ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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明けましておめでとうございます
今年も本作品をよろしくお願いいたします!

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活動報告で近況等を書いていく予定です


怒り

 

 

 

 

 

旧都陥落時の真相の一部を知った鬼火は……もはや冷静でいることはできなかった。

 

 

「お、鬼火隊長! 銃身の状態が非常に不安定であります! どうか落ち着いて──!」

 

『落ち着いてなどいられるかっ!! イゾルデ、早く答えろ……一刻も早く、そいつらに相応しい罰を与えてやる!』

 

『……オルペウス隊員の言うとおりだ、鬼火。今はまだ確かな証拠が十分にそろっていない状況だ。今は冷静さを保て』

 

『冷静だと!? "真相"を中途半端に聞かされて、冷静を保てと言うのか!?』

 

 

オルペウス達の制止もままならず、鬼火の怒りの炎は大きくなっていく。

 

 

『イゾルデ! お前には私の怒りが分かるだろう! 私はこのために生まれてきた!! 戦友の命を軽んじたクズどもに、しかるべき制裁を与えるために……!』

 

『……君の怒りは私にもよく分かる。その感情は極めて正当なものだ。だが、ここはどうか堪えてくれ』

 

『…………ッ』

 

「鬼火隊長、イゾルデ大佐の言うとおりだよ。今私たちには、やらなきゃいけないことがある」

 

『……分かった風な口を聞くな、パエトーン。お前に私の怒りが分かるのか?』

 

「分からないよ。十一年前は、私は兵士でもなんでもなかったからね。でも……失うことの辛さは、分かってる」

 

『!』

 

 

十一年前、エリー都に住む人々はホロウによって多くのものを失った。

 

十一年前だけではない。今に至るまでも、色々なものをホロウや悪しきものに奪われた人間は、数多く存在する。

 

衛非地区の市民や雲嶽山の人間とて、例外ではない。

 

旧都陥落で大事な人を、故郷を失い、衛非地区へと流れ着いた人も少なくないだろう。

 

 

「……けど、失ってばかりじゃない。私も、お兄ちゃんも、タクミも……頑張って前に進み続けた。オボルス小隊の皆だってそうでしょ?」

 

『……』

 

「もちろん過去は消えないし、蔑ろにしていいものでもない。けど今、この手にあるものだって、おんなじくらい大切なはずだよ!」

 

 

リンの言葉に、鬼火の中にあった怒りの炎が徐々に小さくなっていく。

 

 

「鬼火隊長……」

 

『……確かに、プロキシ君の言う通りだな。今は任務を遂行することを優先すべきだ。イゾルデ、旧都陥落の件……有耶無耶にするつもりはないが、今は何も聞かないでおいてやる』

 

『そうしてくれると助かる。本来このタイミングで水を差すつもりはなかったが……君の"命令に従うだけの軍人が優れているとは限らない"という考え方、それが正しいものだったと伝えておきたかったんだ』

 

『……』

 

「それじゃあ、引き続き進もっか。もたもたしてたら裂け目が消えちゃうかもだし、急いでいくよ」

 

『……了解だ。オボルス小隊、引き続き前進だ!』

 

「はっ!」

 

 

一行は特定した裂け目の座標を目標に、足を進めていった。

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

裂け目を通った瞬間、ミアズマの気配はより一層濃くなった。

 

"盲点"の情報はやはり正しかったようだ。

 

拠点ではちょうど何かの儀式が行われている最中。一行はそこで、見覚えのある姿が目に入った。

 

 

「!! 前方、讃頌会の一員を発見であります!」

 

「あれは…………間違いない、サラだ!」

 

「……!」

 

 

サラはリン達を見るなり、怪しげな笑みを浮かべる。

 

 

「ふふ……パエトーンに、ファイズ……久しぶりね」

 

「こっちはできるだけ会いたくなかったけどね。あんたら讃頌会のバカみたいな計画も、ここで終わり!」

 

「バカみたいな、ね……常々、あなたたちのような傲慢で無知な者には呆れるばかりだわ」

 

「傲慢で無知はどっちだ。大勢の人たちを都合のいいウソで騙しやがって……お前がやってる事はただの大量殺人だ」

 

「…………()()()。貴方の認識は間違いよ」

 

 

フォンブラスターの銃口を向けながらも、サラはそれにひるむことなく、一歩前に踏み出す。

 

 

「彼らはより良き世界、そして始まりの主のため、その身を犠牲にしたに過ぎないわ。あの方の御心に従えば……貴方を苦しめているものを、一つ残らず取り除くことだってできる」

 

「!」

 

『タクミ、耳を貸すな。こいつの戯言を聞く必要はない』

 

「始まりの主にその身を捧げれば……貴方が望む素晴らしい世界を手にできる」

 

「…………」

 

「怖くはないわ。私と共に、創世を──」

 

 

ドォンッ!!

 

 

 

フォンブラスターから放たれた光弾が、サラの頬ギリギリを飛んでいく。

 

ファイズは、はっきり拒絶の意思を見せた。

 

 

「……俺の答えは分かったな。宗教勧誘なら雑草相手にやってろ」

 

「…………そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()貴方は、あまり聞き分けが良い子ではないみたいね」

 

「…………?」

 

 

どういうことかと、そう聞こうとした瞬間だった。

 

 

ドゴオォンッ!!

 

「!!」

 

 

至近距離で、何かが地面を砕く轟音が聞こえた。

 

ミアズマに塗れた巨体を持ったエーテリアス、アヴァルスの姿がそこにはあった。

 

周りには、オブスキュラに入っていたサクリファイスの姿もある。

 

 

「司教様は、既に"終域"の門に手をかけていらっしゃる……結末はもう、目と鼻の先にあるわ。あなた達にはどうすることもできない」

 

「! 待て──グッ……!」

 

 

姿をくらますサラを追いかけようとするが……アヴァルスに行く手を阻まれてしまう。

 

 

『デカブツが……邪魔をするなら丸焼きにしてやる! オボルス小隊、戦闘準備!』

 

「了解であります!」

 

 

「グオオォォォォオオ!!」

 

 

咆哮とともに、アヴァルスは体を丸め……その巨体に似つかわしくないスピードで突っ込んでくる。

 

攻撃を避けつつ、オボルス小隊は洗練された動きで最大火力を叩き込む。

 

 

[5・5・7・6][Faiz Edge 2, Put in to Motion]

 

 

ファイズの方も、新型ファイズエッジを装備した後、アクセルメモリを取り出す。

 

 

[Complete]

 

 

ファイズフォンにメモリを装填し、ファイズはアクセルフォームへと変身。

 

 

[Start Up]

 

 

両手の新型ファイズエッジを構え……ファイズはアヴァルスの攻撃をかいくぐり、攻撃を仕掛ける。

 

 

「ハッ!! やぁっ!!」

 

 

濃縮されたフォトンブラッドのエネルギーを纏った刃で、アヴァルスの羽を、角を、舌を、足を……すべてを音を超えるスピードで斬りおとし、自由を奪う。

 

サクリファイスもすべてファイズエッジですべて葬り去り、そして──

 

 

「はああっ!!」

 

 

身動きが取れなくなったアヴァルスのコアに目掛けて、勢いよく赤い刃を突き刺した。

 

 

[Time Out][Reformation]

 

 

『Φ』のマークとともに、消滅するアヴァルス。

 

オボルス小隊の火力援助のおかげもあり、わずか数十秒で敵を掃討する事ができた。

 

 

「スピードキル、だったね~」

 

『フン、所詮は図体だけの敵。我々の敵ではなかったな』

 

「……その"我々"の中に、タクミ殿はちゃんと入っていますよね……?」

 

『当たり前だ! だから"我々"の敵ではなかったと言っているんだ!』

 

「タイチョウ……」

 

『……なんだ! 言いたいことがあるならはっきりと言え!』

 

「みんな!」

 

「!」

 

 

 

リンの呼ぶ声がする。

 

振り返ると、彼女は何やら奇妙なデバイスの近くにいた。

 

 

「さっき見つけたんだけど……見て、このデバイスの中に、ミアズマを操る装置のコアがある」

 

「讃頌会はこれを使ってミアズマを操っていたんでありますね……このコアを、デバイスから取り出せばいいんですね?」

 

『下がってろ。こんなもの、レーザーでぶっ壊してやる』

 

 

そう言って鬼火はデバイス目掛け、銃口から極太レーザーを繰り出す。

 

しかし……

 

 

『……びくともしないだと? 私のレーザーを持ってしても……』

 

「多分、デバイス自体が濃いミアズマに覆われてるんだと思う。覚感の術もやってみたけど無理だった。ひとまず、師匠に任せるしかないね」

 

 

 

どうにもできないなら、今は逃走したサラを追うしかない。

 

 

 

「……それにしても、サラはどうしてタクミ殿()()を讃頌会に引き込もうとしたんでしょう……?」

 

「大方、テキトーに言葉並べりゃ言いくるめられると思ったんだろうな。まるで俺が『押しに弱くて頼みを断れないちょろい奴』扱いされてるみたいでムカつくな」

 

「「「「「『…………』」」」」」

 

「…………なんだよ! なんで皆黙ってんだ!」

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