気づいたらおんみょ~ん?しかも特性がチート過ぎた件 作:たかきょう
ホウエン地方のシーキンセツという場所にて、
『おんみょ~ん!』
とあるポケモンの鳴き声が虚しく響いていた。
そして、その鳴き声の主というのが何とこの私、ミカルゲなのである。
実を言うと私は元々は人間だったのだ。しかし、数時間からだろうか?何かしらの理由でこのミカルゲというポケモンになっていたのだ!
(いや!そもそも、何でこうなったんだろ?ちょっとだけ昼寝をしていただけなのに...)
ちなみに幸いにも、私は人間時代の記憶はしっかりと保持している。よって、身も心もミカルゲに染まるという最悪の事態は避ける事ができた。
人間時代はポケモンにハマっていたので、ポケモンに対する大体の知識はあるし、このミカルゲというポケモンがどれぐらいの強さでどのような技を覚えるのかなどは把握しているつもりだ。
(ポケモンになったとはいえ、実際に技を打てるのか?とりあえず、やってみるか...)
そう考えた私の行動は早い。まずは『シャドーボール』を打てるかどうか試してみた。
『えっと、イメージとしては紫色の玉を出して対象に目掛けて発射する感じか...』
そんな感じでやってみたら、あら不思議!目の前に本当に紫色の玉が現れて、それが壁に目掛けて発射されたのだ。
ボンッ!
「おわっ!」
私は驚きのあまり、声が出てしまった。それもそのはず...私が放った『シャドーボール』の衝撃で壁にはぽっかりと穴が空いてしまったのだから...
(このぐらいで驚いてちゃいけないな...ミカルゲよりも強いポケモンだっているんだから...)
ここはポケモンの世界。そして、今の私はポケモンなのだから...
・・・・・
そんな感じでどんな技を出せるかを一通り試してみたのだが、流石に使える技は4つまでだった。
...で、今の私が使える技はというと、
・シャドーボール
・あくのはどう
・おにび
・あやしいひかり
このようなラインナップだ。
(まぁ、ミカルゲになった時点で大体は察していたけどさぁ...技範囲狭すぎだろ!?)
ミカルゲのあくとゴーストという複合タイプは弱点がフェアリーのみであるため、耐性としてはかなり優秀な複合タイプなのだが、攻めの場合だと技範囲が被るために微妙なタイプなのだ。一応、それを補うために変化技があるのはありがたい。
しかし、だからといって過信はできない。相手の特性がマジックガード、マジックミラーの場合はそれも通用しなくなるからである。ミカルゲは耐久力こそ高めだが火力はそこまでないため、変化技が効かないポケモンが相手だと流石に辛いのだ...
だが、それ以上に深刻な問題が存在していた...
(シーキンセツって周りが一面の海だったはず...どうやってここを離れれば...)
ミカルゲといえばシンオウ地方の【みたまのとう】だろうという認識が甘かった事を痛感させられた。私がシーキンセツにいるという事はオメガルビー・アルファサファイアの世界線なのだろう。そのせいで一大事なのだが...
「とりあえず、外に出るか...どうやって海を渡るかは後で考えよう。」
てなわけで、私は何とか外に出る事にした...
・・・・・
外に出れたはいいものの...やっぱり、周りは一面の海が広がっていた。ミカルゲの姿ではとてもじゃないが岸まで泳げそうにはない。どこかに捨てられた船でもあればいいんだけどなぁ...
その時だった。
『危なっ!!』
突如として、野生のポケモンが私の前に姿を現した。
(ん?あれは...ペリッパーか!)
キャモメの進化形でアニポケでもロケットガチャットの運搬要員で有名なペリッパーだった。
『ペリパッ!』
『ちっ!戦いは避けられないようだな...』
なぜだか知らないが、ペリッパーは私を威嚇しているようだ。とてもじゃないが平和的な解決は不可能だろう。
(何とかコイツを倒さなければ...)
一時の睨み合いの末、先に動いたのはペリッパーだった。私に向かって『みずでっぽう』を放ってきた。
『舐めるなよ?この私が『みずでっぽう』ごときで...』
ミカルゲになった以上、動きは鈍いが耐久力には自信がある。僅かなダメージにはなるだろうが低威力の『みずでっぽう』ぐらい、甘んじて受けてやろう。そして、そこから反撃開始だ!
そう判断してペリッパーの『みずでっぽう』をくらった私だったのだが、とある異変に気づいた。
(あれっ?全然、ダメージにならないんだけど?)
思った以上に私の耐久力が高すぎたのか?それとも、このペリッパーが弱すぎるのか?
いや、違う!いくら、私の耐久力が高くてペリッパーが弱すぎたとしてもだ...最低でも1のダメージは受けるはず。
それに私にはペリッパーの『みずでっぽう』が弱いというよりかは、全く効いてないと感じたくらいだ。そう...技の刺激すらも感じなかったのだ。
つまり、お互いの耐久力や火力の問題ではない...そもそも、私に効いてないのだ。
(どうなってるかは知らんが、今は戦いに集中しなければ...)
そして、後に私は自らの身に起こっている事実を知らされる事になる。