ZZZ × 555   作:びぎなぁ

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失速?

 

 

 

 

 

その後。

 

ファイズに続いて、後を追ってきたルーシー達もシーザーと遭遇。

 

そしてその直後、トライアンフの長──そして走り屋連盟の現覇者であるポンペイが場に現れる。

 

事の真相はポンペイの口より明らかとなった。

 

ポンペイ曰く、カーサは『ツール・ド・インフェルノ』にかかりっきりなシーザーを気遣い、工芸品の加工と引き換えに物資を受け取っていただけなのだそうだ。

 

ではなぜカリュドーンの子の情報がトライアンフに筒抜けとなっていたのか。

 

それはポンペイの部下であるモルスが、ブレイズウッドに届いた加工前の工芸品に盗聴器を仕込んでいたからだった。

 

ポンペイはその事に対する責任を負い、とある条件を提示した。

 

簡単に言えば、ブレイズウッドへの燃料供給と協議に新しく開拓した五つの輸送ルートのうち三つをカリュドーンの子に任せる、というものだ。

 

カリュドーンの子にとって、これはブレイズウッドの問題をまとめて解決できる願ってもない取引。

 

シーザー達はポンペイの提示した条件を呑む事にした。

 

 

 

そして二日後の現在。

 

タクミは何故かいつもより早い時間に起きてしまった。

 

二度寝するのも……という事で、いつの間にかお気に入りの場所となり始めているタイヤのブランコで暇を潰していた。

 

 

「よ」

 

「パイパーか、おはよう」

 

 

そこへパイパーがふらりとやってくる。

 

 

「おはようさん。随分と早起きなんだなぁ」

 

「何故か早く目が覚めてな。パイパーこそ朝早いな。俺が言うのもなんだけどまだ六時ぐらいだぞ」

 

「この歳になると寝るのも起きるのも早くなるんだぜぃ。そんな事より──」

 

 

パイパーはブランコに座っているタクミの後頭部を撫でる。

 

 

「? どうしたんだ急に」

 

「前にホロウで頭撃たれただろ? タクミはケロッとしてたけどさ……なんともないのか?」

 

「……それなら大丈夫だ。ファイズのスーツは銃弾ぐらいじゃものともしないからな」

 

 

とは言え撃たれた際の衝撃はそれなりにあったため、ファイズは腹いせにモルスを容赦なく叩きのめした。

 

力は最大限抜いていたので許容範囲ではあるはずだ。

 

 

「……てかいつまで撫でてんだ?」

 

「ん〜? 別にいいだろ〜? 減るもんじゃなし」

 

 

そう言ってパイパーは撫でるのをやめない。心地良さとむず痒さを同時に感じながらタクミは大人しく撫でられる。

 

実はタクミ、やたらと撫でられる事が多い。六分街に住んでいる老人だったり、お店の店主だったり。

 

アキラやリンにも時々こうされることがある。自分が末っ子気質だからだろうか。

 

郊外に来てからもライトやバーニス、そして今パイパーに撫でられている。

 

そこへ誰かがやってくる。ルーシーだった。

 

 

「あら、もう起きていらし──何をやってますの」

 

「見ての通り、撫でてんだぜぃ。ルーシーもやるかぁ?」

 

「……結構ですわ。それよりもタクミ、少しお時間よろしくて?」

 

「? ああ」

 

 

 

 

 

 

その後、上層区域のとある場所にて。

 

 

「……シーザーが?」

 

「ここ最近、普段からは考えられない程に大人しくなっていますの。昨晩、何をしてるかと聞けば、『考え事をしている』と言ったんですのよ。あのシーザーが!」

 

 

確かに、普段のシーザーなら考えるより先に行動に起こすだろう。短い付き合いだが、タクミもシーザーがそういう人柄だと言うことはよく知っている。

 

思い当たる節と言えば……ポンペイらトライアンフとホロウで会った時の事。

 

 

「もしかしてあの日と何か関係があるのか?」

 

「かもしれませんわね。あのまま放っておけば、カリュドーンの子全体の士気に関わりますわ。何か良い対処法があれば…………そうですわ!」

 

「?」

 

 

ルーシーが何かを思いついたようだ。

 

 

「バイクに乗って、シーザーと一緒に新エリー都に連れ出して見るというのはどうでしょう?」

 

「新エリー都にか?」

 

「ええ。シーザーは新エリー都にあまり立ち入った事はありませんもの。見聞を広める良い機会になるかもしれませんわ」

 

「なるほどな……分かった、なら明日シーザーと一緒に新エリー都に行こう」

 

「決まりですわね。シーザーには私の方から伝えておきますわ……それとタクミ」

 

「?」

 

「少し身をかがめてくださいな」

 

「……?? ああ」

 

 

ルーシーに言われるがまま、膝を曲げて姿勢を低くする。

 

するとルーシーはタクミの頭に手を置き、そのまま軽く撫で始めた。

 

数秒後、ルーシーは撫でるのをやめる。

 

 

「それではシーザーの事、頼みましたわよ。では」

 

 

そう言うとルーシーは足早に去っていった。タクミは撫でられた自分の頭をさする。

 

 

「……なんか住んでんのか、俺の頭」

 

 

自身の頭の上に猫の幽霊か何かが住み着いてる可能性を拭いきれないタクミだった。

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、来たな!」

 

 

翌日の朝。約束の場所へ行くと、既にシーザーはバイクを停め待っていた。

 

 

「ルーシーから聞いたぜ。今日は新エリー都の案内してくれんだろ? わざわざ悪いな」

 

「大丈夫。姉ちゃんからおつかいも頼まれたし、丁度良い機会だ」

 

「ハハッ、ありがとな。お礼と言っちゃなんだが、ボディガードはオレ様に任せてくれ! それじゃ行くぜ、後ろに乗りな!」

 

 

シーザーはバイクに乗る。タクミも彼女の後ろへ乗り、そのまま新エリー都へと出発した。

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