ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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アクシデント

 

 

 

 

 

「よっしゃ! これで三台とも、指定の位置に着いたぞ!」

 

 

アンドー達はプロトタイプを捜索するため、中継機としてデモリッシャーとデュアルショベルの二台を指定地点に配置した。

 

 

『グレースさん、聞こえる? 今からプロトタイプに信号を送ろう。具体的な操作は頼んだよ』

 

『はいはい! それじゃあ子供たち、あとは任せたよ。頑張って先輩に呼びかけるんだ』

 

 

そして少しした後。

 

 

『──うん、デモリッシャーの所にリプライ信号が帰ってきた……よしよし、三台ともプロトタイプかの信号を受信したよ!』

 

「ハハッ、やったな──」

 

『グォオオオ……!』

 

「?」

 

 

突然、グレースのいる所から謎の異音が通信機越しに聞こえた。

 

 

『……グレースさん、今の音はなんだ?』

 

「……大した事じゃないよ。エーテリアスが来ただけさ、すぐに片付ける。発信機の高周波はプロトタイプだけじゃなく、エーテリアスにとっても刺激になるようだね」

 

『……いや待った、グレースさん!強いエーテル反応を示す個体が近づいている!お供がパイルドライバーだけでは太刀打ちできない!』

 

「!」

 

 

ファイズはそれを聞くと、近くで待機させていたオートバジンのスイッチを押す。

 

 

[Vehicle Mode]

 

 

バイクに変形したオートバジンに乗るファイズ。

 

 

「おい待て、ファイズ!どこ行くつもりだ!」

 

「決まってんだろ、グレースさんを助けに行く!大丈夫だ、場所は分かる!」

 

「……っ、なら、あたしも行く!」

 

「! ……分かった、なら後ろに乗れ!」

 

 

クレタはファイズの後ろに乗る。バイクのエンジンを吹かせ、二人はそのまま行ってしまった。

 

 

「く、クレタ!ファイズ!」

 

 

呼び止めるが声は届かない。ひとまずプロキシはグレースに通信機で呼びかける。

 

 

「グレースさん、一旦発信を止めて!これ以上エーテリアスを刺激するのはマズイよ!」

 

『それはダメだよ。さっき言ってたじゃないか。信号の分析が終わるまで、通信は継続させなきゃダメだって』

 

「でもこのままじゃグレースさんが!」

 

『……聞いて。プロトタイプのリプライ信号の間隔は今も尚どんどん遅くなっている……今発信を止めたら、もうチャンスは無いかもしれない。プロトタイプの論理コアは、白祇重工にとって大事なものだよ。簡単に諦める訳にはいかない』

 

 

通信機越しにエーテリアスの声がする。それを皮切りに、グレースは一方的に通信を切ってしまった。

 

 

「グレースさん! グレースさん!」

 

「もたもたしている暇はねぇ!プロキシ、オレ達もグレースを助けに行くぞ!」

 

「……っ、うん!」

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

『ぐおおおお!なんのこれしき!!』

 

「フライデー!あまり無茶はしないで!」

 

 

グレースは通信を切った後、信号の発信をしながらパイルドライバーと共にエーテリアスの群れと交戦していた。

 

弱小エーテリアス程度ならなんとかなる……しかし。

 

 

 

「グォォオオオオオ!!」

 

「……!」

 

 

先程アキラが言っていた強いエーテル反応を持つ個体。上級エーテリアス、デュラハンが出現した。

 

大きな剣を構え、こちらに猛スピードで突進してくる。

 

 

『うおおおお!? ちょっと待──』

 

 

フライデーが叫んだその時。デュラハンは何者かによって銃撃を受けた。攻撃が飛んできた方向を見ると──

 

 

「姉貴!!」

 

「クレタ!?」

 

 

オートバジンに乗り、フォンブラスターを構えながら走行するファイズ。そしてその後ろにはクレタが乗っていた。

 

クレタは走行するバイクから飛び降り、パイルドライバーに群がるエーテリアス達をハンマーで一掃する。

 

ファイズはバイクに乗りながらファイズショットを装着し、ミッションメモリーを装填。

 

 

[Exceed Charge]

 

 

ファイズフォンのENTERキーを押した後、バイクを踏み台に大きく飛び上がった。

 

 

「ハァァァアッ!!」

 

 

ファイズは拳を構え、デュラハンに向けて『グランインパクト』を炸裂させる。防御虚しく、一撃を食らったデュラハンは『Φ』のマークを浮かべ消滅した。

 

ファイズは他にエーテリアスがいないかを確認するため、周りを見渡す。すると──

 

 

「あいたぁっ!?」

 

「?」

 

 

後ろから、グレースの悲鳴が聞こえた。

 

 

「いったぁ……クレタ、ジャンピングスマッシュなんてひどいじゃないか……」

 

「うるせぇ!なんで社長の命令を無視して突っ走った!オマケにこっちとの通話は一方的に切りやがって……」

 

「待っておチビちゃん。これには理由が──」

 

「言い訳は無用だ!」

 

 

クレタはそう言ってばっさりと切り捨てた後、真っ直ぐグレースの目を見る。

 

 

「あのな姉貴……お前は白祇重工の社員である前に、あたしの大事な家族なんだ。プロトタイプを見つけたところで、お前に何かあったら意味がねぇ」

 

「……え?」

 

 

自身の素直な思いを告げるクレタに面食らうグレース。

 

 

「クレタの言う通りだよ、グレースさん。どんな理由があったって、命より大事なものなんて無いんだから!」

 

 

遅れてやってきたプロキシもクレタに同意する。

 

 

「プロキシ……」

 

「クレタの事、それに白祇重工の事を思っての行動だって、皆分かってるけど……グレースさんに何かあったら、クレタはこの先の事にどう立ち向かったらいいの?」

 

「……それも、そうだね。ごめんねクレタ。心配をかけさせちゃって……」

 

「……別に良い。もう終わった事だ」

 

「……」

 

「……なんだよ。何ニヤニヤしてんだ」

 

「いや……『姉貴』なんて呼び方をされたのはいつぶりかなって」

 

「……うっせ」

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