最強治療師が零細ファミリアにコンバージョンするのは間違っているだろうか?   作:やってられないんだぜい

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 投稿遅くなってすいませんでした。試験やらなんやらでバタバタしたという言い訳はしておきます。来週もあるので再来週からは最悪週1ペース+文章も増やしたいと思います。

 本編は全然進んでいませんがごゆっくりお楽しみ下さい


母性には逆らえない

 

 メインストリートに出た2人。ベルは普段とは違う大勢の人だかりに怪物祭への興味が益々募り目を輝かせていた。

 

 「うわぁ!凄い人ですね!」

 「凄いだろ?普段ダンジョンの篭る冒険者達も、この日はみんな休んで祭りを楽しむんだ」

 「ヘルさんは怪物祭見た事あるんですか?」

 「去年も一昨年も楽しんだよ。出店とかもあるけど普段食べてる味と変わらないはずなのにこれがまた美味く感じるんだよ」

 「へぇ〜」

 

 と言っても怪物祭に顔を出すようになったのはここ数年の話だ。ロキに『いい加減身体休まんとパンクするで』と無理矢理連れ出されて一緒に見て回ったのが事の始まりだった。最初は嫌々ながら参加した怪物祭だったが、沢山の出店に見せ物も豊富で思いの外楽しめた為、翌年も怪物祭を楽しむようになった。基本ダンジョンに篭りっきりで趣味も金が掛からない読書程度だった俺は、貯まっている貯金をこの日に盛大に使うことにしている。

 

 確かに怪物祭の日のダンジョンは他派閥の鉢合わせしたり、モンスターの横取りや擦り付けの心配もなく平穏にモンスターを狩れる利点もある。だが怪物祭の楽しさを知った今では些細な事だ。

 

 

 

 とまぁ何気ない会話をする俺達だったが、まずはお使いを済ませなければいけない。しかしこの人だかりの中から彼女を探し出すなんて至難の業だ。俺の魔法はこんな時は役に立たないし、そもそも彼女がどんな格好なのかも聞いていない。最悪届けられなかったらごめんなさいと謝ろう。アーニャならきっと『なんで届けてくれなかったにゃっ‼︎』ってキレるだろうが、彼女なら謝れば許してくれそうだ。彼女なら分かってくれる。この中から特定の者を見つけ出すなんて最早それは神の所業……

 

 「おーいっ!ベルくーんっ!ヘル君っ!」

 

 まるで計ったかの様に聞こえる行方知らずの神様の声が聞こえた。振り返るとツインテールをぴょこぴょこさせながらとてもアンバランスな少女が駆け寄ってくるのが見える。成程、この人混みの中意中の人を見つけ出すなんて流石は神様だ。

 

 「神様!?」

 「ベルくーんっ!」

 「うわぁっ!?」

 

 ベルの胸元に飛びつくヘスティア様。突然の飛びつき抱擁に驚くベルだったが、彼女の身体を包み込む様にバックステップをしながら抱きしめた。その動きはヘルが教えた背後に現れたモンスターからの攻撃を凌ぐ防御術であり、しっかり身に付いている事にヘルは感心する。

 

 「神様、どうしてここに!?」

 「そんなの君に会いたいからに決まっているじゃないか!」

 「いや、だからどうしてここに……それより、今までどちらに…」

 「いやー、君に会いたいと思ってここまで走って来たけど本当に会えるなんて、僕達はやっぱり巡り合う運命なんだよ!」

 

 俺もいますよーっと茶々を入れたかったが、無粋な事と割り切り心に留めた。ヘスティア様が浮かれ過ぎて気付くのに遅れたが、ベルの表情がとても明るい。心配してた主神が自分の元に帰ってきてくれた事に心底安堵しているのだろう。やはりベルにヘスティア様は必要不可欠な存在の様だ。

 

 折角の祭りなのだ、ヘスティア様はベルとイチャつきたいだろうし、ベルもヘスティア様に色々話したい事もあるだろう。ここは大人(19)として空気を読んであげますか。

 

 「ヘスティア様、久々にベルとイチャイチャしたいでしょう?俺は適当にぶらぶらしてるんで2人でデート楽しんで来てください」

 「ヘ、ヘルさん!?何言ってるんですか!?」

 「ベル、シルさんへの届け物は俺がするからヘスティア様をよろしくな。しっかりエスコートするんだぞ」

 

 ベルはデートと言われ顔を真っ赤にする。しかし、ヘスティア様でそんなになっていたら本命(アイズ)とのデートなんて夢のまた夢だぞ。これを機に女性のエスコートの仕方を学んでこい。

 

 俺は手を振ってその場を立ち去ろうとするが、止めたのは他でもないヘスティア様だった。

 

 「どうしてだい?君も一緒に回ればいいじゃないか?」

 「いや〜、ファミリア作り立てって事はヘスティア様も地上に来てから日が浅いでしょう?折角の祭りなんですから初めてはヘスティアファミリア団員1号のベルと楽しんできては如何です?」

 「………あっ!ははぁ〜ん、分かったよ」

 

 何か察しましたよ雰囲気を醸し出すヘスティア様。一体何が分かったというのか。

 

 「もしかして嫉妬しているのかい?」

 「………はい?」

 「僕がベルくんばかりに構うから寂しくなっちゃったのかなぁ?」

 

 ニヤニヤと笑みを浮かべるヘスティア様。俺が寂しいだって?失礼だが全くの見当違いだ。

 

 「いえ、全然寂しくないですけど」

 「いや我慢しなくていいんだよ。君に寂しい思いをさせてしまったのは僕の責任だ。自分の子を全てを平等に愛すという初歩的な事を怠った僕を許してくれ」

 「もぎゅっ!?」

 

 暴走気味のヘスティア様に抱き寄せられるヘル。その際顔を胸元に持っていかれてしまった。何が言いたいかって?忘れたさ。世界の柔らかさに触れ、思考なんて全て吹っ飛んだよ。

 

 「ヘル君僕と一緒に怪物祭を回ってくれるかい?」

 「……ふぁーい」

 

 ヘルが母性の尊さに目覚めた瞬間だった。それから暫く3人で怪物祭を見て回ったのだが、ヘルは常に何処か上の空だった。

 

 「………あの双子雲……柔らかそうだなぁ〜……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、モンスターのテイムの見せ物が行われている闘技場。その地下である女神による異変が起きようとしていた。

 

 「白髪のあの子がヘスティアの子だったなんて……しかも彼もヘスティアのところに……嫉妬しちゃうわね。ちょっとだけ意地悪しちゃおうかしら。大丈夫、例えもしもの事があっても、今度は私が貴方を抱きしめてあげるから」

 

 

 

 

 

 

フフフッ





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