ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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因縁

 

 

 

 

 

タクミはファイズに変身し、ライカン、リンと共にホロウへと入った。

 

 

「……!! あそこだ!」

 

 

ホロウに入ってしばらくしたあと、ファイズは逃走するヒューゴの姿を視界にとらえた。

 

ヒューゴの姿を見たライカンは険しい表情を浮かべる。

 

 

「……ヒューゴ、やはりここに……」

 

「急いで追いかけよう!」

 

 

ライカン達は追いかけるべく走り出すが、折り悪くエーテリアスの群れが現れる。

 

 

「……! プロキシ様、お下がりください!」

 

「う、うん!」

 

「……」

 

[Ready]

 

 

ライカンは両足の義足による蹴りで、攻撃をいなしつつ連撃を叩き込む。

 

ファイズはファイズショットを起動し、エーテリアスに殴りかかった。

 

そうして数十秒足らずでエーテリアスを片付け、先を急ぐ。

 

 

「ヒューゴさんはどこに逃げたんだろ……?」

 

「過去の経験から推測するに、ヒューゴは自分の相棒をおとりにして我々を撒くつもりかと」

 

「おとり……ヒューゴの仲間が、か?」

 

「その可能性が高いです。かつて私も、逃走したヒューゴを撒かせるために追手を違うルートにおびき寄せるやり方を行っておりました」

 

 

もしライカンに代わるヒューゴの相棒がいるとするならば、の話ではあるが。

 

それに、本当に相棒がいるとするならばヒューゴは既にその相棒にサクリファイスのコアを渡しているのかもしれない。

 

 

「……ひとまず仲間の存在が確認できない現在、ヒューゴ本人を追う他ございません。先を急ぎましょう」

 

「うん……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立ちはだかるエーテリアスを片付けながら、ライカン達はヒューゴを追っていく。

 

どこへ行ったのかと辺りを見回していると──

 

 

「あ、あそこ!」

 

「!」

 

 

リンがヒューゴの後ろ姿を見つける……が、少し様子がおかしい。

 

 

「あれは……」

 

 

そこにいたのはヒューゴと、彼に何かを懇願しているホロウレイダーらしき男達。

 

その男に対しヒューゴは──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男の首めがけ、氷の大鎌を振り下ろす寸前だった。

 

 

「っ!! やめろっ!!」

 

「!」

 

 

それを見たライカンはなりふり構わず走り出し、ヒューゴに全力の蹴りをかます。

 

ヒューゴはそれを見切り、軽い足取りでそれをかわす。ライカンはヒューゴを、これまで見たことの無いような形相で睨みつける。

 

 

「これはこれは……久しぶりだな、裏切り者」

 

「ヒューゴ、お前……彼らに何をするつもりだった!」

 

「…………」

 

 

ヒューゴは傍らで怯えているホロウレイダーを一瞥したのち、答える。

 

 

「……あのホロウレイダー共は罪なき人々の命を奪い、私利私欲の為に動いてきた下衆共だ。俺はソイツらに罰を与えるつもりだったのだ。『死』という、公平な罰をな」

 

「あの時の誓いを忘れたのか……! 何人たりとも、奪われていい命などない! お前は間違っている、ヒューゴ!!」

 

「間違っているのは貴様の方だ! この世には、生きていてもどうしようもない、死んで当然の人間もいる……その者共に死を与え、世界を公平なものへと導くのが俺の役目だ!」

 

 

ヒューゴはライカンを強く睨みつける。

 

 

「──はっ、貴様はあの時から何一つ変わっていないな、ライカン。いつまでそのような救世主じみた幻想に囚われている?」

 

「変わっていないのはお互い様だ。ジャックのじっちゃんも言っていた……憎しみに囚われた者に待ち受けているのは、破滅のみだと」

 

「……もういい、時間の無駄だ。そんなに地面に這いつくばりたいのなら、望み通りにしてやる」

 

「やってみろ。その度に、オレはお前を止めてやる。何度だってな」

 

 

かつての相棒同士だったヒューゴとライカン。

 

両者は暫く睨みあった末……同時に駆け出す。そして鋼鉄の義足と氷の大鎌が、ぶつかり合う──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……っ」

 

「!」

 

 

──ことは無かった。

 

両者の間に、肉眼では捉えきれないほどのスピードで何かが割り込んできたからだ。

 

その何かは、ライカンの右脚とヒューゴの鎌の刃を力ずくで受け止める。

 

 

「……タクミ、様……!」

 

「…………君は」

 

「……っ、二人とも」

 

 

[Three, Two, One]

 

 

「何があったのか分かんないけど、もうちょい話し合うべきじゃねーか?」

 

 

[Timeout][Reformation]

 

 

二人を止めたのは、アクセルフォームに変身したファイズだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タクミ、大丈夫?」

 

「俺は無事だ……てかそれよりも」

 

 

治安局に突き出すためホロウレイダーを縛り上げながら、ファイズはヒューゴとライカンを見る。

 

 

「ヒューゴさんとライカンさん、話に聞いてたよりも仲が悪いじゃねぇか……」

 

「確かに……てっきり会ったら気まずい、みたいな感じの仲だと思ってた」

 

「気まずい、か。お言葉だがねお二人とも、俺がこの男にそのようなちゃちな感情を抱くはずがないだろう? 抱くのは呆れと怒りのみだ」

 

 

ライカンはその言葉に反論もせず、ただため息を吐く。

 

 

「リンくん、タクミくん……賢明な君達ならば、分かってくれるはずだ。この世には死をもたらす事でしか正せない悪もいるのだと」

 

「え? いや、あの──」

 

「……お二方、この男の言葉に耳を貸す必要はございません」

 

「黙っていろライカン。大体貴様は──」

 

『グォォォオオオオ!!!』

 

「!!」

 

 

ヒューゴが言いかけたその時、咆哮とともにエーテリアスの群れが現れた。

 

再びファイズとライカンは戦闘態勢に入る。ヒューゴはと言うと──

 

 

「っ、待て、ヒューゴ!」

 

 

このどさくさに紛れ、逃げ出そうとしていた。ライカンは追いかけようとするが、ファールバウティの攻撃によって阻止される。

 

ヒューゴは去り際に言葉を告げる。

 

 

「親愛なる友人であるお二人に忠告しよう──メイフラワー家の人間とはこれ以上関わらない方がいい。無論、そこの躾のなっていない番犬ともな」

 

「あ、待って! ヒューゴさん!」

 

 

ヒューゴはリンの呼び止める声にも答えず、どこかへと去っていった。

 

エーテリアスを片付けた後、ライカンは急いで彼を追うが、既にヒューゴの姿は見えなくなっていた。

 

 

「…………ヒューゴ」

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