ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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Switch2、めっちゃ楽しい
楽しすぎて更新頻度落ちないよう頑張るます


決意

 

 

 

 

 

車で無事ビデオ屋から戻ってきたタクミ達。

 

出迎えに来たアキラとリンは生きていたヒューゴを見て驚愕……はしなかった。

 

事前にライカンから連絡を受けていたので、当然ではある。とはいえ、電話口でヒューゴが生きていた旨を聞いた時は大層驚いたらしい。

 

ヒューゴはリンに、バレエツインズで彼女を人質に取った事を詫びた。リンは謝る必要はないと言ったが、それでもヒューゴにとって大切な友人を傷つけることは不本意な事だったのだ。

 

そして謝罪をした後、ヒューゴは本題へと入る。讃頌会を止めるため、今後どうするべきかについてだ。

 

 

 

「──カミエルの話によれば、ディナは例のコアをサクリファイスに埋め込み、能力を大幅に強化する傾向がある」

 

 

これまで讃頌会が作ってきたサクリファイスは、なんの意思をも持たず、只々目に映る物を無差別に襲う……言ってしまえば要警戒エーテリアスとあまり変わらないものだった。

 

しかし、ランドンが遺した薬があればサクリファイスは制御可能となり、それを作り出すディナの支配下に置くことも可能になる。

 

ヒューゴの話を聞いて、リンはうーんと唸る。

 

 

「サクリファイスの事もそうだけど……私達、まだ本物のコアすら見つけてないんだよね。ハルトマンが持ってたのも偽物だったし」

 

「本物のコア? それなら、ずっとここにあるではないか」

 

「え……?」

 

「店長くん、郊外でビビアンから貰ったペンダントの事は覚えているかね?」

 

「う、うん」

 

 

リンは懐から、かつてビビアンに『モッキンバードと協力関係を結んだ記念に』と貰ったペンダントを取り出す。

 

ヒューゴはリンからそれを受け取り、手の中で何やら動かし始めた。何をしているのかと聞く前に、ペンダントから音が鳴り、パカリと開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……え!?」

 

「…………マジか」

 

 

なんとペンダントの中には、()()()サクリファイスのコアが入っていた。

 

それを見たリン達は勿論、ペンダントを渡した本人であるビビアンも驚いた。

 

 

「このコアは市長殿に差し上げる。俺が『死んでいた』間、店長くん達を守ってくれた……その礼にな」

 

「……なるほど、彼がモッキンバードを利する世論に加担していたのはこういう訳でしたか」

 

「ずっとここにあったんだ……それなら、コアの心配はしなくていいね。後はディナがサクリファイスを作るのを止めないと」

 

「ああ。休眠体はすべて破壊されたとは言え、ランドンが残した薬はまだ残っているからね」

 

 

ディナがサクリファイスを作れなくなるようにするには、それも見つけ次第残らず破壊しなくてはならない。

 

 

「それでは俺は今一度、ランドンが残した薬の在処を探すことにしよう」

 

「待て」

 

「? どうした、ライカン」

 

「……お前、体は平気なのか?」

 

「!」

 

「今の病み上がりの体で、行動を起こすのは懸命な判断ではないだろう」

 

「……ライカン、前にバレエツインズで俺が言った事を覚えているか?」

 

 

ヒューゴが裏切る演技をしたあの時、彼はこう言った。

 

 

『勝利を末永く確固たるものにするには、古い血肉を切り取る痛みに耐え、夜明け前の最も深い闇に向き合う必要がある』

 

 

何かを犠牲にして何かを掴み取る。ヒューゴは今でもそれが間違いだとは思っていない。

 

しかし──

 

 

「己が運命を決められるのはいつだって自分自身だ。俺は……自分が実際にできる事をする道を選ぶつもりだ」

 

「…………そうか」

 

「……ヒューゴ、これが終わったら──」

 

「分かっているともビビアン。この件が終わったら、これまで言わなかった事……包み隠さずお前に話そう」

 

「……分かればいいのです」

 

 

ヒューゴの言葉に、ライカンは静かにそう返した。

 

 

「では情報があれば、再び連絡しよう。アディオス」

 

 

そう言ってヒューゴは工房のドアを開け、店を後にした。

 

 

「……なんかヒューゴさん、オークションの時と比べて色々変わった気がするな」

 

「ええ。私もそう思います……以前と比べ成長した、という言い方もできましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月が登り始めた頃。

 

ライカンも帰宅し、タクミも明日のために体を休める……前に、少し出かける事にした。

 

と言うのも、先程ビビアンに『六分街の路地裏に来て欲しい』とDMが来たのだ。なんの用かは会ってから話すと言われたので、特に何も言わずにその場所へと向かう。

 

 

月明かりも差し込まない路地裏のベンチに、既にビビアンはいた。

 

 

「こんな夜遅くにごめんなさい」

 

「構わねーよ。それで、なんの用なんだ?」

 

「……実は、どうしても貴方に伝えておきたい事があったのです」

 

「伝えておきたい事?」

 

「はい。あまり長引かせたくないので、単刀直入に話します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「近いうち、パエトーン様に災いが降りかかります」

 

「……え?」

 

 

今しがた言ったビビアンの言葉。それを飲み込むのに、タクミは時間を要した。

 

 

「……本当、なのか」

 

「はい。パエトーン様を見た時……わたしの眼から、()()()()涙がこぼれ落ちました」

 

「……」

 

 

ビビアンとて、自身がパエトーンに向けて流した涙を信じたくはなかった。声を震わせながら、彼女はタクミへと事実を告げる。

 

 

「今回貴方を呼んだのは他でもありません──わたしと一緒に、未来を……変えて欲しいのです」

 

「!!」

 

「今まで、誰一人として不幸な未来を変えることは出来なかった。ですがタクミ……貴方となら、この未来を変えられるかもしれないと、そう思ったのです」

 

「……!」

 

「お願いします。このまま、わたしのせいでパエトーン様に不幸な運命が訪れるのは……耐えられないのです」

 

 

この事実を伝えるのに、ビビアンは相当な勇気を要したはずだ。下手すれば、彼もその運命に巻き込まれる可能性があるのだから。

 

しかしここまで共に戦ってきたタクミなら、もしかしたら運命を変えられるかもしれない。

 

そんな一縷の望みを胸に今日、ビビアンはタクミにこの事を打ち明けたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「ビビアン」

 

「!」

 

 

 

「その不幸な未来ってのが、姉ちゃんに訪れる事は絶対にない。だってここに、俺と……お前がいるからだ」

 

 

タクミはビビアンの眼を真っ直ぐ見る。彼には、何も全く不安の気持ちがない訳では無い。しかしそれ以上に、彼の瞳には炎が色濃く燃え上がっている。

 

『決意』と言う炎が。

 

 

「俺一人じゃ運命を変えられなくても、お前一人じゃ運命を変えられなくても……俺達二人なら、きっと変えられる」

 

「……タクミ」

 

「俺はお前を信じる。だから……お前も俺の事を、そしてお前自身の事を信じて欲しい。未来を変えるために、俺たちに出来る事が……きっとあるはずだ」

 

 

タクミはそう強く語りかける。やがて、ビビアンの眼にも強い決意の炎が宿り始めた。

 

 

「運命なんて俺達で変えちまおう。人間、力を合わせりゃできねー事も出来るんだからな」

 

「…………はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(不幸な運命なんて、絶対に変えてやる。俺は……()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝。

 

ディナが隠したランドンの薬の在処が分かったと連絡を受け、リン達はポート・エルピスへとやって来た。

 

既にヒューゴ達は到着しているようだ。

 

 

「来てくれたようだな、店長くん」

 

「ああ……まさか二人のパエトーン様と共に行動出来るなんて……ビビアンは幸せ者なのです」

 

「ビビアン、燃え尽きるにはまだ早すぎるからな」

 

 

今回薬を探すにあたり、リンだけではなくアキラの方もイアスと感覚同期をし捜索に加わる事となる。

 

ディナが隠した薬の場所は一箇所だけではない。なのでここは手分けしながら探し、見つけ次第破壊しようと言う作戦だ。

 

ヒューゴによれば、薬があるホロウには実験体となる労働者もいる。あまり悠長にはしていられないだろう。

 

 

 

[5・5・5][Standing by…]

 

「変身!」

 

[Complete]

 

 

ファイズフォンをバックルに取り付け、タクミはファイズへと変身する。

 

これにて準備は整った。一行はディナを止めるため、早速ホロウへと突入した。

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