ホロウ内での『待ち合わせ場所』に到着した一行。
そしてその場所にいたブリンガーは、六課の三人の姿を見た途端、一目散に逃げ出した。
「はぁっ、はぁっ……!」
「待て!!」
プロキシ達は逃げるブリンガーを追いかけていく。
ファイズは走りながら大きくジャンプし、逃げるブリンガーの前に立ち塞がるように着地する。
「おい、どこ行くんだおっさん」
「……っ!!」
「投降しなさい、ブリンガー……容疑者」
ファイズと六課の三人で、ブリンガーが逃げられないように取り囲む。
ブリンガーはファイズを睨みながら悪態をつく。
「フン、あの
「……? ガキ……?」
ファイズの疑問を他所に、ブリンガーは尊大な態度を崩さず醜悪な笑みを浮かべる。
「貴様ら……この私を追い詰めた、などと思っていないだろうな?」
「……!? 何をするつもりですか……!」
「冥土の土産に見せてやろう……ホロウの時代を先駆ける、究極の姿というものを────!!」
ブリンガーは手に持っていた黄色い薬品が入った注射器を……自分の右腕へと突き刺し、薬品を注入した。
その瞬間、ブリンガーの体から光が溢れ出す。
「始まりの主よ────再創を……!!」
「…………!!」
「エーテル活性が上昇してる……皆、気を付けて!」
そしてエーテル物質がブリンガーの身体を包んでいき、人間であった彼は……巨大な腕の化け物へと変貌を遂げた。
「……嘘、でしょ……?」
「……まさか自分から化け物になる事を選ぶとはな」
「っ、攻撃が来る……!!」
『ぐぅぁああああああ!!!』
ブリンガーは咆哮と共に、仰々しい目玉が付いている巨大な腕を振り下ろす。
「ぐっ……!」
「プロキシさん、無事ですか!?」
「うん、なんとか……!」
『フハハハハハハハ…………!!』
エーテリアスとは似て非なる怪物と化したブリンガーは、巨大な腕からその真の姿を現した。
巨大な右腕を持ち、その体からは無数の目が蠢いている。
『ファイズ……貴様が持つ力は目障りだ……まずは貴様から、この私が直々に葬ってやろう!!』
「まずい……タクミくん、逃げてください!!」
「!」
ブリンガーはその巨体からは想像もつかないようなスピードでファイズに襲いかかる。
そして、人間の身の丈の数倍はありそうな刃渡りを持つ巨大な剣を振り下ろした。
地面を切り裂きかねない程の威力が叩きつけられ、辺り一面に砂埃が舞う。
「タクミ……!!」
これ程の威力、いくらファイズとてまともに喰らえば一溜りもないだろう。
[Start Up]
『なにっ!?』
しかし、それはあくまで当たればの話である。
「ハァァァァァァアッ!!」
攻撃を受ける寸前にアクセルフォームへと変身し、大ジャンプして緊急回避。
そのまま無数のポインティングマーカーを射出し、ブリンガーに『クリムゾンスマッシュ』の嵐を叩き込む。
ブリンガーはそのまま吹き飛ばされ、コンテナの山へと埋もれていった。
[Reformation]
「……」
「もしかして……終わったのかな?」
「まだ油断は出来ません」
柳、蒼角、悠真の三人がコンテナへ近付こうとした瞬間────
『ぬぅぅぅぅうああああ!!』
「!!」
埋もれていたブリンガーが雄叫びと共に、衝撃波を放つ。
すぐさま反応し、飛び退く三人だが……横からエーテルの裂け目が現れ、そこから巨大な拳が飛び出す。
「うわぁぁあ!?」
「姉ちゃん! 皆!!」
六課の超人的な身体能力を持ってしても、それを避ける事は適わなかった。
プロキシ達は吹き飛ばされ、ファイズとブリンガーのみがこの場に残った。
「待ってろ! 今助け──」
『させるかァ!!』
「っ!!」
追いかけようとしたところを、巨大な腕で道を塞がれてしまう。
『貴様の相手はこの私だ、ファイズ……!!』
「……!」
少なくとも現在の状態で、ブリンガー相手にタイマンで勝てるほど甘くはないだろう。
「……よし、逃げるか」
[1・0・6][Burst Mode]
[Ready]
ファイズはフォンブラスターを取り出し、ミッションメモリーを取り付けたファイズポインターと合体。
これで射程距離、威力ともにアップ。逃げながらフォンブラスターで攻撃するヒットアンドアウェイ戦法をとる事にした。
「フッ!!」
『待て……!!』
ファイズは走り出し、ブリンガーとの距離を取る。崩れ落ちた瓦礫やコンテナを飛び移り、逃走を図るが……
『逃がすかぁ!!』
「くっ!!」
目の前に現れた巨大な腕に吹き飛ばされ、ファイズは後ろの壁に激突してしまう。
「いってぇ──うぉぉっ!?」
痛みを感じる暇もなく、ブリンガーから次の一撃が飛んでくる。
ファイズはダウンしながらもなんとか攻撃をかわす。
「……っ」
『ふん? もう終わりか? ならば、この手で引導を渡してくれる……!!』
ブリンガーは巨大な腕を召喚。そのままファイズを叩き潰そうとする。
その時。
「ハァッ!!」
振り下ろされようとしていた巨大な腕は、無数のミサイルと共によって破壊された。
『ぬぅぅう……!!』
「無事か、タクミ!」
「乾さん……!?」