「お待たせ」
「お、来たわね二人とも」
ホロウの入口前。
ニコ達は先にホロウ前で待機、寝間着から普段着に着替えていたタクミとアンビーは遅れて到着した。
ホロウに入った後、猫又は二人の姿を見て質問する。
「……ねぇ二人とも、入れ替わった状態でどうやって着替えて来たの?」
「……聞くな」
「それはもちろんお互いに──」
「言うな!」
「ま……まさかお互いに着替えさせ──」
「聞くなっつーの!!」
顔を真っ赤にしながら話を打ち切ろうとするタクミ。猫又からの視線が刺さる。
「とにかくこの話は終わりだ! あと誤解されねぇように言っとくけど目はずっと瞑ってたからな!」
「……へぇ」
「……そ、そういえばアンタ、入れ替わった状態でもファイズには変身できるのかしら?」
「……え? ああ、そういやまだ試してなかったな」
タクミ(外見アンビー)は早速ファイズドライバーを装着し、フォンでコードを入力する。
[5・5・5][Standing by…]
「変身!」
そしてファイズフォンをバックルにセットするが──
[Error]
「! うぉぉっ!!」
エラーを吐き出した後、ベルトが体から弾かれてしまう。反動で後ろへ吹き飛ぶタクミ。
「タクミ、大丈夫!?」
「ああ……にしても、まさかアンビーの姿じゃ変身できないとはな……」
「……タクミがダメなら」
「アンビー? 何をする気だ?」
アンビー(外見タクミ)は吹き飛ばされたベルトを拾って装着し、ファイズフォンでコードを入力する。
[5・5・5][Standing by…]
「……変身」
[Complete]
「!!」
先程と違ってエラーはなく、アンビーは赤い光に包まれ、ファイズへと変身した。
「おお! 今度は成功したな!」
「……うん、これなら戦えるはず。タクミ」
「え?」
「武器と背中のバックパックを渡して欲しい。これで戦えるはず」
「あ、ああ」
タクミは背負っていたバックパックと電磁ナタが収められた鞘をファイズに渡す。
「それじゃあ皆着いて来てね。あ、タクミは今回は戦わずに私の傍にいてね。武器も何もないんだから」
「……分かってるよ」
元の姿ならタクミは変身してなくてもその辺に落ちている鉄パイプを拾い戦闘に参加していただろう。
しかし今はアンビーの身体を借りている状態。下手な事をして負傷するわけにもいかない。
というわけで今回は大人しくし、プロキシの後をついて行く事にした。
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ニコが持っていたキャロットとFairyが算出したホロウデータを元に、一行は目的の場所へと到着した。
「大きい廃屋だね……」
「アンビー、ここで例のエーテリアスに出くわしたのか?」
「ええ、間違いないわ。この廃屋の中に原因があるはず」
「じゃあ突入するよ。足元気をつけてね」
そして廃屋に入ってすぐに、複数のエーテリアスに遭遇した。
「っ!! アンビー、コイツが!?」
「うん、私が闘ったエーテリアス……!」
「早速お出ましって訳か!!」
「アンビ……じゃなかった、タクミはあたしの後ろにいなさい!」
「分かった……!」
タクミはボンプを抱え、ニコの後ろに移動する。エーテリアスの強さはその辺の個体とあまり変わらなかった。
やがて四人はエーテリアスを全て討伐した。
「ふぅ……ここら辺にいるヤツらは全員倒したが、原因を取り除いたって感じじゃねーな」
「もっと奥に行けば分かるかもしれないね……皆、先を急ぐよ」
一行は大広間へと到着するや否や、衝撃的な光景を目にする。
そこには先程闘ったエーテリアスのサイズを三倍ほど大きくしたような個体が居座っていた。
「……コイツは」
「エーテリアス共の親玉って奴かしら? コイツを倒せば解決ってわけね!」
「待って、ニコ」
ファイズがニコを制す。
「どうしたの?」
「入れ替わった原因であろう攻撃を受けたのは私。だからその元凶は私が倒す。ニコ達は──」
「!」
周りに目をやる。そこには先程相手したエーテリアスが大量に出現していた。
「……アイツらの相手を」
「……分かったわ。ビリー、猫又! 行くわよ!」
「合点だ!」
「任しとけぃ!!」
こうして、元凶であるエーテリアスとの戦闘が始まった。