ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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再会

 

 

 

 

 

サイガが落ちていくのを見届けた後、サイドバッシャーに乗ったカイザは人目のつかない所に着地する。

 

するとカイザの元にデルタがやってきた。

 

 

「タクミ、大丈夫か?」

 

「僕は大丈夫ですよ。あ、でもアイツにファイズのベルトの場所聞かないと」

 

「今は大丈夫だ。ひとまずは撤退して、今後の作戦を練ってくぞ」

 

「そうですね」

 

[Vehicle Mode]

 

 

サイドバッシャーをビークルモードに変形させ、出発の準備をする。

 

そして変身を解除しようカイザフォンを開いたその瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『雅さん、雅さん! 目を覚まして!!』

 

『ダメです、リンちゃん! 今の彼女に近付いては!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

どこからか声が聞こえてくる。

 

その声は、彼にとって()()()()()ものだった。

 

 

「タクミ? おい、どうしたんだ?」

 

「……乾さん。()、ちょっと行ってきます」

 

「は? どこに──ちょ、おい! 待て!!」

 

 

乾の制止を振り切り、カイザはサイドバッシャーのエンジンをかけ、声がする方へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「ダメ……雅さん、完全に刀に呑まれちゃってる……!!」

 

 

演説会場に現れた雅。彼女の精神は暴走した無尾によって蝕まれてしまっていた。

 

会場は既に大混乱へと陥ってしまっている。朱鳶達は雅をデッドエンドホロウへと誘導し、なんとか市民への被害は防いだ。

 

しかし、人斬りと化した彼女を止められる者は居なかった。目に入ったエーテリアスを片っ端から斬っていくその姿は、まさしく修羅そのものだった。

 

 

「……っ、リンちゃん、貴方は逃げてください……私が、雅を止めます……!」

 

「! だ、ダメだよ朱鳶さん! 朱鳶さんだけ置いてけない!」

 

 

『斬…………わた……シ……はっ……!!』

 

 

雅も乗っ取られるまいと抗っているのか、自身の体を抑え込みながら動きを止める。

 

雅とて、罪の無い人間を傷付けることは絶対にしたくない。

 

しかしそんな彼女を嘲るかのように、無尾に纏う狐火の勢いは増していく。

 

 

『ぐ……が……ぁっ──!!』

 

「っ!!」

 

「朱鳶さん!!」

 

 

無尾を構え、朱鳶を睨んだ後──雅は彼女へと襲いかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[Ready]

 

「────え?」

 

 

その時、朱鳶と雅の間に人影が割って入った。

 

 

 

 

そして彼は──カイザは、手に持ったカイザブレイガンの刀身で、雅の刀を受け止める。

 

 

「朱鳶さん!! プロキシ!! 早く逃げろ!!」

 

「……!? タクミ……!?」

 

 

カイザは後ろの二人へ叫ぶ。見慣れない仮面の奥から聞こえるその声は、二人にとって聞き覚えのあるものだった。

 

無尾の刀を防ぐカイザ。雅とカイザを中心に、狐火が激しく燃え盛っていく。

 

 

「…………!!」

 

「タクミくん!!」

 

 

持てる全ての力を発揮し、雅の刀を受け止める。無尾が放つ強大なエネルギー。

 

カイザは思わず膝をつく。

 

しかし、決して手の力を抜きはしない。

 

そして受け止め続けること十数秒。二人を包んでいた狐火が少しずつ小さくなっていく。

 

 

『…………』

 

 

刀に入っていた力も徐々に弱くなっていく。

 

 

「……っ私、は……お前、たち、の……!!」

 

「……!」

 

 

雅は自身の力で無尾の刀身を鞘に収めていく。

 

その瞬間、先程の光景が嘘かのように、刀から放出されていた狐火はなりを潜めた。

 

そして雅は糸が切れたかのように、その場はへたり込む。地面へ倒れようとしていた彼女をカイザは受け止めた。

 

 

「タクミくん! 雅!」

 

 

二人の元に朱鳶とプロキシが駆け付ける。

 

 

「雅さん! タクミ!! 怪我は!?」

 

「俺は大丈夫だ。えっと、この人は──」

 

「私は、大丈夫……だ」

 

「雅!」

 

 

雅は周りを見渡した後、カイザの方を見る。その後彼女は心底安心したような表情を浮かべた。

 

 

「……お前が、止めてくれたのだな。ありがとう……」

 

「……!」

 

「お前達がいなかったら……私は、大切な人を……この刀で傷付けてしまうところだった」

 

「…………」

 

 

刀を抱きながら、雅は弱々しくそう言う。カイザは何も答えず、雅の言葉にただ耳を傾けていた。

 

 

「タクミ! タクミは大丈夫なの!? さっきの事もそうだけど、攫ったヤツに何もされてないよね!? それに、その格好は……?」

 

「あー……それは、色々あったんだよ。まあ、見ての通り俺は無事だからさ。安心して欲しい」

 

「安心なんて出来ませんよ。タクミくんが攫われたって聞いた時、ずっと気が気で無かったんですから」

 

「……それについてはすいませ────ちょっと待って朱鳶さん今俺の事なんて呼びました?」

 

「え? 『タクミくん』って……」

 

「え……?」

 

 

カイザは朱鳶とプロキシを交互に見る。仮面越しではあるが、驚愕しているのがその様子から見て分かった。

 

 

「……えっと、タクミ。これには色々理由があって──」

 

『リン!!』

 

「お兄ちゃん? どうしたの?」

 

『緊急事態だ! ブリンガーが、会場の混乱の隙に乗じて逃げようとしている!!』

 

「!!」

 

 

まだ戦いは終わっていない。

 

新たなる危機が、迫り来ようとしていた。

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