいぞすっくん。

これを乗り越えれば白髪金眼少女が仲間に!

SCP-096『シャイガイ』

SCP_foundationはクリエイティブ・コモンズ表示-継承3.0ライセンス作品です(CC-BY-SA3.0)
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