ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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1.4予告見ました
悠真配布やばい、神すぎる


アトリウムへ

 

 

 

 

 

タクミはイアスと一緒に、バレエツインズのホロウの入り口に到着した。

 

そこには既に、ヴィクトリア家政の四人がいた。

 

 

「悪い、待ったか?」

 

「滅相もございません。それでは早速、棟内へと向かいましょう」

 

 

バレエツインズのA棟内に入った一行はレイン捜索のために、作戦を立てる事にした。

 

 

「プロキシ様、ご友人がB棟の屋上に留まっていた可能性があるのなら、まずはそこを目指すのはいかがでしょう」

 

「おっけー。面倒をかけちゃうかもだけど、よろしくね、ライカンさん!」

 

「とんでもございません、大切なお客様なのですから。貴方様の願いが私共の使命です」

 

「ガイド様、バレエツインズの見取り図をご確認くださいまし」

 

 

そう言ってリナはプロキシに一枚の紙を手渡す。

 

そこにはバレエツインズのビルの大まかな構造と、目的地までのルートが分かりやすく描かれていた。

 

 

「ご覧の通り、お客様と私達の現在地はA棟の入口ですわ。こちらのキャロットを見る限りは、B棟までアトリウムの長い渡り廊下をゆく必要がありますわね」

 

「肯定。エージェントが提示した情報は確かなものです。そこを目標地点とする事をおすすめします」

 

「案内は私に任せて! それじゃ出発!」

 

 

一行がアトリウムへと向かおうとしたその瞬間、ぼんやりと光っていた照明がチカ、チカ、と点滅し始めた。

 

 

「……? 明かりがチカチカしてる……古いからかな」

 

「……だといいけどな」

 

 

照明が点滅するのは何かが『いる』お約束の展開。

 

ヴィクトリア家政がいるとは言え、ファイズは不安を拭いきれないままだった。

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

A棟の中心部にて。

 

ファイズ達は立ちはだかるエーテリアスと交戦していた。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

最後のエーテリアスを倒し、ファイズは何度かのため息を吐く。

 

 

「……二度目だけどやっぱ慣れねぇな……ずっと薄気味悪いぞここ」

 

「……そうですか? エーテリアスと戦ってる時は、イキイキとされていらっしゃいましたけど……」

 

「あー……いつ出るかも分からねぇ幽霊に警戒するよりエーテリアスと戦ってる方が安心するっつーか」

 

「……エーテリアスの方が幽霊より怖くないってこと?」

 

「こ、怖いとは言ってねぇだろ……まあでも、そんな感じだ。馬鹿正直に襲ってくれた方が対処しやすい」

 

 

そんなことを話していると、周りの照明が再びチカチカと点滅しだした。

 

 

「……また明かりが点滅しだした。気のせいじゃないよな? ここに来るまでも、何度か同じ事があったけれど」

 

「そ……そうでしたか? あはは……」

 

「……確かに何度もあったね。やっぱあの噂、ホントだったり」

 

「へ? 噂って、どんな?」

 

「エ……エレンさん!」

 

 

慌ててカリンが止める。何か知られてはいけない理由があるのだろうか。

 

 

「あ……これ言っちゃダメなヤツ? ボスがブリーフィングでよこしたヤツ、長すぎて読んでないから」

 

「ちょ……ちょっと待てエレン、噂ってなんだ。照明の点滅と、何の関係があるんだよ」

 

「ファイズ様、それについては私から説明させてくださいまし」

 

 

リナ曰く、このバレエツインズには心霊現象が度々起こるらしい。

 

かつてバレエツインズがホロウに呑み込まれた際、有名な舞踏家の姉妹が命を落としてしまった。

 

そしてそれ以来、姉妹の怨霊はバレエツインズの主となったのだ。

 

 

「……つまり明かりが点滅してる原因は」

 

「ええ。その姉妹の怨霊の仕業かもしれない、という噂ですわ。なんでも不届き者が足を踏み入れた際に、立ち去るよう警告するため……なのだとか」

 

 

それでも出て行こうとしない輩に対しては、停電を起こし、その隙にその者の命を刈り取るのだそう。

 

このような心霊現象が起こるビルが『事故物件』扱いされるのを恐れたオーナーは、ヴィクトリア家政に真相を究明するよう命じたのだった。

 

 

「……それが、バレエツインズに来た本当の目的だったんだね」

 

「当初は私共もこの噂を与太話の類であると思っておりました……ですが、先程の状況を鑑みるに、停電に関しては本当なのかもしれません。これは、新たなリスクになり得ます」

 

「リスク?」

 

「ええ。B棟へ通じるアトリウムへの入口には防火シャッターが設けられており、停電によって自動で閉じられる仕組みとなっているのです」

 

「……なら、シャッターが閉まる前に急ぐしかないね」

 

 

こうしてはいられないと、一行はアトリウムの入口へと急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつは……まさか」

 

「……間違いない、あの風貌──ファイズだな。やはり奴ら、小娘を救出しに来たのか」

 

「……何故ここが分かったのでしょうか」

 

「十中八九あの小娘が、救難信号か何かを送ったのだろう。先程、雇い主から連絡があった。あいつがどれだけ外部に情報を漏らしたのか、突き止めなければならん」

 

「侵入した連中はどうしますか?」

 

「なるべくこちらに近づかせないようにしろ──そうだな……このビルを彷徨う、例のエーテリアスを奴らにけしかけるのも良いかもしれん。『アレ』を利用してな」

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