ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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目的

 

 

 

 

 

 

「乾……巧?」

 

「ああ、それが俺の名前だ。どうやら、お前には色々と説明しなきゃならないみたいだな」

 

 

乾はファイズのベルトについて、そしてタクミの身に起こったことについて説明をした。

 

 

「──んで、ここは郊外の隠れ家ってやつだ。さっきも言った通り、白いヤツからお前を引っぺがしてここまで連れてきた」

 

「……この包帯も乾さんがやってくれたんですか?」

 

「そうだ。重傷ってわけじゃなかったから、こっちで応急処置をさせて貰った」

 

「……ありがとう、ございます」

 

「気にすんな。それにしても──本当に何も思い出せねーのか?」

 

「は、はい。なんか、頭の中にモヤがかかったみたいに思い出せなくて……」

 

 

その言葉を聞いて、乾は再び考え込む。恐らくサイガとの戦闘で記憶を失ってしまったのだろうと推測した。

 

 

「……そうだ、お前スマホは持ってるか?」

 

「スマホ?」

 

「ああ、お前の知り合いに連絡をしたい」

 

 

タクミは言われるがまま、ズボンのポケットからスマホを取り出す。しかし──

 

 

「……」

 

「……コイツは、使い物になんねーな」

 

 

タクミが取り出したスマホは画面がバキバキに割れてしまっていた。

 

 

「す、すいません」

 

「謝らなくて良いさ。とりあえず、本題に入るぜ」

 

 

乾はタクミを襲った傭兵集団の事について話し始めた。

 

 

「まずだ。お前を襲ってきた白いヤツ……ソイツはファイズのベルトを持ち去っちまった。それを取り返さなきゃならない」

 

「……その白いヤツってさっき言ってた、武装集団の仲間ですか?」

 

「多分な。俺も、その傭兵どもにデルタのベルトを狙われた事がある」

 

「……なら、今ソイツらはどこに……」

 

「それについては目星が付いてる。アイツに出くわした時、どさくさに紛れて小型の発信機をくっつけたんだ。それによれば、奴は今バレエツインズにいる」

 

 

乾は荷物をまとめながら、そんな事を言う。タクミは彼に尋ねる。

 

 

「えっと……何してるんですか?」

 

「今からバレエツインズに乗り込む。ファイズのベルトを取り返すためにな」

 

「! な、なら僕も……!」

 

「やめとけ。ファイズのベルトは今ここには無いし、今お前は軽傷とは言え怪我を負ってるんだ。しかも記憶喪失のおまけ付きでな」

 

「お、お願いします! 僕には、誰か助けなきゃいけない人がいる気がするんです!」

 

「……助けなきゃいけない人?」

 

「はい。何も思い出せないけど……このまま大人しく待ってたら、絶対後悔する気がして……!」

 

「……」

 

 

乾はタクミの言葉を聞いて少し考えた後、こう言った。

 

 

「……少し待ってろ」

 

「え?」

 

 

乾は荷物を置き、部屋を出ていった。しかしすぐにタクミの元へ戻ってくる。

 

彼は右手にアタッシュケースを持っていた。

 

 

「……それは?」

 

「『カイザ』のベルトだ。こいつはあんまり使わせたくは無いんだけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃。

 

プロキシとホロウ六課は、バレエツインズにて立ちはだかる兵士たちをなぎ倒しながら進んでいた。

 

そうしていくうちに、パールマンの手がかりが得られるであろう場所に辿り着いた。

 

 

「着いた、傭兵たちの連絡地点はここだよ。ここで手がかりが得られるかも」

 

「……妙ですね。ここのエリア、まさか見張りの一人もいないとは」

 

 

柳の言う通り、連絡地点にはここにたどり着くまでは沢山いた傭兵が一人もいなかった。

 

 

「……我らに有利なら、それでもいい」

 

「それじゃあ、ここのデータベースを解読してみるね。ちょっと待ってて」

 

「……ん? あれれ!?」

 

「? 蒼角、どうしましたか────え?」

 

 

蒼角達は部屋の入り口の方に誰かが立っている事に気が付く。

 

 

「……え?」

 

「……おかしいな。僕の目が侵蝕されてなければ、目の前にいるの……タクミくんじゃない?」

 

「警告。目の前のターゲットから強いエーテル反応を検知しました」

 

「……という事は、彼は……!」

 

「ドッペルゲンガー、か」

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女達の目の前に現れた『タクミ』は、ファイズドライバーを装着している。

 

タクミはファイズフォンを開き、コードを入力する。

 

 

[5・5・5][Standing by…]

 

「……変身」

 

[Complete]

 

 

そしてバックルにフォンをセットし、タクミはファイズへと変身した。

 

 

「あのドッペルゲンガー……前にロビーで見た……!」

 

「プロキシ。お前はデータベースの解読に集中しろ」

 

 

雅は妖刀を鞘から引き抜き、目の前のファイズに向ける。

 

柳達も、同じく戦闘態勢に入った。

 

 

「──本物でないのなら、この刀で斬り裂くのみだ」

 

「…………」

 

[Ready]

 

 

ファイズはファイズショットを装備し、雅達に向き直る。

 

そして──左手首のファイズアクセルからアクセルメモリーを取り出した。

 

 

「? 何だ、あれ」

 

「警告。ファイズがアクセルメモリーを介して変身するアクセルフォームは、十秒の間通常の千倍もの速さで移動する事が可能な形態です」

 

「せんば……!? 何それ、ずるじゃん……」

 

「……柳、悠真、蒼角。お前達はプロキシを守れ」

 

「課長!? まさか一人で……」

 

「問題はない。覚悟は良いか──『ファイズ』」

 

 

雅は無尾を構える。雅ならば、上級エーテリアスどころか要警戒相手ですらも一捻りだろう。

 

 

「……」

 

 

しかしファイズはそれに動じることもなく、アクセルメモリーをファイズフォンに装填した。

 

 

[Complete]

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