アトリウムの入口へと急ぐ一行。
明かりが点滅する頻度は先程よりも多くなっていた。
「点滅がより頻繁に……急ぎましょう!」
「うん!」
「ガイド様、お守りしますわ」
プロキシは入口へと走る。
カリンはチェーンソーで群がるエーテリアスを切り裂き、エレンは大きなハサミを使って蹴散らしていく。
リナは2匹の戦闘用ボンプのドリシアとアナステラを従えながら、走るボンプ姿のプロキシを手助けする。
そうしていきながら、一行は入口へと辿り着いた。
「アトリウムはすぐそこだよ!」
しかし、入口に通ずるシャッターは今にも閉じようとしている所だった。
ライカンはそれを見て駆け出す。
[Complete][Start Up]
その瞬間、ライカンの後ろから音速で何かが飛び出した。
アクセルフォームへと変身したファイズが、シャッター目掛けて全力で走る。そして──
「フッ!!」
「ファイズ!」
スライディングの姿勢をとり、何とかシャッターが閉じる前に潜り抜けることができた。
しかし、アトリウムに辿り着けたのはファイズのみ。ライカン達は間に合わなかった。
[Reformation]
「よし……何とか間に合ったな」
「ファイズ様、聞こえますでしょうか!」
シャッターの向こう側からライカンの声が聞こえる。
「聞こえてるよ。ただ、アトリウムに辿り着けたのは俺だけみたいだな……」
「問題はございません。アトリウムの渡り廊下を渡った先に、手動でシャッターを動かす装置が設置されております。御手数ですが、ファイズ様にはそれを起動して頂きたいのですが……」
「よし分かった。任せろ」
「感謝致します」
そうしてファイズは渡り廊下を走っていった。
「ファイズ様のお陰で無事にB棟へと向かえそうですわね」
「ええ。彼がいなければシャッターを開けるために停電の原因を突き止める所からやる羽目になっていたでしょうから」
「うぇ〜……確かにそれはメンドイかも……」
しばらくした後、シャッターが開かれる。プロキシ達はシャッターを開けたファイズと合流した。
「ファイズ〜!! ナイスだったよ──ってそういえば!」
「……? どうした」
プロキシはファイズに耳打ちする。
「さっきアクセルフォームに変身したでしょ? 体は大丈夫なの?」
「あー……今ん所は問題ないぞ。体に異常はない」
「そう? それなら良いけど……」
「如何なされましたか、プロキシ様」
「あ、ううん、何でもない!」
「? 左様でございますか」
そうして一行はレインが居るB棟へと到着した。あとは屋上へ行けば、レインを見つけられるはずだ。
「あれ?」
歩を進めていくと、床に何かが落ちているのを見つけた。
「……! これって……」
「プロキシ様、お心当たりが?」
「……間違いない、レインのリュックだよ! ここに居たんだ!」
プロキシは手掛かりを探すために、リュックを漁る。すると何かを見つける。
その何かは液晶でカウントダウンを行っていた。それはまるで──
「爆だ──」
「ハァッ!」
プロキシが持っていたソレをファイズは瞬時に蹴飛ばす。そして警戒をするが……何も起こらない。
ファイズが恐る恐る近付き、それを拾って確認をする。
機械からは、音楽が流れていた。
「……これ、ただの録音だな」
「録音?」
「ああ。音楽プレーヤーか何かだろ。危なくは──」
そう安堵した瞬間だった。
「……は?」
背後から突然、バレリーナの様な姿のエーテリアスが、その刃のような足でファイズを吹き飛ばした。
「ファイズ様!!」
さらに不幸は重なる。
ファイズが吹き飛んだ先に示し合わせたかのようにエーテルの裂け目が出現。ファイズは為す術もなくその穴に呑み込まれてしまった。
そして後を追うようにそのエーテリアスも裂け目へと飛び込んでいった。
「ファイズ!ファイズ!!」
プロキシが裂け目へと走るが、閉じられてしまう。
「……! なんで、あそこにエーテリアスが──」
悲しみに暮れる間もなく、次なる危機がやってくる。今度はプロキシ目掛けて、無数のミサイルが飛んできた。
「や、やば──」
「フッ!!」
しかしそのミサイルはエレンの大バサミによる斬撃で鉄くずと化した。
間髪入れず、エレンはミサイルを放った大元へ突撃する。
「! エレン、全員倒しては……!」
ライカン達はエレンの元へ向かう。既にエレンの手によって、ミサイルを放ったであろう兵士は倒れていた。
「……私達以外にも、誰かいる……?」
「……彼らはしばらく起きないでしょう。一度、ここから連れ出しましょう」
「っ、そうだ……ね……」
「……プロキシ様、ご心配なく。ファイズ様も私共の大切なご友人でございます。必ずや、お救いいたします」
「ありがとう……ライカンさん」
停電復旧のくだり全カット!