現在アンドー、ベン、グレース、そしてバトルモードに変形をしたオートバジンが侵蝕体と交戦をしていた。
しかし状況はやや不利。
「クソッ、このままじゃオダブツだ……!社長!」
クレタが吹き飛ばされた方向へアンドーが呼びかけるが、返事は帰ってこない。
ファイズは左手首のファイズアクセルに手をやろうとし──
「待って!」
「……プロキシ」
プロキシに止められてしまう。
「その力を使ったら、ファイズだって無事じゃ済まないかもしれないんだよ? 『あの時』だってそうだったじゃん……!」
「……分かってるよ。でもな、ここはやるしかない……!」
「!」
そう言ってプロキシの制止を振り切り、ファイズはファイズアクセルからアクセルメモリーを取り出す。
「……ファイズ? 何をするつもりだ?」
「……アンドーさん。悪いけど十秒だけ、待っててくれ」
そしてアクセルメモリーをファイズフォンへと装填した。
[Complete]
胸部のフルメタルラングが展開し、ブラッディコア等の内部機構が露出する。
そして体のフォトンストリームが白く光り出し、赤色から銀色へと変色していく。
黄色い複眼は赤色へと変わり、ファイズは『アクセルフォーム』へと変身した。
「……これは、一体」
ファイズの変化に戸惑うグレースたち。
ファイズはファイズアクセルのスタータースイッチを押す。
[Start Up]
内部機構から駆動音が大きく響き渡り、排熱により周りの温度が急上昇する。
エッジを構えたファイズは、侵蝕体に向けて目にも止まらぬスピードで動き出した。
「ハァッ!!」
「グォォオオオオオオ!!!」
侵蝕体は咆哮を放った後、無数のミサイルをファイズに向けて発射する。
ファイズはそのミサイルの嵐を軽々と避け、侵蝕体の懐へと潜り込んだ。
そしてその音速のスピードで、ファイズエッジによる一撃を叩き込む。
「……なんだ、あのスピード……!」
一撃、また一撃と、侵蝕体が攻撃を食らったと認識する前に、次なる攻撃が飛んでくる。
[Three]
ファイズエッジで足の部位に攻撃を入れ、続けざまに破壊していく。
[Two]
この音速の猛攻に、侵蝕体は文字通り手も足も出なかった。
[One, Time out]
「……」
[Reformation]
システム音声が時間切れを告げる。
フルメタルラングが閉じ、フォトンストリームが赤色に戻り、ファイズは通常形態へと戻った。
「…………ぐっ」
「ファイズっ!」
それと同時に、膝をついた。プロキシ達は急いで駆け寄る。
ファイズアクセルを使用した反動により、力なく地面に倒れ込むファイズ。
「……悪い。二回目だから慣れると思ったけど、そうでも、ねぇな……っ」
「おいファイズ!しっかりしろ!!」
意識が朦朧とする中、ファイズには確かに聞こえていた。
クレタが吹き飛ばされた方向から、何かの重機が起動する音が。
その重機が何なのか。それを操縦しているのは誰なのか。答えはひとつしかない。
まだファイズアクセルの力に体が追いついていないからか、侵蝕体にとどめを刺すまでには至らなかった。しかし、問題はないだろう。
(後は頼んだ、クレタ……)
目が覚めたらあの世に居ました、なんて事にならないよう祈りながら、ファイズはゆっくりと目を閉じた。
ファイズアクセル、普通の人間が使ったら負担エグそうだよねっていうお話