ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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もう100話か……


襲来

 

 

 

 

 

「ファイズ……? なんだそれ」

 

 

兵士の要求を聞き、すっとぼけるタクミ。

 

 

「言っておくがしらばっくれない方が身の為だぞ。貴様がベルトを所持している事はとっくに分かっている」

 

「……!」

 

「ちょっとアンタ!」

 

 

兵士とタクミの会話に猫又が割って入る。

 

 

「どこの誰だか知らないけど、あたしとタクミは郊外に遊びに来ただけなの! 治安局に通報するぞ!」

 

「小娘は黙っておけ──おい小僧。素直にベルトを渡せば、無傷で帰してやる」

 

「無傷、ね」

 

 

タクミは左手のアタッシュケースに目をやり、次に兵士の方を見る。

 

少しの間無言の睨み合いが続き────

 

 

「……!? おい、上空になんか飛んでるぞ!」

 

「……」

 

 

タクミが突然そう叫ぶが、兵士は全員視線を動かす事すらもしない。

 

 

「……貴様、そんな子供騙しが通用するとでも────っ、何!?」

 

 

兵士の言葉を遮るように機関銃の音が鳴り響く。

 

タクミの『なんか飛んでる』という言葉は嘘では無い。実際にオートバジンがタクミ達を援護すべく飛来していた。

 

簡単には信じないであろう彼らの裏をかき、タクミはあえてわざとらしくそう言ったのだ。

 

兵士達を攻撃するオートバジンを盾に、タクミはファイズドライバーを装着する。

 

 

[5・5・5][Standing by…]

 

「変身!」

 

[Complete]

 

 

コードを入力したファイズフォンをセットし、タクミはファイズに変身した。

 

 

「猫又!」

 

「っ、何?」

 

「ニコ達のところに戻れ! コイツらの狙いは俺だ!」

 

「で、でも……!」

 

「遠くない内に向こうも襲撃を受けるかもしれない。俺はこいつらの相手をする! 後で合流するから、早く戻ってこの事を知らせろ!」

 

「わ……分かった!」

 

 

猫又は混乱の隙に乗じて逃げて行く。それを見届けたファイズはオートバジンのスイッチを押す。

 

 

[Vehicle Mode]

 

 

バイクに変形したオートバジンに乗り、ファイズは走り出した。

 

 

「くそっ──待て!!」

 

 

兵士達もバイクに乗り、ファイズを追いかけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃ブレイズウッドでは、ニコ率いる邪兎屋は窮地に立たされていた。

 

パールマンを引き渡す為に、ニコは対ホロウ事務特別行動部第六課……通称『対ホロウ六課』のメンバーを郊外まで呼んだ。

 

 

六課の課長であり、『虚狩り』の一人である星見雅。

 

副課長で部隊の指揮を務める月城柳。

 

高い洞察力を持つ斥候、浅羽悠真。

 

戦闘員の鬼族の少女、蒼角。

 

 

審問を経て、彼から全ての情報を引き出した六課。しかし、『ブリンガーがグルである』と断定するには証拠が足りないらしい。

 

もっと踏み込んだ調査を行うために、六課はもう一人の証人として、プロキシであるリンを連行する必要があると、副課長の柳はそう言った。

 

ニコは彼女は無関係だと言うが、六課は引き下がらない。

 

一触即発の空気がそこには流れていた。

 

 

「……『邪兎屋』のニコ。プロキシを引き渡せ。この者が悪でなくとも、真相に迫る何かを持つ可能性がある。我らの支援が欲しくば、協力しろ」

 

「……!」

 

 

雅が放つ威圧感にニコは狼狽える。しかしニコとしても、プロキシを巻き込むような真似はしたくない。

 

 

(……こうなったら、プロキシだけでも──)

 

「ニコ!!」

 

「?」

 

 

張り詰めた空気が一人の少女の声によって霧散する。声がした方を見れば、猫又が非常に切羽詰まった様子こちらの元へ走って来ていた。

 

 

「……猫又? どうしたのよ」

 

「た、大変だ……! タクミが、武装したヤツらに狙われてる!」

 

「……え!?」

 

「ここにいちゃ危ない! アイツらももうすぐ──」

 

 

猫又がそう言った瞬間、銃弾の雨が辺りに降り注ぐ。

 

 

「おわぁっ!?」

 

「──制圧射撃のリズム……ニコ、敵は私達を包囲しようとしてる……!」

 

「……っ、お武家ギツネ! アンタまさか刺客を用意してたの!?」

 

「こちらの台詞だ、『邪兎』のニコ────フッ!!」

 

 

雅はパールマンに向かってくる弾丸を妖刀・無尾で残らず斬り捨てる。

 

しかし銃弾の雨は止まない。その時、パイパーの乗ったトラックがリン達の前に横切るように停車した。

 

 

「プロキシ、邪兎屋! 乗りな!」

 

「ありがとうパイパー! 皆、こっちだよ!」

 

 

隙を見て、邪兎屋とリンはパールマンを連れて2台のトラックに乗り、この場を去って行った。

 

 

「待て──!!」

 

「! 課長!?」

 

 

雅は銃弾の雨を掻い潜り、走っていったトラックの後を追いかけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして郊外にて。

 

二台のトラックは武装兵士達が乗るジープとバイクと盛大なカーチェイスを繰り広げる事となった。

 

彼らを撒く為、あえて路面状態が悪い道を選んだが、それでも兵士達はしつこく追ってくる。

 

 

「くっそぉ、これじゃわざわざ悪路を選んだ意味が────ってうぉぉ!?」

 

「にゃぁっ!! は・な・れ・ろっ!!」

 

 

ビリーが運転するトラックの窓から兵士が入り込む。同乗している猫又とニコが追い払おうと奮闘する。

 

 

「ふっ!!」

 

「ぐわぁっ!?」

 

 

一方パイパーの運転するトラックでは、車体の上に登ってきた兵士達をアンビーが蹴散らしていた。

 

このトラックにはパールマンが同乗している。今、彼に危害が加わるような事があってはならない。

 

そして兵士を大方蹴落とした後。アンビーは後方から何かが飛んで来ていることに気づく。

 

 

「……あれは……」

 

「っ!? 親分!! 後ろからなんか来てるぞ!!」

 

「なんですって!?」

 

 

その飛行物体の正体は、白い強化スーツを身にまとっている人間だった。強化スーツの人間はこちらを視認したあと────

 

 

「!! こっちに来る……!」

 

 

目にも止まらぬ速度で、こちらへと襲いかかってきた。

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