大文字伝子の冒険   作:クライングフリーマン

352 / 407
352.ご飯論法

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。

大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。

一ノ瀬[橘]なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。

久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。

愛宕[白藤]みちる警部補・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。愛宕の妻。EITO副隊長。降格中だったが、再び副隊長になった。現在、産休中。

 

愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。

斉藤長一朗理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。

夏目房之助警視正・・・EITO東京本部副司令官。

草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。

渡伸也一曹・・・空自からのEITO出向。GPSほか自衛隊のシステム担当。

西部警部補・・・高速エリア署生活安全課の刑事だが、。通称『片づけ隊』を手伝うこともある。早乙女愛と結婚した。

橋爪警部補・・・愛宕の相棒。丸髷書生活安全課の刑事だが、。通称『片づけ隊』を手伝うこともある。

 

増田はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。

馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。

高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。

中島[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。

大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。

田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。

浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。

新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。副隊長補佐。

結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。

安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。

稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。

愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。

青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。

伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。

葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。

越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。

小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。

下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。

飯星満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。

財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。

仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。

七尾伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。

大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。

高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。EITOガーディアンズ。

青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。

馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。EITOガーディアンズ。

井関五郎・・・鑑識の井関の息子。EITOの爆発物処理担当。EITOガーディアンズ。

筒井隆昭警部・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁テロ対策室からのEITO出向。EITOガーディアンズ。

 

大文字綾子・・・伝子の母。介護士。

江崎真樹子・・・総子の母。伝子の伯母。

江角徹・・・総子の父。伝子の伯父。

藤井康子・・・伝子のマンションの区切り隣の住人。モールで料理教室を営んでいる。

 

=================================================

==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==

 

午後1時。伝子のマンション。

綾子と藤井。伝子の伯母夫婦が談笑している。

「いつ帰るの?姉さん。」と綾子が真樹子に尋ねた。

「母さん。さっき来たばかりだよ。」と、伝子が窘めた。

「ああ。日帰りだからね。僕の同級生の13回忌と言っても、殆どが身内だから長居も出来ない。法事終ったら、夕方の新幹線で帰るよ。」と、徹が愛想良く言った。

「叔父さん、御免ね、写真ばかりで。」と、伝子が神妙に謝ると、「いいよ、いいよ、伝子ちゃん。今言ったように日帰りだし、おさむ君の安全も大事だし。またいつか会えるさ。」と、また愛想良く言った。

「小学校に上がったら、また方針を考えます。敵がそれまでにいなくなればベストだけれど・・・。」と、高遠は言い淀んだ。

「ダークレインボウは東京にも大阪にも出てきて、その内、どこにでも出てくるのかしら?」と綾子が呟くと、「お義母さん、違いますよ。大阪の事件は別口って判りました。チェーンじゃないんだから。EITOだって、そんなに増強出来ないし。」と高遠が反論した。

「じゃ、そろそろ、お暇するか。日帰りで慌ただしくて申し訳ない。」

叔父夫婦は、文字通り慌ただしく帰って行った。

「伝子、帰り、大丈夫なの?」「ちゃんと護衛付けといたよ。」

高遠が台所を見ると、たこ焼きの残りから、まだ鰹節が揺らめいていた。

「そう言えば、また披露宴、台無しになったのね。」と綾子が言うと、「大丈夫。ヨーダが『永久に使えるクーポン券』渡してあるよ。今時分は新婚旅行さ。バトルは、彼ら抜きでも出来るよ。」と、伝子は言い、たこ焼きの残りを口に入れた。

EITOのPCが起動した。

理事官は、戯けて言った。

「いいニュースと悪いニュース、どっちがいい?」伝子と高遠は、はすかさず「悪いニュース!!」と言った。

「流石夫婦だ、息があってるね。Base bookにダーティー・ブランチのメッセージが載った。開いて見てくれ。」

挑戦状は、こんなものだった。

「やあ、御免御免、配信予約忘れちゃってた。はっつあん、大阪は『物真似』芸人が多いんだね。笑いが止まらなかったよ。さて、お題だ。」

持っているフリップには、こう書かれていた。『強い 似非目地 揃う』

「『ご飯論法』で解けば、簡単だよね、AI君。もう寝坊しないで定時に出勤するよ。」

「成程。数分待って下さい。」

言うなり、高遠はスケッチブックを出し、何度書き直していたが、スケッチブックを画面(カメラ)に向けた。

「解けました。ああ、先に言っておきますが、総子ちゃん達が闘おうとしてはぐらかされた事件は、違う案件だから、ダーティー・ブランチとは関係無いって言ってますね。で、『解』ですが、『強い 似非目地 揃う』は、置き換えると『明治節 揃えよう』です、『揃えよう』は変換しにくかったのかも知れません。一方、『ご飯論法』は、屁理屈の問答の例で、最近よく言われることです。『朝ご飯食べた?』『まだ。ご飯は食べてないよ。パン食だから』と言う。詰まり、明治節の明日、文化の日に来い、ということです。草薙さん、何か見つかりました?イベント。」

草薙が、理事官の横から顔を出して、「世田谷公園で『万国パンまつり』がありますが?」と応えた。

「あ。定時に出勤って言ってましたね。午前9時ってことかな?イベントは午前11時からですが。」

「理事官。万一に備えて、イベントは1時間開始を繰り下げて貰って下さい。」と、高遠の隣から伝子が言った。

「了解した。河野君!!」

ディスプレイから、EITOの様子が消えた。

藤井が「凄い夫婦ね、相変わらず。」と言うので、「ウチの娘と婿なのよ。」と綾子が胸を張った。

藤井が胸を突いて「知ってまーす。」と応えた。

高遠は、「夕飯もたこ焼きでいいかな?」と惚けた。

翌日。11月3日、文化の日。午前8時45分。世田谷公園。

案内板の所で、なぎさ達エマージェンシーガールズがやって来ると、老紳士が待っていた。

「ここはねえ。ミニ機関車もあるんだ。何度も来たよ。」

「あんたが、リーダーなのか?あ!どこかで・・。」

「そうだよ、副隊長さん。エンパイヤステーキホテルの宴会部長をやっていた男さ。もう、ばれてしまっているから、出てきたが、バトルの指揮なんか出来ない。料理の指揮は得意だったが。指揮は、『副隊長』が行う。もう、そろそろ来るよ。」

午前9時。

なぎさ達の前に現れたのは、変わった白装束の集団だった。一見、医療関係者に見えるが、背中に日本刀を背負っていて、腰は二本差しだ。

紳士は、「はじめ!!」と、副隊長らしき男に声をかけ、案内板の近くに駐車している、キッチンカーに入った。

散開したエマージェンシーガールズは、ペッパーガン等は使わず、シューター、メダルカッター、ブーメランでけん制しながら、バトルスティックとバトルロッドで闘った。

シューターとは、チタン製のうろこ形の手裏剣で、致命傷は与えられないが、先端に痺れ薬が塗ってある。

メダルカッターとは、メダルの中央部を押すとプロペラ状の刃が飛び出し、回転いながら跳んでいく。これも、致命傷は与えられない。

バトルロッドとは、バトルスティックの3段変形出来る改良型バトルスティックである。バトルスティックは、チタン製の棒だが、刃物は着いていない。

ホバーバイクで到着したEITOガーディアンズも、降りて、バトルスティックとバトルトッドで闘った。

ホバーバイクとは、『宙に浮くバイク』のことで、民間会社が開発、EITOが採用して、戦闘または運搬に利用している。

遠目には、チャンバラか特撮の映画撮影のようだ。

2時間。本来の開園時間になった。リーダー以外は、倒された。

敵のリーダーと名乗った宴会部長は、付けひげとかつらを取り、杖を離して、なぎさに言った。

「最後に、そのブーメランとやらを使わせて貰えないか?子供の頃、親にせがんだが、買って貰えなくてねえ。誰か指導を頼む。」

「私が指導しよう。」と、あつこが進み出て、日向に渡されたブーメランを宴会部長に渡した。

普通なら、危険な場面だ。だが、何かが違う。そう感じた、なぎさとあつこは、ブーメランをなげさせた。的は案内板だ。戻って来なくて当たって落ちても、大した弁償にはならないだろう。

宴会部長は、あつこが見本を見せて、何回か投げた。上手く届かなかった。

だが、あつこの指導が上手かったのか、10回目にして、案内板にぶつかったブーメランは、宴会部長の手に戻った。エマージェンシーガールズは拍手を送った。

「そろそろ時間かな?」

「何の時間かな?」と、キッチンカーの陰から筒井が出てきた。

そして、井関と青山、高木、馬場が出てきた。

「起爆装置なら、もう使えないよ。」井関が言った。

EITOガーディアンズは、キッチンカーにあった装置を解析、分解していた。

「お腹に巻いたダイナマイト、探知していた。開園を遅らせた筈なのに、不自然に駐車しているキッチンカー。答は簡単だった。」と、なぎさは言い、長波ホイッスルを吹いた。

長波ホイッスルとは、犬笛に似た笛で、犬笛同様サイレント・ホイッスルだ。

やがて、『片づけ隊』と呼ばれる、警察官の逮捕部隊が愛宕警部、橋爪警部補、西部警部補と共に登場した。次々と逮捕され、連行されていく集団。今回は300人だった。だが、刀は皆真剣だった。

宴会部長は去り際に言った。

「ありがとう。いい想い出が出来たよ。」

宴会部長を見送って、愛宕が言った。

「やはり、エンパイヤステーキホテルの元宴会部長は『枝』の1人だったんですね。」

「夏目リサーチのお陰よ。『何か事情があるに違いない』って、言ってたそうよ。」

「事情は、後でゆっくり聞くとして、開園まで時間がありません。EITOも手伝ってくれますよね。」と、橋爪警部補が言うと、「勿論よ。」と、なぎさのイヤリングから声が漏れた。伝子だ。

エマージェンシーガールズとEITOガーディアンズは、闘いで使っていた武器を回収、掃除を始めた。

正午。

EITOの勇士達は、オスプレイで帰還した。

残って、掃除を手伝っていた、橋爪警部補は西部警部補に言った。

「じゃ、我々も帰りますか。」

西部警部補は、橋爪に言った。

「パン、買ってからでいいですか?」

―完―

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。