大文字伝子の冒険   作:クライングフリーマン

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「婿殿。何かなあい?」
昼食の用意をしながら、高遠は「おにぎり、します?朝食食べなかったんですか?今日は夜勤明けでしたよね。」と、尋ねた。



404.目覚めた柊

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 

午前11時。伝子のマンション。

綾子が入ってくる。

「婿殿。何かなあい?」

昼食の用意をしながら、高遠は「おにぎり、します?朝食食べなかったんですか?今日は夜勤明けでしたよね。」と、尋ねた。

「それがねえ。もう帰ろうとしたら、会議に付き合わされちゃって。食べそびれたの。」

高遠は、握る毎に、綾子に食べさせた。昼食はカレーライスだから、時間の余裕はある。

「伝子は?」「EITOの貯まっていた書類と、決戦の記録書いて、帰ってから遅れている原稿を仕上げて、今仮眠中です。」

「大変ね。子供の頃なら、『どっちかにしなさい!』って言うところだけど、素直に従う子じゃないし。」

「おにぎり食うか、悪口言うか、どっちかにしなさい!」と、言って伝子はパジャマのまま出てきた。

私と『交える』時は、悩殺的な衣装だが、普段はパジャマだ。

「はぁあい。」と、綾子は返事をした。

高遠は、知らぬ顔で、カレーを煮込んでいる。

「いい匂いだな。おにぎりはいいや。」

「伝子。1時から副部長が行こうって。」「OK。」

「会議?」「ああ、お義母さん。サチコがこの間、死んだでしょ?編集長が、川崎の方に『ペットのお墓』を見付けてくれたんです。取り敢えず、福本は、そのペットの霊園に持って行きました。で、ジュンコが毎晩鳴くんですよ。」

「犬でも情があるのね。先輩の死を悼んでいるんだわ。」

「それの相談。お墓参り。」

 

午後2時。川崎。

青山・江南夫妻、そして、ジュンコを交えた皆で墓参りした後、伝子達は柊と出逢った。

「隊長。皆さん・・・え?」

「隣接していたんだなあ。決戦の少し前、隊長の元飼い犬が亡くなったんだよ。」と、青山が説明した。

「今日は、訓練場で汗を流すと言っていたが、午後から、お前も墓参りしていたのか。」

柊隊員の幼馴染みは濱口は、元敵の幹部パラ・リヴァイアサンだった。

潜入捜査の結果、罠にはまったのだ。

殉職した濱口は、念の為伊豆で執り行ったが、納骨は、先祖と同じ墓にしたのだ。

「もう大丈夫です、隊長。」柊が自分から言い出した。

 

「物部。ファミレスで、おやつ食って帰ろう。」

「そうだな。ジュンコは、帰ってからお土産食べな。」

ジュンコは何故か嬉しそうだった。

サチコとの再会が嬉しかったか。

 

午後4時半。帰宅途中の車内。

伝子のスマホに本部から電話がかかって来た。

「アンバサダー。新しい敵から、、メッセージが届きました。名前通り、割り込みが好きなゲーマーのようです。ご帰宅されてから、確認願います。」

「了解した。」

伝子のことをアンバサダーと呼ぶのは、草薙隊員か渡隊員か河野氏だけである。

アンバサダーという名は、草薙が命名した。

 

午後5時半。伝子のマンション。

不思議そうに見ている藤井を尻目に、Redのメッセージを高遠と伝子は読んだ。

『つい落ちた義母は喪』

綾子がいなくて良かった、と高遠は思った。

「アナグラムか。」「アナグラムだね。」

伝子のスマホと高遠のスマホが同時に鳴動した。

 

「また、忙しくなるのね。じゃ、ちらし寿司だわ。」と、藤井は手を打った。

 

―完―

 

※今回の登場人物(順不同)

大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。

大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。

青山たかし・・・元丸髷署刑事。EITOに就職。EITOガーディアンズ。

青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。

草薙あきら・・・EITOの警察官チーム。特別事務官。ホワイトハッカーの異名を持つ。

愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。

柊安江・・・元マラソンランナー、元やり投げ選手。EITOに就職。

 

大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。

藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣の住人。栄養士。モールで料理教室を開いている。

 

--- ゲスト –-

物部一朗太・・・伝子の大学翻訳部同輩。喫茶店アテロゴ経営。実質的にDDメンバーを仕切っている。

物部[逢坂]・・・伝子の大学翻訳部同輩。童話作家をしていたが、今は引退して物部と再婚している。

依田俊介・・・伝子の大学翻訳部後輩。元宅配便ドライバー。今は、やすらぎほのかホテル東京支配人。

依田[小田]慶子。・・・小田社長姪で。小田の秘書をしていたが、依田と結婚後、副支配人をしている。

福本英二・・・伝子の大学翻訳部後輩。プロ劇団退団後、アマチュア劇団を主宰しながら、建築事務所に勤めている。

福本[鈴木]祥子・・・福本と同じプロ劇団にいたが、退団。福本のアマチュア劇団を手伝うが、今は出産後、育児に専念している。

南原龍之介・・・伝子の高校のコーラス部の後輩。高校の国語教師をしていたが、今は妻と学習塾を経営している。

南原[大田原]文子・・・父の経営していた学習塾を引き継いだが、南原を婿養子にはしなかった。

山城[南原]蘭・・・南原の妹。非常勤の美容師。

山城順・・・伝子の中学の書道部後輩。愛宕と同窓生。今は、海自の非常勤職員をしている。

服部源一郎・・・南原と同様、伝子の高校のコーラス部後輩。シンガーソングライターだが、今は音楽塾を開いている。

服部[麻宮]コウ・・・服部と結婚して、音楽塾を手伝っている。夫と共に作った曲でCDも出している。

 

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