ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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襲来

 

 

 

 

 

鉱区居住地に突如現れたサクリファイス・コヴェナント・ガーディアン。

 

ガーディアンはファイズへと向かってくるかと思いきや、方向を変えダイアリンの方へと襲ってきた。

 

 

「ダイアリン!」

 

「っ!!」

 

 

ダイアリンはチャクラムで顕現させた巨大な腕でガーディアンの攻撃を受け止める。

 

 

「ぐぬぬ……カスハラするつもりなら、訴えますよっ!!」

 

 

そう叫ぶと同時に、ダイアリンの巨大な手がまるでビンタのようにガーディアンへと叩きつけられる。

 

吹き飛ばされるガーディアンだったが、瞬時に体勢を立て直し、再びダイアリンの元へと猛スピードで向かっていく。

 

 

『主の声を受け入れよ……! さもなくば、死あるのみ!』

 

「……!」

 

 

()()()()()ミアズマを吸収しパワーアップしたガーディアンは、羽の刃を広げダイアリンに斬りかかる。

 

その時だった。

 

 

 

 

 

「フンッ!!」

 

 

ダイアリンの前に盤岳が割り込み、ガーディアンの攻撃をその鋼鉄の身一つで受け切った。

 

 

「盤岳先生!」

 

「禍々しい邪崇よ……我が拳で打ち砕いてくれる!」

 

 

そう言って反撃に転じる盤岳。

 

ガーディアンの方も引き下がるつもりはないようで、これ幸いと言った様子で盤岳とダイアリンに猛攻撃を仕掛ける。

 

 

反撃を許さない攻めに、盤岳もダイアリンも防戦を強いられる。

 

 

「あのサクリファイス、なんでさっきから盤岳先生とダイアリンさんばっか狙ってんだ!?」

 

「もしかして、さっきダイアリンが言ってた声と関係が……」

 

「とにかく、ワタシ達も加勢しましょう! 寧謙さんはリンをお願い!」

 

「分かった!」

 

 

ファイズと瞬光も加勢をすべく走り出す。

 

瞬光は青溟剣を、ファイズはフォトンブレイカーを構え、ガーディアンに背後から奇襲をかける。

 

しかし……

 

 

『ふっ!!』

 

「!!」

 

 

奇襲に気づいたガーディアンが瞬光たちに牽制代わりのレーザーを放ち、接近を拒否。

 

 

「……! こっちに気づいてないわけじゃねえのか」

 

「盤岳先生! ダイアリン!」

 

「これしきの事、案ずるに及ばず!」

 

「こっちもモーマンタイですよ! ただ、うざったいにも程があります……ねえっ!!」

 

 

ガーディアンの攻めに生じた隙。

 

そこを見逃さず、盤岳とダイアリンは共に渾身の反撃の一発をガーディアンに叩き込む。

 

 

「今だ! 畳みかけるぞ!」

 

 

吹き飛ばされるガーディアンを追いかけ、ファイズと瞬光は有無をも言わさない怒涛の追撃をお見舞いした。

 

 

『……っ!!』

 

 

大ダメージを受けたガーディアンが、ボロボロの翼を広げ立ち上がろうとした時。

 

 

「おっと! もう動かないで良いですよ!」

 

『!!』

 

 

ダイアリンの巨大な手が、ガーディアンの体の下半分を握りしめ、動きを封じ込める。

 

 

「タクミくん今です、ぶった斬っちゃってください! あ、でもあたしの手は斬らないでくださいね!」

 

 

ダイアリンの声にファイズは頷き、ファイズブラスターのENTERキーを押す。

 

 

[Exceed Charge]

 

 

フォトンブレイカーから伸びる、高出力フォトンブラッドの刃。

 

ファイズはジェット噴射で飛び上がり、そのまま──

 

 

「ハアッ!!」

 

 

横なぎで一閃。

 

次元ごと斬ってしまいそうなその威力と切れ味に、ガーディアンは為す術もなく真っ二つとなった。

 

 

ダイアリンの手からガーディアンの上半身が、零れ落ちるようにべたりと地面に着く。

 

そしてその怪物はうめき声とともに呟く。

 

 

『傾聴せよ……始まりの主の……呼び声を……』

 

 

徐々に消滅していくガーディアン。

 

これでひとまずは難が去った──

 

 

「くっ……また……」

 

「……!!」

 

「盤岳先生、ダイアリン! どうしたの!?」

 

 

──訳ではなかった。

 

ガーディアンが消滅した後、盤岳とダイアリンはまたしても金縛りを受けたかのように固まり、動かなくなってしまった。

 

 

「お兄ちゃん、これって……!」

 

『また例の声が聞こえているのかもしれない……それにミアズマの濃度も、上がりだしている……!』

 

「盤岳先生! ダイアリンさん!」

 

 

ファイズは二人の名を呼ぶが、反応はない。

 

 

「……!? 何これ……!!」

 

 

今度は瞬光が声を上げる。

 

リンが瞬光の方を見ると、驚きの光景が目に映る。

 

 

「青溟剣が、反応してる……!?」

 

「今までこんな事はなかったのに、なんで急に……!」

 

 

瞬光が背負っている青溟剣の剣棺。

 

それが白い光を放ち、震えていたのだ。

 

 

「……あれ?」

 

 

しかしその異変もしばらくしたら収まり、剣棺は元の正常な状態に戻った。

 

 

「……今のは」

 

「ばんがくせんせーー!! ダイアリンさーーん!!」

 

「!?」

 

「ぬう……!?」

 

「う、うるっさ……! もう、そんな叫ばなくてもいいですって!」

 

 

と、ここでファイズの必死な呼びかけによりようやく盤岳とダイアリンが意識を取り戻した。

 

 

「二人とも、またあの声が聞こえてたんすか?」

 

「……さよう。心の隙に付け込み、『力を捧げよ』と囁く面妖な声……危うく取り込まれるところであった」

 

「これ、どう考えてもさっき倒したサクリファイスが原因だと思いますが……皆さんは何も聞こえませんでしたか? 自分の声みたいなのが」

 

「私達は何も……たださっき、瞬光が背負ってる剣棺の中の青溟剣が少し反応してたんだ」

 

「うん……ダイアリン達が目を覚ます直前くらいで、収まったけど……師匠が封印してから、一度もこんな事は起きたことがなかったのに……」

 

 

先ほどのサクリファイスの襲来。

 

瞬光の青溟剣の微かな異変。

 

盤岳とダイアリンに()()響く謎の声。

 

 

どうやらここに長居する事はできないようだ。

 

 

「あたし達が陣法と葉釈淵さんを探しに来たのを、何者かが邪魔しているんでしょうか……」

 

「用意が出来たらあの門の向こうに行こうと思ってたけど、今はどうも無理みたいだね」

 

「……皆。ワタシ、雲嶽山にこの事を連絡するわ」

 

「!」

 

『いいのかい? 君がこっそり下山した事、師匠たちに知られてしまうけど……』

 

「いいの。もうそんな事を言ってられる状況じゃなくなったし……このまま黙ってたら、皆を危険な目に遭わせちゃう」

 

 

賢明な判断と言えるだろう。

 

ラマニアンホロウの異変の解決において、儀玄たちを置いて適任はいない。

 

 

これ以上ミアズマが濃くなる前に、一行は居住区を後にし、ラマニアンホロウから脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。

 

雲嶽山の弟子の一人である清源が、現在用事で外出中の儀玄に礼の件について連絡をした、そのすぐ後だった。

 

 

タクミの元に電話の着信が来た。

 

同じく儀玄とともに外出中の福福からである。

 

 

「もしもし」

 

『もしもしタクミくんっ! 怪我はしてませんかっ!?』

 

「開口一番それかい!」

 

 

案の定と言うべきか当然と言うべきか、久しぶりの福福の第一声は心配の声だった。

 

 

『だってホロウでサクリファイスと戦ったってお師匠さまから聞いて……居ても立っても居られなくなったんですよっ?』

 

「大丈夫だ福福先輩。今回は盤岳先生たちがいたから、正真正銘無傷で帰ってこれた」

 

『本当ですかっ?』

 

「本当だよ」

 

『嘘ついてませんよね? 帰ってきたらまた"姉弟子チェック"しますからねっ』

 

「あ~~~~~それはちょっと、ちょっと勘弁してほしいかなあ~~~」

 

 

今回ばかりは傷一つ負わなかったので、信じて欲しい。

 

 

『あ……それと、瞬光ちゃんとはもう仲良くなれましたか? 一緒に行動したって聞きましたよ!』

 

「瞬姐さんとなら大分仲良くなったよ。最初会った時は『弟弟子と妹弟子が出来た』って大はしゃぎ──」

 

『瞬ねっ……!?』

 

「うん?」

 

 

急に大声を上げる福福。

 

 

「タクミくん……瞬光ちゃんの事、瞬姐さんって呼んでるんですかっ……?」

 

「え、うん。そう呼んで欲しいって言われたから」

 

「…………」

 

 

福福は電話越しに衝撃を受けていた。

 

ただそれは『ショックを受けた』と言う感じではなく、むしろ『天啓を受けた』と言った感じのものだった。

 

 

「……福福先輩?」

 

『こ……こほんっ。タクミくんと瞬光ちゃんが仲良くなって、大姉弟子としては何よりですっ!』

 

「そうすか?」

 

『あともう少ししたら、お師匠さまたちと一緒に適当観に帰って来るので、その時まで瞬光ちゃんをよろしくお願いしますねっ!』

 

 

そう言った後、福福はなぜかソワソワした感じで電話を切った。

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