ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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町との決戦

 

 

 

 

 

「オラァ!!」

 

「っ!!」

 

 

赤い霧が立ち込める町の中、絶え間なく響く剣の打ち合う音。

 

町との闘いは、既に始まっていた。

 

 

「どぉした真斗ォ! テメェも打って来いやぁ!!」

 

「るせぇ……言われなくても!」

 

 

 

事は数分前。

 

真斗ら第一班が町に到着した時……予想通り、夢縋り達が講堂前で待ち構えていた。

 

その中には白い真斗の姿もあり、その目には燃え滾るような闘争心が込められていた。

 

 

白い真斗は何も言わず、剣先を真斗の方へ向ける。

 

真斗は捜索隊のメンバーを安全な場所まで避難させた後……彼の宣戦布告に応じた。

 

 

かくして、真斗同士の決闘は幕を開けた。

 

 

「そのしがらみだらけの剣で、オレを倒せるわけねぇだろ……! 『ダチ』なんぞくだらねぇモノを背負ったテメェの剣でよぉ……!!」

 

「これはオレが選んだ道だ!! それをテメェにあーだこーだ言われる筋合いはねぇ!!」

 

 

真斗は火炎を刀身に纏わせ、白真斗の攻撃をはじく。

 

その際に距離が離れるが、逃がすまいと追撃を加えに走り出す。

 

白真斗の方もひるまずに迎撃する。

 

 

「馬鹿馬鹿しいだろぉが……他人なんぞのためにキズだらけになんのはよぉ、ええ!?」

 

「……っ、この……!!」

 

 

大剣を軽々と振り、連撃を叩き込む白真斗。

 

真斗は防戦一方に追い込まれ、やがて──

 

 

「!!」

 

 

最後の一撃で、真斗の剣が手から弾き飛ばされてしまった。

 

 

「ハッ……勝負はついたな。これで分かったかよ、どっちが強えのか……どっちが狛野真斗に相応しいのかをよぉ」

 

「……」

 

 

とどめを刺すべく、白真斗は地面を蹴り駆け出す。

 

 

「繭を受け入れろ。テメェに代わって……オレが狛野真斗に──ホワイトハーツのカシラになる!!」

 

「……オレの、代わりにだと?」

 

 

真斗目掛け、振り抜かれた拳。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マジに言ってんのか……テメェは」

 

「!!」

 

 

白い真斗の一発ストレートは、容易く受け止められた。

 

他の何者でもない、真斗の手によって。

 

 

「本気でそう思ってんのなら……」

 

 

拳を受け止めた掌に、信念の炎が宿る。

 

 

「テメェは狛野真斗を──ナメすぎだぜっ!!

 

「ぐっ!!」

 

 

地面をえぐり取るほどの爆発と共に、放たれた渾身の反撃。

 

白真斗は防ぐ暇もなく、後ろ側の講堂の壁まで吹き飛ばされた。

 

 

「……立てよ」

 

「……!」

 

 

眼に宿る、夢縋りと同じ程に燃え滾る闘争心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──こっからは本気マジだ」

 

「……ハッ。いい眼してんじゃねぇか」

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[1・0・6][Burst Mode]

 

[Burst Mode]

 

 

「はぁっ!!」

 

「うわぁっ!」

 

 

一方その頃。

 

遅れて町に入ったリン達第三班だが……案の定、身を潜めていた夢縋りたちに囲まれ、妨害に合っていた。

 

 

カイザはフォンブラスターとカイザブレイガンで、攻撃を仕掛けてくる夢縋り達を的確に撃ち抜いていく。

 

だが……これもやはりと言うべきか、倒しても倒しても夢縋り達は復活し、攻撃の手が緩められる事はなかった。

 

 

「やっぱり、倒しても倒しても出てくるわね……」

 

「もう~! ここで足止めを食らってる場合じゃないんだけどなぁ……!」

 

「こうなったら……みんな、少し身をかがめろ!」

 

 

[Ready]

 

 

カイザはカイザフォンをバックルにしまい、カイザブレイガンを『ブレードモード』に切り替える。

 

 

[Exceed Charge]

 

 

そのままフォンのENTERキーを押し、刀身にフォトンブラッドをチャージする。

 

直後、全方位から襲ってくる夢縋り達。

 

 

「はぁあああっ!!」

 

 

フォトンブラッドの熱放射量はアルティメット。

 

刀身が限界まで伸びた状態で、カイザは『カイザスラッシュ』の全方位回転斬りをお見舞いした。

 

 

圧倒的なエネルギーを前に消滅する夢縋り達。

 

 

「数がぐっと減った……!」

 

「今だよみんな! 夢縋りが復活しないうちに、先に進もう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして夢縋りの足止めを乗り越え、講堂前までたどり着いたリン達。

 

 

「これは……」

 

「真斗!」

 

「おう……ちょうどいい所に来たじゃねぇか」

 

 

講堂前の広場にある、二つの影。

 

一つは剣を掲げ、その場に立っている真斗。

 

もう一つ、剣に支えられ膝をついている白い真斗だった。

 

 

二人の周りに広がるのは凄惨な戦いの跡。

 

中心に静かに佇む二人のその姿は、真斗が勝利を掴んだ事を暗に示していた。

 

 

「決着……着いたんだね」

 

「ああ。テメェの力だけで、勝ち取ってやったっスよ」

 

「…………」

 

 

敗北した白い真斗は膝をついたまま、呆然と地面を見つめていた。

 

 

「真斗くん……」

 

「コイツの事は今はほっとけ。時間がねぇ、さっさと講堂ン中に行こうぜ」

 

「……そうだね。皆、行こう!」

 

 

一行はモス達の待つ講堂……繭のある部屋へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

そして一人、取り残される白い真斗。

 

 

「……」

 

 

打ち負かされた直後、真斗が言ったとある言葉。

 

それが、彼の頭から離れないでいた。

 

 

『オレはな……何もテメェの言う夢を忘れたわけじゃねぇ。ただあの頃のガキを、ガレキの山から引っ張り出してやりてぇだけなんだ』

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

ガレキから這い出した少年は、裸足で歩き出す。

 

少年は歩いていく中で、様々なものに出会った。

 

かけがえの無い、大切な人と出会った。

 

その大切な人を守るために、力だけでは何も出来ないと……闇雲に歩く中で気づいた。

 

 

 

そして数々の出会いは、新しい夢と成った。

 

 

 

これからも、狛野真斗は剣を振る。

 

誰かを守るために。誰かを守る自分を守るために。

 

 

 

「……ケッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドォン!!

 

 

固く閉ざされた扉が、勢いよく蹴破られる。

 

 

「……っ、やはりここに来たか」

 

「やっぱここにいたんだね、モス」

 

 

繭がある部屋には、モスを始めとした夢縋り達がリン達を待ち受けていた。

 

 

「こうなるくらいなら……最初に君たちが町を訪れた時点で、さっさと始末しておくべきだった。だが……そうできない自分も、確かにいた」

 

「何……?」

 

「俺たちは、君を受け入れたかったんだ。君たちを町の一員にし、その夢を知り……乾くことのないオアシスに、身を委ねて欲しかった」

 

 

夢縋りたちは繭を庇うように立ち、武器をこちらに向ける。

 

 

「かつての夢と向き合って、君たちはそれでもなお……戦う事を選んだ。……雲嶽山の修行者。君達が来てから、すべてが変わってしまった」

 

「!」

 

 

モスはリンを睨む。

 

 

「何が目的だ……? 君は町を混乱に陥れ、あまつさえその存在を消し去ろうとしている」

 

「目的も何も……私はプロキシとして、迷った人を家まで送り届ける──その使命を果たしてるってだけだよ」

 

「家だと? 馬鹿を言うな! ()()こそが、俺たちの家だ! 夢から逃げず、受け入れ、前へ進む……! それが町の在り方だ!」

 

「前になんか進んでないよ。どんなに夢が心地のいいものでも……いつかはその夢から覚めなきゃいけない。夢は夢、現実は現実だって受け入れないと、前には──」

 

「黙れ!!」

 

 

モスが強引に言葉を遮る。

 

その様子からは、かつての温厚な立ち振る舞いは影も形もなかった。

 

 

「もういい、話すだけ時間の無駄だ。それ以上歩を進めるのなら……俺たちは繭を守るため、君たちを始末する!」

 

「ハッ、長ったらしく御託並べやがって……ハナからそのつもりで来りゃあ良いんだよ」

 

「繭は絶対に消してやる。いい加減夢から覚める時だ!」

 

「させるものか! 住人達よ、町を守るんだ!」

 

 

モスの声に応えるように雄叫びを上げ、士気をあげる夢縋り達。

 

こうして、町との最後の闘いが幕を開けた。

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