「すみません、仲間を募集していると聞いただけど、空いてるかしら?」
ギルドの中で俺は唐突にそんなことを言われた
俺別に募集の紙なんか貼ってなかったんだがな?
俺はそう思いながら声の主を見ると、そこには俺と同じくらいの身長の水色髪と銀色の目が特徴的な女性がいた
そして俺は無意識に首下に目を惹かれる
そこは何よりも主張が激しいかった
「ルナさんルナさん、この人なんか固まってるんですけど」
「クレア、こいつも思春期だ、欲望には逆らえんのだろう」
「私の時はそんなこと無かったんですけど」
聞こえてんぞ
とりあえず俺は気を取り戻して話をする
「あぁ、どうもこんにちは!えっと、うちのパーティーに入りたいんですか?募集の紙は貼ってなかった気がするんですけど」
学校でも1度も年上の女性に話しかけられたこともなく、免疫ゼロの俺にしては、声は上擦ってしまったものの、紳士に受け答えをする
「さっき別の酒屋であなたたちの募集紙を見たのよ、だけど店員に聞いたらもう居ないって言われて、もうお金が無かったし適当なクエストを受けるかってギルドに行ったら偶然見つけたの」
なるほど、それで話しかけてきたわけか
「ちなみにですがどんな職業をされてるんですか?」
その人の服装が羽付きの帽子とエプロンをしていて、パッと見では冒険者じゃ無さそうだし、なんの職業についているのかが全くわからん
「私はリリス、パン使いをやっていて、今はクロワッサンとフランスパンを飼ってるわ」
え?何言ってんのこの人
パンを飼っている?冷やかしか?
とりあえず俺は続ける
「そりゃ凄いですね、ちなみにそのクロワッサンとフランスパンはどうやって戦うんですか?」
「フランスパンは横回転を効かして相手を貫き、クロワッサンは飛行して敵の偵察をするわ」
うん、冷やかしだな
「なぁ、この人の言ってることってホントなのか?俺的にはどう考えても冷やかしとしか思えないんだが」
俺はルナに対して耳打ちする
「いや、このひとの言ってることは本当だ、フランスパンは尖った頭で頭突きをし、クロワッサンは両端を回転させて飛ぶぞ」
そんな事を平然と言ってくる
改めてマジでなんなんだこの世界
「まぁとりあえず座って下さい、それで、なんでうちのパーティーなんかに入ろうと思ったんですか?」
俺はそう言うと、反対に座ったリリスは俺の質問にこたえる
「最近クロワッサンを3匹買ったんですが、意外にもよく食べる子ばかりで、もうお金が無いの、あと、ここを選んだのは単に今頃募集しているパーティーなんてなかなかいないからよ」
なるほど
「なるほど、お宅のクロワッサンはよく食べる子なんですね、うちの猫もよく食べる子なんですよ」
この会話が普通の犬や猫の話ならいいのだが、パンと精霊に関しての会話なのが謎すぎる
「おい、自分はただの猫じゃないぞ」
「おお!この子があなたの猫かしら、最近の猫って喋るのね!」
「なんで皆自分をただのペット扱いするんだよぉ!」
目を><の形にして俺らにそんな事を言うルナだが、最初に俺に会った時甘えるために猫の姿になったとか言ってなかったか?
「というか、なんでパン使いになろうと思ったんですか?」
そういうとリリスは
「だって冒険者って一発ドカンと稼げるでしょ?でも前衛職をするほど力も体力もないし、魔法も才能が無いのか、中級魔法すら習得出来なかったの、だから、パンに戦闘を全て任せて稼ごうと思ったの」
そんな事を隠そうとせずに、平然と言ってくる、まぁ冒険者なんてそんなもんか
「ところであなたは何故冒険者になろうと思ったの?」
「あっそれ私も気になります!」
リリスが俺にいきなり尋ねてきた
えっ俺がなった理由?
そういや俺なんでなったんだっけ?
俺はルナに誘拐されて、国王に魔王軍から守ってくれみたいなこと言われて、小銭渡されて、曲がりなりに冒険者になったって感じだ
だがそういえば明確な目標なんてなかったな
「俺はとりあえず、レベルを上げてここに来る原因にもなった魔王をぶっ飛ばす為かな」
あと魔王倒したらなんかの不思議な能力が与えられて日本に帰れたりするかもしれないしな
「ここにも来る原因にもなったって、一体何があってここに来たんですか?」
「それはこの猫が関係しているんだが、それはまたいつか話すさ」
説明がめんどくさいので、とりあえず俺は後日にまた話すことにした
俺らはギルドで昼ご飯を済ますと、昨日少ししか見れていなかった武器屋に来ていた
今日、スライムと戦っていて気付いたが、レベルもそうだが装備が足りてない気がした
なのでまずは武器屋で装備を整えることにした
鎧もいいが、もうひとつダガーを買って、双刀使いってのも憧れる
剣は多ければ多いほど強い、実質ダメージ2倍だからな、んなわけないことはわかっているが
だが、それだと防御手段がなく、貧弱な俺は多分そこら辺の雑魚モンスターにつつかれただけで一発でノックダウンしそうなのでやっぱり盾を買うことにした
俺は壁に吊るされている
「ほかのみんなは買わなくていいのか?」
俺がそう問うと
「私は自分の兵器があるので大丈夫です」
「私もパンがいるから大丈夫だわ」
「自分はそもそも人間用の装備なんか付けれない」
各々そんな事を言ってくる
ルナはともかく2人に関してはすごい自信だな、どっから湧いてくんだ
俺は盾を買うため、会計を済まして、魔道具店も通うことにした
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