気づいたらおんみょ~ん?しかも特性がチート過ぎた件 作:たかきょう
『まっ...参りましたっす...』
それから、10分後...私を襲っていたぺリッパーは私にこう言って許しを乞うていた。
ペリッパーを観察して分かった事だが、この世界ではPPの概念はないらしい。ペリッパーが40回以上も『みずでっぽう』を平気で撃ってこれるわけである。それでも技を連発するにあたって疲労自体はするらしく、実際に私の目の前にいるペリッパーにはもう技を撃つだけの体力は残っていないようだった。
『いや、私は全然構わないけどさ。それよりも疲れてるんだろ?ここは『はねやすめ』でも使って体力を回復したらどうなんだ?』
『その...自分、その技は覚えてないんっすよ...』
おまけにだが私はミカルゲになった事でどうやら、ポケモンの言葉が分かるようになっていた。実際に今もこうやってペリッパーと喋っている。
『それにしても、ミカルゲの兄貴は凄いっすよ!俺の技を何発くらっても全くの無傷じゃないっすか!』
『あぁ...褒めてくれてありがとうな。』
それにしてもだ。自らの身に何が起こっているというのだろうか?ミカルゲになっていただけならともかく、おまけに相手の技を受け付けない体質になってしまっているのだ。
(もしかして、私は特殊個体のミカルゲなのか?)
ミカルゲの特性は相手のPPを多く減らす『プレッシャー』と一部の技の効果を貫通してダメージを与える『すりぬけ』の二つ。どちらも確かに協力な特性なのだが技を無効化するなんて効果まではなかったはずなのだ。
『ミカルゲの兄貴、決めたっす!俺をあんたの弟子にしてくだせぇ!俺もあんたみたいに強くなりたいっす!』
『私に弟子入りしたいと言われてもなぁ...』
いやいや!ミカルゲとペリッパーじゃ、体格もタイプも特性も使える技までも全然違うというのに私はコイツに何を教えればいいんだよ?
...いや、待てよ?
こちらから教えられる事はないが、コイツを仲間にする事自体にメリットがないわけでもないな...
『分かった、君の弟子入りは認めよう。』
『ほんとっすか!?』
『あぁ、その代わりにというのもなんだが...まず私の頼みを聞いてくれないか?』
『もちろんっす!何でも言ってください!』
私がコイツを仲間にした理由、それは...
『とりあえず、私を運んでこの海を渡ってくれないか?別の場所に行きたいんだ。』
『そんな事ならおまかせくださいっす!』
そう...移動手段としての価値だ。ミカルゲの姿では海を渡って別の場所に行くのは困難。おまけにシーキンセツは閉鎖された施設であり、人が来る気配もなかった。よって、私がシーキンセツから離れるにはひこうタイプのポケモンの力を借りなければならないのだ。
『では、出発するっす!ところでミカルゲの兄貴、目的地はどこっすか?』
『そうだな...とりあえずはミシ...いや、ムロタウンだ。ここからだとそれなりに近いからな。』
最初は一番近いミシロタウンにしようとも考えていたが、私の直感があの町には行ってはいけないと言っている気がしたのだ...
『ムロタウンっすか?分かりましたっす!』
『その...場所は分かるよな?』
『もちろんっすよ!ミカルゲの兄貴、俺のくちばしから落ちないように気をつけるっすよ!』
こうして、私は空へと飛び立ったペリッパーのくちばしの中にて揺られながらシーキンセツを離れていったのだった。