ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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サイガ

 

 

 

 

 

 

「乾さん……アイツがファイズのベルトを?」

 

「ああ」

 

 

カイザとデルタは突然現れたサイガに対し、最大限の警戒態勢をとる。

 

 

「……まさかアンタから会いに来てくれるとはな。俺達もちょうどアンタに会いたかったんだ──ファイズのベルト、返してもらおうか」

 

「…………」

 

 

デルタの言葉にサイガは何も返さなかった……が、眉間を抑える仕草をした後に、フライングアタッカーを起動しデルタへと襲いかかった。

 

 

「!」

 

「乾さん!」

 

 

そのままサイガとデルタの肉弾戦が繰り広げられていく。両者ともに高い戦闘スキルを持っているが故に、どちらが先に膝を着くかは分からない。

 

 

[Ready]

 

「ハアッ!!」

 

 

カイザはカイザショットを装備し、デルタに加勢する。二対一の攻防、さすがにサイガが不利かと思われたが──

 

 

[Ready]

 

 

サイガは戦いの最中に、ミッションメモリーをフライングアタッカーの操縦桿に装填。

 

背中のバックパックが取り外され、二本のトンファーエッジが姿を現した。

 

バックパックが外れ、身軽になった事によりサイガの動きが先程よりも早くなる。

 

 

「フッ! ハァッ!!」

 

「ぐっ……! タァッ! オラァッ!!」

 

 

二本のトンファーエッジで二人の攻撃を難なくいなし、倍返しと言わんばかりに青い刀身で斬りつけ反撃をしていく。

 

そして先程の拮抗ぶりはどこへやら、二人を圧倒していくサイガ。

 

 

「ハァッ!!」

 

「うわぁっ!!」

 

 

サイガはトンファーエッジを振りかざし、二人を吹き飛ばした。

 

息も絶え絶えに起き上がる二人。カイザの方は怪我をしているのもあり、再び体力の限界が近付こうとしていた。

 

 

「…………」

 

 

サイガは二人を一瞥した後、サイガフォンを開きENTERキーを押す。

 

 

[Exceed Charge]

 

 

トンファーエッジの青い刀身にフォトンブラッドがチャージされる。サイガはそれを構え、ゆっくりと二人の元へ歩いていく。

 

デルタはデルタフォンをベルトから取り外し、トリガーを引きながらマイクロフォンに向かって音声入力をする。

 

 

「……スリーエイトツーワン」

 

[Jet Sliger, Come closer]

 

「!」

 

 

デルタが音声入力をした瞬間、サイガの後ろにジェットスライガーが出現。

 

そのままサイガを後ろから吹っ飛ばし、デルタ達の元で停止した。

 

 

「乗れ、タクミ!」

 

「……っ、はい!」

 

 

二人はジェットスライガーに乗り、エンジンの轟音と共にバレエツインズのビルを飛び出して行った。

 

サイガは飛び去っていくジェットスライガーを忌々しく睨む。フライングアタッカーを再装備し、二人の後を追いかけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──おい」

 

「……あら? どうしたの?」

 

 

雅がいる護送車にて。先程まで全く喋らなかった雅がここに来て口を開く。

 

同乗していたブリンガーの結託者であるサラは、雅がこれからする質問を察したようだった。

 

 

「いつまで芝居を続けるつもりだ? なぜこの護送車はヤヌス区へ向かっている?」

 

「……やはり気づいていたようね。でも、良いのかしら? 随分と余裕そうだけど」

 

「お前達の目的が何であれ……私の脅威では無い。それに、お前達の近くに居た方がこちらとしても都合が良い」

 

 

雅は体の自由が効かない状態でも、汗ひとつかくことはない。

 

実際、雅ならばこの程度の拘束は造作もない。その気になれば、護送車を乗っ取ることさえ可能だろう。

 

サラは鞘に収まった妖刀・無尾を手に持ちながら呟く。

 

 

「脅威ではない……ね。まあ確かに、貴女の言う通り。この刀が例えナマクラでも……星見雅、貴女程の天才なら何の問題もなく扱えるでしょうね」

 

「……貴様、何が狙いだ」

 

「まだ気づいてないの? そうね……千面相って言えば、分かるかしら」

 

「!」

 

 

雅は目を見開く。かつて、対ホロウ六課は千面相の手により、VRシステムの仮想空間に閉じ込められた事がある。

 

 

「彼らはしくじったけど──貴女が同期したモデルデータは入手した」

 

「……! まさか──」

 

「そうよ。私達の狙いは、貴女……そしてこの妖刀なの……!」

 

 

サラは鞘の電子指紋認証に親指をかざす。

 

本来サラのような部外者には、鞘から刀を引き抜く事は出来ない。

 

しかし、先程言っていた雅のモデルデータを使用する事で、それを可能とした。

 

そして雅が止める間もなく──サラは鞘から刀を引き抜いた。

 

 

「……!! やめろ、無尾を放せ────!!」

 

「確かに、貴女にとっての脅威なんてものは無い……だったら、貴女自身が脅威になるなんてのはどうかしら?」

 

 

無尾の刀身から、膨大なエーテルエネルギーが溢れ出す。

 

妖刀に刻み込まれた血肉、無念、怨念、執念……燃え盛る狐火と共に、雅の精神は蝕まれていく。

 

 

「ぐっ…………!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『斬れ……斬り裂くのだ』

 

 

 

 

『斬れ。さすれば、ぬしの身は解放されよう』

 

 

 

 

『全てを斬れ────!!』

 

 

 

 

絶え間なくこだまする声。

 

 

 

「……私、は」

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