ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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シックスティーフォー!(裏声)

タイトル通り、アンドーさんとテニスするだけです
テニスのルールはうろ覚えなりに調べましたが、もしかしたら至らない部分等あるかもしれません


番外編③
アンドーテニス


 

 

 

 

 

 

[タクミ、今暇か?]

 

 

とある日の午前中。

 

突如、タクミのスマホからノックノックの通知音が鳴った。

 

メッセージの送り主はアンドー。

 

ベッドに寝転びながらタクミは返信する。

 

 

[どうしたんだ]

 

[今日は休みなんでな、家で過ごしてたんだ]

 

[休み? 今日は平日だけど、今は仕事の時間じゃないのか?]

 

[本当ならな……だが、社長から今のうちに有給を消化しとけって釘を刺されたんだ]

 

 

どうやら白祇重工には年に五日、有給を消化しないといけない義務があるらしい。

 

そこでアンドーは有給を一気に五日消化するのではなく、感覚を開けて一日ずつ有給を取得していくという方法を取った。

 

 

[五日連続で休んじまったら、鍛えた筋肉だってあっという間に衰えちまう]

 

[本当なら一日だって休みたくはねぇが……決まりなら仕方ない]

 

[だが雨が降ってるわけでもねぇのに、これ以上家にいるのは苦痛なんだよな……]

 

[つーわけでタクミ、オレとなんかやらねぇか?]

 

 

メッセージを見て、タクミは唸る。

 

 

(……暇つぶしか。俺も暇っちゃ暇だけど、何をやるか──あ、そうだ)

 

 

[そんじゃアンドーさん、運動でもしねーか?]

 

[おお、勿論良いぜ! 何をするんだ? ランニングか? それとも筋トレか?]

 

[テニスはやった事あるか?]

 

[テニスか……懐かしいな、それならやった事あるぜ!]

 

[あーでも、ラケットあったかな……]

 

[大丈夫。うちに二本あったから、それを使おう]

 

[ありがとよ! それなら早速行こうぜ!!]

 

 

DMで時間と集合場所を伝え、タクミは早速出かける準備をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけでやって来たのは、新エリー都でもそれなりに大きい規模を誇る運動公園。

 

そこにあるテニスコートへと行くと、既にスポーツウェアを身につけているアンドーがいた。

 

 

「おうタクミ!」

 

「待たせたなアンドーさん。それじゃあ早速やろう」

 

 

タクミはアンドーに予備のテニスラケットを渡す。

 

 

「ようし。それにしてもテニスか……感覚を取り戻せると良いんだが」

 

「大丈夫だよ。俺もテニスは久しぶりだし」

 

「なんだよ、今やってる訳じゃなかったのか」

 

「昔にやってたってだけだったからな。なぜか急にやりたくなってさ」

 

「ハハ、そういう事だったのか! そんじゃ、始めようぜ!」

 

 

そして手に持っていたアンドーの兄弟──電動ドリルをベンチに置く。

 

 

「……アンドーさん。さっきから気になってたけどそれ──」

 

「おう、流石にコートに兄弟は持ち込めねぇからな。ベンチで応援してもらう事にしたんだ」

 

 

……言いたい事は色々あるが、ひとまず準備は整った。

 

 

「ンナ!ンナナ!(コホン、それでは……ザ ベスト オブ スリーセットマッチ──)」

 

 

審判ボンプのコールにより、試合は開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ンナナ!(アドバンテージサーバー!)」

 

「……!」

 

 

アンドー対タクミのシングルスは思いのほか白熱していた。

 

お互いに譲らぬ攻防。そうしてゲームは2-2の状態で最終局面を迎えた。

 

今現在、アンドーがデュースから1ポイントを獲得。

 

残り1ポイントを取れば3-2でアンドーの勝利。対するタクミは、勝利するにはここから続けて2ポイントを取らなければならない。

 

 

「……まさかここまで白熱した試合が楽しめるとはな」

 

「……俺としてもここまで汗をかいたのは久しぶりかもしれない」

 

「さぁ、決着だ。ここで決めるぜ……!」

 

 

アンドーは持っていたテニスボールを上にトスし──

 

 

「兄弟……オレに力を貸してくれ!!」

 

 

アンドーはそう叫ぶと地面を蹴り上げ、力強いサーブを繰り出した。タクミはすかさずストロークで球を打ち返す。

 

先程から変わらぬ、白熱したラリーが繰り広げられる。

 

そして、タクミが右のサービスコートに打たれた球を打ち返した時。

 

タクミの動きが体力切れからか、少し鈍り始めているのが分かった。

 

その隙を、アンドーは見逃さなかった。

 

 

「オラァッ!!」

 

「っ!!」

 

 

力強い声とともに、強烈なスマッシュを相手コートへと叩き込む。

 

風を切る音と共に、そのボールはコートの後ろへと飛んで行った。

 

 

「ンナナ!(ゲームセット!)」

 

 

審判ボンプの一声で、短くも熱い戦いは幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「タクミ、今日はありがとうな! おかげで最高の休日を過ごす事が出来たぜ!」

 

「それは何より。俺もすげー楽しかったよ」

 

 

汗をタオルで拭きながら、拳を突き合わせる。テニスは久しぶりだったが、楽しいひと時を過ごす事ができた。

 

 

「……なぁアンドーさん。休憩したらさ、もう一回やんないか?」

 

「……奇遇だな。オレもちょうどそう思ってたところだぜ」

 

 

この後めちゃくちゃテニスした。

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日。

 

 

「筋肉痛だぁ!?」

 

「す……すんません社長、タクミと一日中テニスやってたらこんな事に……」

 

「あのな!あたしは体を休ませろっつったはずだぞ!それがなんでタクミとテニスをする事になるんだよ!もう一日休むか!?」

 

「初めて聞く脅し文句だな……」

 

「……おチビちゃん、そんな事言ってホントはタクミくんと遊びたかったんじゃないのかい?」

 

「なっ、ち……ちげーよ! とにかくアンドー! お前今日定時退社しろよ!」

 

「ちょ、社長! 別にオレは全然働けますって!!」

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