ぴっちりスーツなボイロ(筋肉娘)でスペオペ風ロボ物   作:その辺の残骸

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罠を張り、気を緩める

 サン・リノル星系、本星。

 

 惑星全域が風光明媚なリゾート地になっており、観光産業で潤う惑星である。

 ガーベラ号から降りて向かったビーチの実物は、VRプロモーションで擬似体験できる物を遥かに上回っていた。

 

「おー、すっごい綺麗」

 

 テラフォーミング技術の応用で快適に整えた砂浜にて、金髪のマキは感心の声を上げる。

 紫髪の平らな胸の少女、結月ゆかりは心のなかで静かに頷き、相棒に同意した。

 

 二人とも大人びており、背が高い。引き締まった美脚の長さのために腰の位置も高く、誰もが見惚れるようなスタイルをしている。

 絶世の美少女を自負しているが、それが自信過剰ではなく、紛れもない事実である稀有な存在だった。

 

 宇宙を股に掛ける傭兵なので殆どの時間をセクシーだが戦闘的なナノスキンスーツで過ごしている。

 ナノスキンスーツは厚さ0.01mmのナノ被膜が大部分を占めているため、裸族と言えないこともない。

 

 今は高級なリゾートビーチに相応しい装いに着替えている。水着である。後ろに続く琴葉姉妹も、同じく水着を着用。

 紫、金、ピンク、水色。鮮やかな髪色に洗練された美しい容姿の少女達だ。

 

 ゆかりとマキは腹筋がバキバキに割れた筋肉美的な肢体を誇る。

 琴葉姉妹は運動部的で健康な体付き。

 そんな華麗な少女たちが、瑞々しい曲線をあらわに練り歩いていれば、否応なしに注目を集めてしまうというもの。

 

 水着そのものも高分子合成機(レプリケーター)で造った安物ではなく、オーダーメイドをオンラインで発注し、現地で受け取っていた。

 

 煌びやかな容姿に相応しい水着は布面積に対して、あり得ないほど高価である。

 

「よーし、遊ぶぞ♪」

 

 水着に着替えると、マキは一行を先導して豊満なバストを揺らしながら歩いていた。

 

 スタイル抜群の金髪娘が身に着けているのは、股間から肩までⅤ字に紐が伸びただけのスリングショット水着。殆ど全裸と言って差し支えない。

 

 流石に胸の先端や股間は、はみ出ないように幅を持たせて長方形の布になっている。が、後ろは合流した紐一本でまっすぐに伸びているだけ。

 その紐はマキの肉感的なお尻の奥にまで食い込んでいる。

 

 無意識に大きくお尻を振るように歩く悩殺的な金髪のお姉さんである弦巻マキ。

 

(あんなに肌を出してるのに、平気で歩けるなんて)

 

(マキさんって本当に凄い。ゆかりさんも……)

 

 明るくオープンなセクシーさを全開にした姿は、八洲の上流階級である清楚な姉妹には刺激が強すぎた。後ろを歩く茜と葵は、揃って赤面していた。

 

 普段のマキはお尻まで隠せるロングヘアだが、今は金髪を後頭部に纏めているので、その有様が丸見えであった。

 

 極めて大胆。痴女的でさえあったが、マキの明るい雰囲気と筋肉質な肉体美が健康的な印象を与えていた。

 

 そんな金髪の巨乳娘が畳んだビーチパラソルを肩に担いだ姿がやけに勇ましい。ファンタジーの世界からやってきたセクシーな女戦士に見えなくもない。

 

「マキさん、分かっていますよね? これはあくまで敵をおびき出すための演技ですからね」

「とか言ってゆかりんも遊ぶ気まんまんじゃん、でっかい浮き輪なんて抱えちゃってさ」

「……これは万が一の備えというものですよ」

 

 海を前にして浮かれるマキの少しばかりの心配を抱き、ゆかりは注意した。マキのツッコミ通り、ゆかり自身も浮かれ気味ではあったが。

 

「水着も機能性重視なのですから」

 

 横から見れば、素っ裸な金髪のマキの隣に立つゆかりの水着はハーフトップ型。

 

 水着は蒼色でクールな印象を引き立ている。

 ビーチバレーの選手が着るようなスポーティーなデザインだ。デザイナーのロゴが白色でシャープにあしらわれている。

 

 トップスは健全だが、ボトムスはビーチバレーの小さなビキニなど比較にならない過激さ。

 

 紫髪の美少女の魅力的なヒップラインが完全解放されている。勿論、完全に下半身が裸というわけではない。

 

 ゆかりはメタリックな質感のフレームが前後を挟むだけのCストリングを装着していた。

 

 鮮やかなブルーが股間を覆う。

 細長いフレームがお尻の間まで伸びて豊満な臀部を割っていた。

 Cストリングの食い込みは、筋肉で持ち上がった丸い臀部のボリュームを強調する。

 

(似合ってるけど、フンドシみたいや)

 

(ゆかりさん、きっとフンドシも似合うんだろうな)

 

 凛々しく艶やかで、フンドシを連想させる後ろ姿だった。

 

 クールな無表情系お姉さんである結月ゆかり。

 その豊満なお尻は戦闘と過酷なトレーニングで徹底的に鍛え抜かれ、見た目にもそれがはっきり現れている。

 

 だからこそ、八洲出身の琴葉姉妹にそんな感想を抱かせた。

 

「特にボトムは重点防御仕様。たとえ遊びの場でも急所を守る、ゆかりさん的なこだわりポイントです」

 

 Cストリングは特殊合金製で、柔らかいが銃弾に耐えられるほど頑丈。

 特殊繊維の防弾トップスは面積を広く取り、胸部の揺れを抑える合理的な設計である――残念ながら、ゆかりに揺れるほどの膨らみはないが。

 

(やっぱり肌で感じる潮風って気持ちいいな♪)

 

(下の面積を最小限にして正解でした。泳ぐのが楽しみですね)

 

 どちらの水着も真顔で着こなすほうがどうかしてる露出度だが、性的なアピールよりも動きやすさと泳ぐ際の気持ち良さを重視したデザインだった。

 

「これで陣地の設営は完了ですね」

 

「次は偵察だね!」

 

 パラソルを立て、シートを敷いたお姉さん二人は、海を眺めながら競う合うように腕組みして、仁王立ち。

 マキもゆかりもお尻の大きさでカバーできるとはいえ、脚を大きく開けば、奥がちらりと覗いてしまう。

 

 だというのに、二人とも平気で脚を開いている。

 

(ウチらもまだまだやな)

(二人を見習って精進しないとね)

 

 その背中から思わず視線を逸らし、顔を見合わせる茜と葵であった。

 

 性的な魅力を誇示する水着と言えないような布切れを身に着けている紫髪と金髪。

 

 それは異性に媚びるためでなく、心と肉体を自由に解放する選択でしかない。

 それゆえに卑猥さや下品さはない。自信と誇りに満ち溢れた自然な姿に琴葉姉妹は感銘を受けていた。

 

 ちなみに琴葉姉妹も冒険したデザインで水着をオーダーしている。

 姉妹でお揃いのワンピースタイプ、キュウスクと呼称される古来からのフォーマットを採用。

 

 フォーマットこそ古風だが、今風のスマートなデザインでオーダーしている。

 

 分かりやすく表現すれば旧スクール水着をSF風にアレンジにした水着だった。ゆかりのトップスと同じく、防弾繊維製で胴体を広く保護するようになっている。

 

 股座は動きやすさを重視しており、かなりの鋭角。

 一方でお尻はほぼ覆われる布面積である。

 

「ちょっと腹筋がついてきたんとちゃうか、葵?」

「そうかな?」

 

 改めて、水着姿の妹の全身を眺める茜である。

 

 水着の色は茜が紺色で、葵が白色だ。

 姉妹の真面目な印象と可憐さ、鍛え込んだ健康的な肉体がくっきり出る水着だった。

 

「茜さん、葵さん」

 

 不意にゆかりが体ごと振り返り、琴葉姉妹を見つめた。

 

 下半身は大事な部分だけ隠したほぼ裸。

 一糸纏わぬ姿よりよほど刺激的なCストリングだが、細身の筋肉美人なゆかりの立ち姿は、エロさよりも格好良さが遥かに勝る。

 

「「はっはい!」」

 

 茜と葵は姉妹らしいシンクロした反応をする。

 背筋をピンと伸ばし、手は体側に。丸いお尻も引き締めて、緊張感たっぷりにゆかりの言葉を待つ。

 

 元気があって大変よろしい。

 

 真剣な表情の茜と葵を快く思いながら、紫髪のお姉さんは告げた。

 

「お二人は遠慮せず伸び伸びと過ごしてください。元々、私達の事情に巻き込んでしまっただけですから」

 

「茜ちゃん達の力も相当借りちゃってるしね。わたし達でばっちりガードするから任せて♪」

 

 地球からの追手と推測している追跡者を釣り出すべく、リゾート地で浮かれた小娘のフリをしている。

 

 サン・リノル星系は、地球が影響力を発揮できる場所である反面、政治工作で得た数少ない味方であるため、派手な行動はできない。

 民間人を巻き込む状況では手が出せず、しかし、そうでないのならば仕掛けられる。

 

 相手の出方を制御できるので、ゆかり達にとって好都合な環境だった。

 

 地球との関係を修復する一方で、サン・リノル星系は八洲との関係も深く、琴葉家の名前を使って迎え撃つ用意を整えてある。

 地上と宇宙を行き来するダイナミックな作戦は茜たちの協力があって成り立つものだった。

 

 琴葉姉妹は命の恩人であり師匠である二人と一蓮托生、身を捧げる覚悟である。

 それに、地球の暗躍となれば、八洲の武家として看過できない。

 

「早速、泳いできますね」

「急いだらあかんよ、葵。その前に体をしっかり解さな」

 

 師匠の意を汲み、率先して葵は遊ぶことにした。

 穏やかな眼差しは「いざという時は一緒に戦いますからね」と強い意志でゆかりに訴えている。

 

 琴葉姉妹と泳ぐために、まずストレッチをするゆかり。姉妹もそれをお手本にしている。

 Cストリングはしっかり固定されてズレることがなく、ゆかりは快適に柔軟体操している。

 

 紫髪の豊満なお尻が突き出されるのを笑顔で眺めつつ、マキは砂浜を見渡した。

 

「それじゃ、わたしは偵察してきまーす♪」

 

 そう告げて金髪のお姉さんは大股で歩き始める。

 

 「んっ」という声を漏らして不意に立ち止まったのは、お尻の奥の窄まりに感じる締め付けがいい加減きつくなってきたから。

 

「これは不覚だったなー」

 

 そう呟き、マキは張り詰めた腰の辺りの紐を爪弾く。

 

 紐が引っ張られることによる強い食い込みは、スリングショット水着の構造的に解消できない。敏感に反応してしまうマキの体質では長時間着用することはできそうにない。

 まだ泳ぐ機会はある。

 次はゆかりに水着の交換を持ちかけてみて、互いの着心地を確かめ合おうと考えるマキであった。

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