下手にオリキャラ出すよりかはこういう形で出した方が自然な気がする、多分
「……ねぇプロキシ」
「どうしたの?」
「タクミが巻いてるベルトって、あんな派手だったっけ」
エレンの言う通り、彼が装着しているベルトはファイズのそれとは少し違っていた。
形状は似通っているが、ファイズドライバーとは違い黒を基調とした見た目で、金色の縁取りが施されている。
「何でしょう、あれ……それに彼、こちらを見るだけで襲っては来ませんね……」
「……敵意は無い、という事でしょうか。何であれ、今の我々にとっては好都合です。先を急ぎましょう」
一行は彼を無視し屋上へと行こうとする。
それを見たタクミは、表情筋ひとつ動かさずに手に持っていたケータイを開く。
そして……コードを入力し始めた。
[0・0・0][Standing by…]
「変身」
本物と寸分違わぬ声でそう喋った後、手に持ったケータイ──オーガフォンをバックルにセットした。
[Complete]
「……!」
ケータイ部分から金色の線が出現し、タクミの身体を囲んでいく。
やがてその身体は眩しく光り出し、変化した。
黒いボディ。全身に走る金色のオメガストリーム。胸部に位置する赤色のオーガコア。
そして赤色の複眼を輝かせ……タクミはオーガへと変身した。
「ファイズじゃ……ない!?」
「やっぱ見逃してはくんないみたいだね……」
「皆、戦闘の準備を……! プロキシ様は後ろへ!」
「……」
[Ready]
オーガは冥王の剣、オーガストランザーにミッションメモリーを装填し、ライカン達を葬るべくその剣を構えた。
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一方その頃。
本物のタクミ──ファイズは現在マリオネット・ツインズに苦戦していた。
このエーテリアスがバレエツインズで命を落とした双子の姉妹というだけあり、怒涛のコンビネーション攻撃は反撃の隙を許さなかった。
「ぐっ……うわぁっ!!」
ブラックベールがグレイベールを復活させた後、先程よりも攻撃のスピードも威力も桁違いに上がっていた。
ファイズは二体の攻撃を捌き切れず、攻撃を受けてしまう。
吹き飛ばされたあと、体勢を立て直したファイズは状況を打破すべく頭をフル回転させる。
(片方だけを倒してもすぐ復活させちまう……どうにかして両方同時に倒す方法は──そうだ)
そこまで考えた所で、ファイズはアクセルフォームの存在を思い出す。
しかし、この力を使用して気絶する事になったらいよいよマズい。
アトリウムではたまたま気絶せずに済んだが、今回どうなるかは分からない。
レインに気絶した自分を運んでもらう訳にもいかない。かと言って決着を早めに着けなければ飛行船はホロウに激突してしまうだろう。
(……こうなりゃ一か八か……!)
勿体ぶっている暇は無い。そう思い立ったファイズは、左手首のファイズアクセルからアクセルメモリーを取り出す。
そしてそれをファイズフォンに装填した。
[Complete]
フルメタルラングが展開し、フォトンストリームが銀色に変わる。
アクセルフォームへと変身した。
[Start Up]
スタータースイッチを押し、姿勢を落として二体を見据え狙いを定める。そして──
「ハァッ!!」
音速でツインズの方へ向けて駆け出した。ツインズは迎撃にエーテルの弾幕をファイズにバラ撒く。
しかしファイズはその弾幕の合間を縫うように避け、グレイベールへと一撃を叩き込んだ。
「!!」
「フッ!!」
十秒というタイムリミット。その間にファイズはグレイベールへ、ブラックベールへ猛スピードで攻撃を叩き込んでいく。
さらにその後二体をキックで空中へと打ち上げる。
間髪を入れずに、ファイズは大きく飛び上がりポインティングマーカーを一度に複数射出した。
[Three]
囲むようにマーカーを出し、宙に放り出されたグレイベールとブラックベールの動きを封じる。
[Two]
そしてそのまま──
[One]
「ハァァァァアアアッ!!!」
空中の二体に向けてファイズは、無数の『クリムゾンスマッシュ』を叩き込んだ。
[Time out]
大ダメージを食らい、地面へと落下するブラックベールとグレイベール。
その二体は起き上がった後、互いに手を繋ぎながら天を仰ぎ、そのまま姿を消して『退場』した。
[Reformation]
「……消えた?」
「ファイズ!」
「!」
物陰に隠れていたレインがファイズの元へ駆け寄る。
「あの姉妹は?」
「分からない。倒せたとは思うけどな……まあ消えたんならそれで良い。今の内に屋上に行くぞ!」
あの双子がどこへ消えたかは分からないが、少なくとも撃退できただけマシだろう。
それにアクセルフォームに変身した後、気絶しなかったのも大きい。
二人はキャロットの示す方向へと急いだ。