呪い呪われ 作:NEØ
何の変哲もない、家庭に生まれた1人の男が居た。
父は毎朝8時には家を出て会社へ行き、18時には退社し帰ってくる。
そんな普通のサラリーマン。
母は昼間はパートへ出かけ夕方には帰ってき家事をこなす、普通の主婦。
夫婦仲は特に悪いということも無く、平穏無事に過ごしていた。
そして、その息子は大きな病気をすることも無く健やかに育ち、そこそこの高校を出てそこそこの大学へ進み、そこそこの企業へ就職をした。
そんな何の変哲もない男の人生を変えたのはたった一つの善行だった。
ただの気まぐれだった。彼が高校生の頃、祖父の死の間際の一言をふと思い出した結果だった。
『お前は器用な子だ。何も無理することは無い。ただ救える人間は救え。俺みたいにはなるなよ…』
何故その時、祖父の死に際の言葉を思い出したのかは分からなかった。
しかし、その言葉を思い出した彼は信号を待つ女性を突き飛ばし高速で迫るトラックの前に身を乗り出していた。
世界がゆっくりと流れていく。
それまでの何の変哲もない人生が走馬灯のように脳裏をよぎる
(あぁ…じいちゃん…たった1人だけど…俺の人生、少しでも意味はあったかな)
夢を見る。
とある男の人生だ。
妙にリアルな男の人生…俺はその男を知っている。いや、その人生を知っている。
自身の
さて、こんな辛気臭い話はやめて今世での話をしよう。
今世での俺は今高校生だ。
前世では社会人になり、特定の女性と共になることも無く独身アラサーを迎える直前に亡くなった俺は見た目は子供頭脳は大人、リアルコ○ンである。
しかし、いわゆる転生をした俺に与えられた特典なのか、この身体、めちゃくちゃ身体能力が高い。
陸上競技で例えると、全種目の世界記録を塗り替えるレベルだ。
もうバグだ。この身体があれば大抵のことはどうとでもなりそうだ。
しかしだ、身体能力の付随した能力なのか分からないが…おかしなものが見えるのだ。
いわゆる、幽霊と言うやつだ。
極めつけは俺の今世での名前……俺の名前は……
「おい、
そう、ここは呪術廻戦の世界らしい。
前世では漫画を嗜むこともあり、読んでいた作品の一つだ。
死亡フラグビンビン、あいつもこいつもみんな、コロッと死ぬような殺伐とした世界、今俺は高校1年…あまり詳しく原作を覚えている訳では無いが…きっと時系列的に見るならこれから俺は
「いい天気だなぁ…」
「虎杖ぃー集中しろ」
「あいてっ」
額に被弾するチョークの痛みを感じながら現実逃避をするのであった。
さて、俺は虎杖悠仁。
呪術廻戦における立ち位置は、主人公。
荷が重い。重いがやるしかない。
この世界だ、俺が原作の流れに逆らっても良い未来は正直期待できない。
(たしか、原作ではオカルト研究部に所属してたよな…)
よし、まずは部活に入ろう。
陸上部から猛烈な勧誘を受けているが…あまり、目立ちたくない。
俺はインドア派なんだ。
「ん?オカルト研究部?そんな部この学校には無いぞ。」
出鼻をくじかれた。
どういう事だ、先輩たちは部を立ち上げてないのか…困ったぞ。原作の流れではオカルト研究部で先輩たちと宿儺の指を持ち出して夜の学校で開封する事で伏黒と邂逅を果たし宿儺の指を食う流れだった気がするが……いや、ほんと、嫌すぎるんだが。
原作の流れが分からなすぎる…。
実は困っていることは他にもある。
原作序盤の虎杖にこんな能力があったのか分からないが……俺は人の魂を知覚することが出来るんだが……うちの学校、何人か呪われてんだよなぁ……。
「はぁ…これからどうしよう…か…な………ん…?」
なんだこれは。
昼間だよな…なんで外、こんなに真っ暗なんだ。てかなんでこんなに廊下がびちゃびちゃなの、どっかで水漏れしてるなんてレベルのじゃない、もはや浸水だ。
……とりあえず、人探すか
「おーい、誰か居ない?…困ったなぁ」
「ちょ、伏せて!!」
「ん?うぉっ」
突然大きな何かに押し倒された瞬間、先程まで自身の頭部があった場所一体が爆ぜた。
「!?」
「あっぶねぇ…大丈夫?」
「えっと…何事…?」
「説明は後!行くぞ!」
さて、ありのまま今起こったことを話すぜ……いや、無理だ。なんだこれ。
なんか、カッパみたいな奴とオッサンとうちの生徒が何故か戦ってる。
1人は全裸だし。呪われてるし。
「オカルンのバカ!クソ女とイチャついてんじゃねぇよ!」
「モモちゃん…会いたかったぜぇ」
あれ、ここって、あれ、呪術k…呪j…えぇ…?