大文字伝子の冒険   作:クライングフリーマン

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お待たせしたね、EITOの諸君、日本民族の諸君。ぼくも、どちらかと言うとゲーム好きでね。今まで、EITOに挑戦して、勝った幹はいないそうだよ。


405.インタラプト・ゲーマー到来

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 

午前0時。インタラプト・ゲーマーがRedのメッセージが載った。

アラームが鳴ったので、当直?のなぎさが司令室に移動し、渡に見せられたメッセージは、こんな文章だった。

 

「お待たせしたね、EITOの諸君、日本民族の諸君。ぼくも、どちらかと言うとゲーム好きでね。今まで、EITOに挑戦して、勝った幹はいないそうだよ。そうだなあ。僕が勝ったら、女の子軍団らしく超ミニで土下座して貰おうか。じゃ、お題だ。」

文章の下に、スケッチブックが現れ、こんな文章が書かれていた。

「パクリONE OVER」

 

「おにいさまの出番ね。渡さん、メッセージがあったことだけ伝えて。コレじゃ日時も場所も判らない。」

「了解しました。」

「ONE OVER って、ポーカーの『手』ですね。」と、入って来たロバートが言った。

また、二人で『宿泊』していたか、と思ったが、渡は口にしなかった。

2人は婚約中で、パイロットのロバートは秋には、本国に帰り、空軍に復帰する。

黙認されているのだ。EITOは警察でも自衛隊でもないし。

なぎさは、EITO出向を解き、自衛隊を除隊する。その頃に、インタラプト・ゲーマーとの闘いが終っているかどうかは判らないが、みちるが既に、副隊長引き継ぎを始めている。

「ポーカー?ゲーマーって名乗る位だから、ゲーム感覚なのかな?」

 

午前9時。EITO会議室。

「一枚上手、とでも言いたいのかもな。」と、開口一番言ったのは筒井だった。

「そうかも知れないな。『なぞなぞ』は、今、ウチの旦那が解いてるよ。」

すると、マルチディスプレイに高遠が映った。

「初歩の初歩。向こうも『小手調べ』ってとこかな。『パクリONE OVER』の解は、『ばんぱくおわり』、何かイベントあるんじゃないですか。草薙さん。」

「万博って、去年の大阪・関西万博ですかね。解体工事始まっているけど。」と、夏目警視正が言った。

数分後。草薙がマルチディスプレイの画面にデータを出した。

「『みゃくみゃくとつなぐ展』が江東区の日本科学未来館で開催。時間は午前10時開始、期間は4月13日までです。」

「明後日か。よし、連絡して、なるべく開館時間をずらして貰おう。」と、理事官は、河野の近くに移動した。

「草薙さん、山並に情報提供を依頼して下さい。期待してる、と一言添えて。」

「了解しました。」

 

「7階建ての建物かあ。入口封鎖して貰うのが正解ですね。何かあると、『陸の孤島』になりそうな地形だなあ。」原田が、タブレットを見ながらぽつりと言った。

「よく言った。原田。これ、少ないが、とっとけ。」と、筒井が原田に煎餅を渡した。

「恐縮です。」

「2日間あるんだ、徹底的に周囲を探ろう。」と、筒井は言った。

 

「よし、一旦、解散。訓練する者以外で私用がある者は休暇を取ってこなしておけ。」

伝子は即断した。

 

午後5時。伝子のマンション。

入ってきた綾子は、ソファーで寝ている伝子を横目に高遠から説明を受けた。

「今の内に、って、原稿仕上げて。バタン。」

「本当に、年中無休、ね。婿殿、おさむちゃんは?」

「今夜、一緒に見に行きましょう。『本番は明後日』だし。」

「そうね、そうしましょう。」

「景気づけに、今夜は、ビフテキにしましょう。」と、台所の藤井が言った。

まるで、大文字家の家政婦だ。

 

翌日。4月12日。日曜日。午前11時。EITO東京本部。訓練場。

みちるが、イヤリングを通じて指示を与えながら、動き回っている。

今は、軽装だが、闘い本番では、エマージェンシーガールズのユニフォームで闘う。

かなり、みちるの『手下』の玉井の会社の企業努力で軽くはなったが、これからは暑くなる季節。短時間決戦でないと、命取りだ。

「大分、慣れてきたようですな。白藤副隊長は、元々天分があった。駐車違反のチョーク書きでは、勿体なさ過ぎた。」と、天童が言った。

「そうですね。最初は反対したんです、3人で大丈夫だからって言っても聞かなくて。でも、トンファーも三節棍もこなせるようになって、加入させて良かった、と思いました。」と、伝子が言い、「私も最初は不安だった。でも、杞憂にすぎませんでした。私は、秋にはいなくなるし、あつこもいずれ警察に戻らなくてはいけないし。」と、なぎさが言った。

「大文字。草薙が呼んでるぞ。」と、須藤医官がやってきた。

 

司令室。

「アンバサダー、山並から連絡がありました。ホバークラフトが3台。別の名義でレンタルされています。また、時限爆弾装置に必要なものも闇サイトで入手した模様です。」

「成程。爆弾の方は筒井達に任せよう。」

 

翌日。4月13日。午前9時半。日本科学未来館。

正面玄関前に、音が近づいてきた。

ホバークラフトから『上陸』し、歩いてきた連中は、誰もいないことを不審に思った。

すると、上空に、2機のオスプレイが現れ、胡椒弾が落された。空爆である。

胡椒弾とは、胡椒やガーリックを捏ねた丸薬を『花火の球』のように加工したものである。

EITOは、警察でも自衛隊でもない。言わば民間防衛隊に過ぎない。銃火器は持てないので、ユニークな武器で闘うしかない。

防毒マスクを着用していない、敵の軍団100人は右往左往した。

どんなに、闘いの記録で『予習』しても、EITOに彼らが勝てないのは、リーズナブルな闘い方をしてきたからだ。

そのオスプレイから、蜘蛛のように降りて来たエマージェンシーガールズは、白兵戦として、バトルスティックとバトルロッド、そして、トンファーで闘った。

バトルスティックとバトルロッドは同じチタン製だが、バトルロッドは3段変形が可能だ。

午前10時半。

敵は、炎天下で青空を地上から見ることになった。

下條が長波ホイッスルを吹いた。

長波ホイッスルとは、犬笛に似たサイレント・ホイッスルで、主に『作戦終了の合図』に使われる。

やがて、愛宕警部率いる、『片づけ隊』がやってきた。

『片づけ隊』とは、都度メンバーが違う『逮捕の為の警察官』達である。

固定メンバーは、愛宕警部、橋爪警部補、西部警部補だ。

みちるのイヤリングに、「副隊長、引き揚げるぜ。大量のカメラだ。ドラレコに偽装したのもあった。やはり、専用部隊がいるようだ。」と、筒井から連絡が入った。

 

「ポーカーねえ。私は、七並べしか出来ないな。」と橋爪警部補が言い、「右に同じ。」と、西部警部補が言った。

 

「愛宕君、イベントは正午からに変更が決まったわ。」と、あつこが言いに来た。

「ありがとうございます。何とか間に合いそうですね。」と、愛宕は笑った。

今日は、他県の護送車も警察官付きで来ているのだ。

 

午後5時。伝子のマンション。

「それで、見学してきたのね、特権で。」

「特権じゃないよ。総子が送ってきた写真に負けないだろ?」

「まあ、ね。」

「素直じゃないんだよ、クソババア。」

「だから、それ、止めて。婿殿、助けて。」

 

苦笑しながら、高遠は藤井と、お好み焼きの準備をしている。

 

こうして、第一回戦、は終った。

 

―完―

 

※今回の登場人物(順不同)

大文字伝子(だいもんじでんこ)・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。

大文字[高遠]学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。

橘なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。EITO副隊長。ロバートと婚約してから、姓を戻している。

久保田[渡辺]あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。EITO副隊長。

愛宕[白藤]みちる・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。あつこと警察学校同期。警視庁丸髷署からのEITO出向。警部補。副隊長として、指揮をとることになった。

 

中島[増田]はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。副隊長補佐。見合いしたMAITOの中島と事実婚をしていたが結婚した。

馬場[金森]和子二尉・・・空自からのEITO出向。副隊長補佐。

高木[日向]さやか一佐・・・空自からのEITO出向。

高崎[馬越]友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。

大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。

田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。

浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。

稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。

 

安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。

愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。

青山[江南]美由紀・・・、元警視庁警察犬チーム班長。警部補。警視庁からEITOに出向。

伊知地満子一曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。伝子の影武者担当。

葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。

越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。

小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。

下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。

高坂[飯星]満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。

財前直巳一曹・・・財前一郎の姪。空自からのEITO出向。

仁礼らいむ一曹・・・仁礼海将の大姪。海自からのEITO出向。

七尾伶子・・・警視庁からEITO出向の巡査部長。

大空真由美二等空尉・・・空自からのEITO出向。

新庄珠恵・・・元結城たまき警部。結婚と、『身バレ』の可能性から、名字だけでなく、下の名前も改名。警視庁は退職して、EITOに再就職。

柊安江・・・元マラソンランナー、元やり投げ選手。EITOに就職。

 

大文字綾子・・・伝子の母。介護士をしている。

藤井康子・・・伝子マンションの区切り隣の住人。栄養士。モールで料理教室を開いている。

 

愛宕寛治警部・・・伝子の中学の書道部の後輩。丸髷警察署の生活安全課刑事。『片づけ隊』班長をしている。

橋爪警部補・・・『片付け隊』メンバー。丸髷警察署からの出向。

西部警部補・・・『片付け隊』メンバー。高速エリア署からの出向。

 

---- 今回のゲスト –--

ロバート・ギルバート・・・オスプレイのパイロット。秋には、米空軍の復帰。

 

 

 

 

 

 

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