郊外の荒野を疾走する複数のバイク。
ファイズが乗るオートバジンを兵士達のバイクが追いかけていく。
兵士が複数人乗っているジープも合流し、後ろからファイズのバイクに飛び乗ろうとする。
「ベルトを渡せ!」
「なっ……おいこら離れろ!!」
急に兵士が飛び乗り体勢を崩しそうになるも、なんとか立て直し兵士に対して肘打ちをお見舞いした。
それにより兵士の一人が引き剥がされ、後ろに吹っ飛ぶ。
しかし、それに構わず次々と兵士が襲いかかってくる。
バイクに乗りながら投げ飛ばし、殴り飛ばし、蹴り飛ばしてを繰り返し兵士を引き剥がすが追手はしつこくファイズを追いかけてくる。
「諦めろ……大人しくベルトを引き渡せ!」
「……!」
このままではキリがないと判断したファイズはとある行動に出る。
追手を撃退するためにファイズは────
「!?」
なんと突然ブレーキをかけた。
急に減速した事により、オートバジンは真後ろを走っていたジープにそのまま激突。物理法則に従い、バイクは乗っていたファイズごと宙を舞う。
[Battle Mode]
ファイズはスイッチを押し、オートバジンを空中で人型に変形させる。
そしてファイズはそのままジープの上へ着地したのち……すぐさま乗っていた兵士達を蹴散らし始めた。
「ハァッ!! オラァッ!!」
「うぉっ!?」
「ぐわぁっ!?」
一人残らず兵士をジープから蹴り落とすファイズ。バイクに乗っていた兵士が銃を構えるが──
「ぐぉおあ!!」
「どわぁぁあ!!」
「ナイスだバジン!」
変形した後、空を飛んで追従していたオートバジンがバイクのタイヤに攻撃。
兵士はバイクから放り出され遥か後ろに吹っ飛んでいった。
追いかけていた最後のバイク二台も、ついに振り切る事に成功した。
「……撒いたか?」
もう誰も追いかけて来ないのを確認したファイズはジープを停める。
念の為にオートバジンからファイズエッジを引き抜き、迎撃が出来るよう準備をする。
「……撒いたみたいだな」
ひとまず危機を乗り越え、ため息をこぼすファイズ。それにしても、なぜベルトを所持しているのがバレたのだろうか。
そんなことを考えていると、遠くである光景が目に入る。
「あれは……」
ファイズの目に入ったのは、二台のトラックと先程交戦した兵士達が追いかけっこをしている様子だった。
そして兵士の一人が高台の上から────なんとロケットランチャーをぶっ放した。
走行するトラックに向かって飛来するロケット弾。
「…………!!」
[Complete]
ファイズはアクセルメモリーを装填し、アクセルフォームに変身。
スタータースイッチを押し、全速力で走り出した。
[Start Up]
このままではトラックにロケット弾が直撃してしまう。恐らくあのトラックにはリン達が乗っているはずだ。
(…………っ!!)
体の負担を無視し、最高速度で疾走する。
[Three, Two]
そしてファイズはトラックを追いかけるロケット弾の前に現れ──
[One]
「ハァァッ!!」
持っていたファイズエッジで、一つ残らず真っ二つに切り裂いた。
切り裂かれたロケット弾はそのまま墜落し、爆発。
ファイズは走っていくトラックの方を見る。運転席の窓からパイパーが腕を出してサムズアップをしているのが見えた。
兵士達は、逃走するトラックを引き続き追いかけて行った。
[Reformation]
「……?」
先程交戦した際の喧騒はどこへやら、荒野に一人ポツンと佇むファイズ。
こちらを認識していながら、兵士達はどういう訳かファイズを無視してパイパー達を追いかけて行った。
(……ベルトを狙ってたんじゃないのか?)
ひとまず置いてきたオートバジンを呼ぶために、ファイズフォンを取り出そうとする。
ゴォォォオ……!
「?」
その時、ジェット音が空の方から聞こえてきた。
この音はオートバジンでも、ジェットスライガーでもない。ファイズは空を見上げる。
そして飛行物体の正体を目にする。
白いボディ。
青いフォトンストリーム。
紫色の複眼とコア。
「……! お前は……」
今まで見た事の無いタイプの強化スーツを纏った何者かが、地面へと降り立った。